2022/09/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 布団の中でもぞもぞと動いて寝返りを打つ。ときどき、んんん、と呻くような声をもらして、眉を寄せて。しばらくそうしていたあと、ゆっくりと瞼を開けた。
寝起きでぼんやりしたまま、仰向けの姿勢で天井を眺めて、自宅とは違った雰囲気に小首をかしげる。
鈍った思考で、ここはどこだろうと考えこんで、数分ほど経ってから、がばっと勢いよく飛び起きた。
「……っ?!」
あわてて周囲を見回す。やはり見覚えのない部屋だけれど、内装から、どこかの宿の一室だろうと判断できた。
窓の外を見てみると、ちょうど夜に入ったくらいの時間だろうか。
どうしてこんなところで眠っていたのか思い出そうとしても、記憶があやふやなまま。
それから、またあわてふためいた忙しなさで布団の中を覗きこみ、服を着ている事にほっとする。
とりあえずおかしな事はなかったようだと安心したけれど、疑問は尽きない。
ふと思い立って、口元を手で覆い、はあっと息を吐いてみる。すこしお酒くさかった。
酔いつぶれて、ここに連れてこられたのかと考える。
そもそも付き合いくらいでしかお酒を口にしないから、間違って注文したものを口にしたのか、誰かに酔わされたのか。
ベッドの上で上半身だけ起こしたまま、あらためて、ゆっくりと部屋の中を見回して。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレイプニルスさんが現れました。
■クレイプニルス > 時間は少しさかのぼる。とある、平民地区にある飲食店に入った時の事だった。
店員が困っているのを見て、どうしたんだと聞けば、店の中で女が寝てしまったとのこと。
その女性に近づいてみれば、食事の横に強めの酒。似た名前のジュースがあるので、恐らく間違えて注文してしまったのだろう。
平民地区は、貧民地区よりは治安は悪くないとはいえ、女が一人寝ているには危ない。
まあ、そんなこんなでその女性の体を引き受け、平民地区に借りてある、自分の住まいに。
無論、手は出していないし、出すつもりは……正直分からないが、今のところはないと言って良いだろう。
寝室の内部は最低限のモノしか置いていないが、一輪の赤い花がイケてある花瓶があるくらいか。
新鮮な水の入った魔法瓶と二つのコップを持ち、部屋に入れば……起き上がっている女性を見つけ。
「やあ、おはよう……というには遅いけど。目は覚めました?」
そう左片目を柔和に笑顔にして、声をかけよう。
「強い酒をジュースと間違えて飲んでいたようですが……頭痛はしませんか?」
と、言いながら、魔法瓶からコップへ水を。
「とりあえず……水、飲みます?」
■ミンティ > 寝乱れた髪を手櫛で整えていると、部屋の外から足音が近づいてくる。
ここが宿の一室であれば、他の宿泊客が物音を立てる事もあるだろうと気にせず。今、この部屋には自分だけのようだからと安心していたら、思いがけず扉が開いて、びくっと震えた。
宿の従業員なら、入室の前にノックの一つもあるだろうとから、急な入室者に、つい身構えてしまう。
「……おは…よう、ございます。…ええと、…あなたは」
まだ半身に布団をかけたままの状態で、肩を竦め、縮こまるような状態。
けれど目覚めの挨拶のあとに続く台詞を聞けば、ここにいるのも自分の失態が原因だと気がつけた。頬を両手で押さえつつ、ああ、と困ったように呻き。
「……そう、でしたか。…すみません……、…お手数を、おかけしてしまって…
え…と、……はい。……では、一杯だけ……いただけますか…?」
おそらく介抱して適当なところへ運んでくれたのだろう相手に、警戒する様子を見せてしまった事が申し訳なく。小さく頭を下げて、から、考えこむ。
見知らぬ人からすすめられる飲み物に、酔いつぶれたあとだからまた警戒しそうになった。けれど、なにかされるなら寝ているうちに、どうにかしているだろうとも思えて。
こく、と頷くと、おそるおそる手を伸ばし。
■クレイプニルス > びくりとした相手に、自分の部屋、自分のテリトリーとはいえ見ず知らずの女性がいるのにノック位したほうが良かったかと、内心反省しつつ。
ベッドの中で縮こまっている相手の言葉に。
「ああ、俺はクレイプニルスって言います。クレイと呼んでください。よろしく……って言うのは変ですね」
あはは、と笑いつつ。冒険者であることは伏せておいた方がいいと思い、職業までは言わない。
やはり、冒険者と聞けば乱暴で粗暴という印象を持たれて、さらに怖がらせるかもしれないという考えで。
お手数を~と言われれば
「いえいえ、こちらこそ。見ず知らずの場所にあなたを拉致ってしまった状態になって…」
まあ、普通に考えれば。相手に家族がいるならこれは立派に拉致だろう。
とはいえ、あの状態では仕方がなかったので。
「はいはい。果物の果汁以外、何も入っていないので、ご安心を」
新鮮な水には、柑橘系の果物の絞り汁をわずかに入れてある。まあ、緊張をほぐすための行動……と、クレイは考えて。
無論、何も入っていないと見せるため、同じ魔法瓶から水を自分のコップに入れ、飲むのも忘れない。
やはり、男性に介抱されるのは恐怖があるのはわかるので、笑顔は忘れない。獣ではないよというアピール。
……しかし、彼女を運ぶ時、いい香りがしたなぁ……なんて思うのは、やはり男だからで。
■ミンティ > 髪を整えたあとは、ブラウスの襟を直したり、袖の皺を伸ばしたり。酔いつぶれていた時点で仕方のない事だけれど、寝起きの姿を親しい仲でもない人に見られているのは、ばつが悪い。
最低限の身だしなみを整えてから、眼鏡のつるに指をかけて、レンズの位置を普段どおりの場所まで戻して。
「……クレイプニルス…さん。…あ、申し遅れました……ミンティ、といいます…」
寝ぼけた声はかなり掠れたものになってしまっていたから、何度か喉を鳴らして、粘膜の調子を整えようとしつつ。
ベッドに座ったままの姿勢で不躾だとは思いつつも、すぐに立ち上がるとふらついてしまいそうだから、そのままの姿勢でぺこりと頭を下げた。
「……あ」
見ず知らずの場所、と聞いて、はっと思い出す。
あらためて周囲を見回し、自分の荷物が入っている小さな鞄を見つけ、手繰り寄せて。
財布を取り出して、膝の上へ置き。入れ違いに差し出されたグラスを受け取って。
「……親切に、ありがとう…ございます。
あの、ここの宿賃は……あなた、が、……立て替えてくださったのでしょうか。
でしたら、あの、わたし……きちんと支払いますので……」
部屋の中と、窓の外の景色から、宿屋の一室だろうと判断し、認識はまだそのまま。
相手が同じものを飲む様子を見てから、自分もおずおずとグラスに口をつけつつ、宿賃を支払うと申し出て。
■クレイプニルス > 相手が身だしなみを整えるのはジロジロ見るのもあれだろうと、横を向いておき。
相手がややかすれ声でクレイの名前と自身の名前を口にすれば。
「ミンティさん……ですね。可愛らしい響きの名前だ」
そう正直に口に出しつつ、相手がバックから財布を取り出しながらコップを受け取れば。
「ああいえ、この部屋……俺が借りっぱなしと言いますか。年単位で契約してる部屋なので。お気になさらず」
自分は椅子に座りながら、事情を話す。
まあ、事情的に実家にはあまり帰りたくはないが、寝るところは必要なので、平民地区のそこまで高くない宿の一室を一年契約で借りっぱなしにさせてもらっている。
まあ、お金は文字通り、腐るほど使えるのだ……本人の意思はともかく。
「とはいえ……やはり、対価はあったほうが健全ですよね……」
まあ、元々対価など求める気はなかったのだが。相手が何か支払うというのなら、もらっておきたい気も湧いてくるくらいには俗物で。
とはいえ、金銭などいらないしなぁ……と悩めば。
「では……対価は、ミンティさんで」
そう、いたずら心を込めて言おう。
「まだ、立ち上がったりできないでしょう。結構強いお酒でしたし。
立ち上がれるようになるまで、俺と話しませんか?
女性と話す時間というだけで、男にとっては十分な対価ですので」
なんて笑いつつ、言い放とう。
もちろん、下心はアリアリだが……今は襲う気はないのは事実。
女性と話すだけでも、心が潤うというのも本当なのだから。
とはいえ、強制する気もない。相手がどうしても金銭で払いたいというなら聞く気でもいて……
■ミンティ > 名前を褒めてもらうと、また身を縮こまらせる。恐縮した様子で目を泳がせたものの、そんな態度ばかり見せているのも失礼に当たるとはわかっているから、ぺこ、と頭を下げて、感謝の意だけでも示す事は忘れず。
「……へ?」
大通り沿いのお店で食事をしていたところまでは記憶に残っていたから、てっきり、そのまま近くの宿まで運んでもらったのだろうと考えていた。
あらためて室内を見回しても、あまり生活感を感じられなかったから、宿の一室だと思いこんでも仕方がなかったかもしれない。
それでも、他人様の家で眠りこけていたと理解すると、驚き、目を丸くして。
「あ、あの、す、すみませんっ……、すっかり、居座ってしまって…っ、
でしたら、ええと……宿賃、くらいの……お金、で」
自分の意思でやってきたわけではないけれど、それでも気まずいものは気まずい。
料金が設定されていない部屋となると、いくら支払えばいいか困惑するものの、とりあえず大通り沿いの宿屋で一晩すごすくらいのお金は必要かと、財布の中を確認し。
「……へ?」
不意に、対価は自分だといわれて、動きを止める。
急に襲いかかられる事はなさそうだと警戒心を解いていたものの、天敵を見つけた小動物みたいに、またぎくりと身体を強張らせ。
「……あ、……ええと、…お話、ですか。……はい、それくらい…でしたら。
あの、でも、それとは別に、……お金は、受け取っていただけると…嬉しい、です」
わざと勘違いするように言ったのだろうと理解すると、ほっと息を吐いて。
酔いが完全に抜けきるまで休ませてもらえるのならば、こちらとしても助かる話。
なにかされたり、捕まってどこかに売り飛ばされるような事もなさそうなら、自分の足で帰宅できるようになるまで、厚意に甘えていいかと考える。
その間の話し相手くらいなら、と頷きはしたものの、迷惑をかけている分のお金は払いたいと、変なところで意固地にもなって。
■クレイプニルス > 相手が部屋を見回すのを見て、自分の部屋は殺風景だよなぁ…と、自分でも思いつつ。
まあ、客を招くわけでもないし、物への欲求も薄いので、困ってはいないのだが。
もう少し、華が必要かなと相手の反応を見て思いはする。
「あはは、殺風景ですよね。まあ、普段は寝るだけに帰ってくるので……」
相手は話し相手にはなってくれるようだが、金銭は受け取ってほしそうだ。
まあ、そこまで言われて、いらないというのも失礼かと思い。
「ありがとう。じゃあ……」
まあ、ここら辺の宿の適正価格を言って、一晩分の宿泊代をもらおうか。
さてさて……これから。相手が酔いがさめるまで、一晩の話し相手になってもらおう。
「では、何から話しましょうか……とりあえず、お互いの職業の話でも?」
なんて言いながら、もうそろそろ冒険者だと自分の情報を開示しても、怖がらせないだろうかと思いつつ、職業の話にしようかと。
「俺は、その日暮らしの冒険者をやってるんですが……最近は、遺跡で古い遺物なんかを集めるコレクターからの依頼が多くて…」
なんて、話し始めよう。
ミンティさんからも何か話が出れば、聞きに回る気で入るが。
やはり、自分の話を女性に聞いてもらう……というのは、満足感があって。
いつの間にか、話に夢中になるか、それとも、相手の酔いが良い感じに覚めるか。
それまでは、とりあえず。今日のところは健全な一晩が過ぎる……だろうか、どうかは、神のみぞ知る事……?
■ミンティ > お金を払えばなにをしてもいいと考えているわけではないけれど、きちんとした対価も支払わずに休憩場所だけ与えられているのも気がひける。
意固地になって宿賃を渡そうとしたら、どうにか受け取ってもらえたから、そこですこしだけ心持ちも軽くなる。
もぞもぞと動いて座る姿勢を正しながら、腰から下は、まだ布団を被ったまま。
「……ありがとうございます」
お金を受け取ってもらった事にも感謝の意を示して。
話を切り出そうとしている様子の相手を、人見知りゆえにまっすぐ見つめる事はそう簡単にはできないけれど、なるべく視線を向けて、耳を傾けていると伝わるように努力する。
冒険者という職業の人々には、仕事の都合で出会う事も多く、そう明かされても身構える事もない。
「……変わったものを、集めている人…、……多いです、からね」
口下手なりに、どうにか相槌くらいは返せるように意識して。
それでも話を振られない限りは、黙って首を振っている事の方が多かっただろう。
こちらの職業についても尋ねられたら答える、くらいはしたかもしれず。
そうやって話しこみながら、明日も仕事があるからと、一晩を明かさないうちに帰宅を申し出たりもしただろう。
引き止められてここで眠ったのか、意地になって夜の街を帰っていったかどうかは、相手の説得次第だろうけれど。そんな風に、酔いつぶれたあとの夜をすごして…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレイプニルスさんが去りました。