2022/08/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフェリオさんが現れました。
フェリオ > がらりッ―――。

道具屋の扉が開かれる音が響いたのは仮店主の欠伸と同じタイミング。
ローブのフードを目深に被り、口元をも隠した新たな客は、
盛大な欠伸をしていた人物と視線が合えば、ぱちり、ぱちり、と思わず瞬きを数度繰り返した。
ほんの一瞬、僅かな間を置いてフードの人物は空気を変えようとしたのか、咳ばらいを一つ。
その咳払いでどうやら女性らしいという事が相手にも判るかも知れない。

「……お邪魔だった、かな?」

僅かに首を傾げ、皮肉のような台詞を紡ぐフード姿の客。
けれど、その声色はどこか気遣いを伺える色合い。
生欠伸をしてしまうくらいに穏やかな一時を打ち破ってしまった、
なんて勘違いからの一言だった。

クライヴ > 閉店の時間も近付いてきた頃だし、そろそろ店仕舞いの支度を始めようか―――
噛み殺した欠伸と共にそんな事を考えていると、視線の先のドアががらりと音を立てて開かれる。
やがて、ゆったりとしたローブにフードを目深に被った人物の来訪を認めると、すぐさま佇まいを正して立ち上がり、

「―――失礼。いらっしゃいませ、何かお探しですか?」

ほんの少しだけばつが悪そうに笑みを浮かべながら、接客の挨拶を投げ掛ける。
此方を気遣う風な相手の言葉には、まさか、と即座に否定の句を返しながら。

その声音と、ローブ越しに見て取れる体格からして相手は女性であろうか。
同時に、その装いからして冒険者か旅人の類であろうかと考えを巡らせると、
彼ら向けの用品―――ランプや野営道具などが並ぶ棚の方へと自然と視線を進めてゆく。

フェリオ > 「ああ、そうなんだ。」

こくり。フードを目深に被ったままの来訪者は、すぐにも意識を切り替えた
店主であろう人物に頷きを一つ返し、問いの言葉の答えを示す。

次いで店主の視線を追えば―――、そこに己も視線を向ければ、
旅の必需品とも言える道具が並んでいた。

己の出で立ちから入用なものを察したのかと独り理解に至れば、
一歩二歩と歩みを進め、棚に並んだ道具たちを眺めながら―――。

「欲しい物は色々あるけれど、先ずは薬草を少し…。
 …即効性の高いものがあれば良いんだけれど…。」

話の早い店主、と見込んだフードの人物は己の目的物を告げる。
即効性の高い、ともなれば単独行動が多いとも判別できるかもしれない。

クライヴ > 「それは良かった。他に客も居ませんし、そろそろ店仕舞いかと思っていたところなので。」

頷きを返す相手の様子に小さく笑んで、その視線が向けられた先―――旅の必需品の中でも薬草や薬瓶の棚の方へと手を伸ばす。
そうして、注文を聞けばその中から幾つかを手に取って相手の眼前のカウンターへと並べてゆき。

「即効性の高いものだと、この辺り………こっちのなんかは少々値は張りますが、よく効くと専らの評判ですよ。
 ―――他に必要な品は?旅の必需品から夜のお供まで、何でも取り揃えておりますよ………?」

などと、少しばかり悪戯っぽく冗談めかした風に言って見せる。

フェリオ > 「ふむ…。」

己の言葉を聞いた店主が手早く幾つかの道具をカウンターに並べ始める。
身体もカウンターの方へと向かせると、並べられたそれらに視線を這わせ、
簡単な説明に頷いていたのだけれど―――。

最後の台詞を聞けば、視線だけをじろりと店主へと向ける。
睨むようなそんな視線を送り続けるのだけれど―――。

「若いのにそんな冗談を言えるとは、見掛けによらないね。」

嫌悪を滲ませていたのが緩んだのは、思いの外に目の前の店主が若かったからだった。
目元を少し緩ませた客の女はここで漸く、目深に被ったフードを下ろし、
自身の顔を晒し、更に一つ。

「夜のお供とやらは遠慮するとして…。疲れを癒せるものとかは無いかな?」

クライヴ > 「―――と、即効性の薬草や傷薬の類ですと、概ねこのくらいでしょうか。
 後は、応急手当用の包帯や解毒剤などもありますが。」

ご一緒に如何です?と笑顔を浮かべながら傍らに並べたそれらを勧める一方で、
冗談めかした己の一言に返された鋭い視線にたじろいだ様に半歩退いて見せる。

「おっと、これは失礼。」

そう、誤魔化すような笑いと共に謝罪の句を告げた一方で、
目の前の相手が目深に被ったフードを下ろしたならば、露わになったその容貌にほぅ、と静かに息を呑む。
しかしすぐさま掛けられた声に、気を取り直した様に後ろの棚の方へと向き直り、

「疲れを癒せるもの―――そうですね、よく売れているのはこの辺りでしょうか。
 とは言え、効き目や感じ方に個人差がある品も多いので………宜しければ、ひとつお試しになりますか?」

そう言って棚から取り出しカウンターに並べたのは、先の傷薬とは別種の幾つかの薬瓶。
その内の一種―――体力や魔力を回復させる反面、深い眠りへと誘う作用を持った薬瓶の蓋を徐に開けると、相手へと勧める様に差し出して―――

フェリオ > 「どうしようかな…。」

己の言葉を聞けば、すぐさま要求に近いものを用意する辺り、この店の品揃えは豊富なのだろう、
そんな推測を一つ挟んでから、新たに並べられた薬瓶を眺めながら一つ漏らす女。

しかし―――。

「いや、もう少し他の店も当たってみるよ。
 他にイイものが無ければ、宜しく頼む。」

即決するのは憚られたのか、そんな断り文句を申し訳なさそうに告げると
一つ目礼をしてから再びフードを被り、店を出てゆくのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフェリオさんが去りました。
クライヴ > 「―――それは残念。えぇ、またのお越しをお待ちしております。」

断り文句と共に辞した相手に小さく肩を竦めて見せながらも、それ以上食い下がる事はせず。
再びフードを目深に被り店を後にするその後ろ姿を、一礼と共に見送ってゆく。

「………さて、そろそろ店仕舞いとしましょうか。」

その姿が入口のドアの向こうへと消えて行ったのを見届けてから、小さく息を吐いてカウンターに並べた商品の片付けを始める。
結局売り上げは大して挙がらなかったが、店番の役目は十分に果たした筈だ。
そんな言い訳を胸の内で考えながら、入口のドアの前に掛けられた札を裏返してゆく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクライヴさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシャルレさんが現れました。
シャルレ > 人が多くて賑わう街のなか
屋根や塀づたいに歩く白い猫

なにやら楽しそうな人の声にピンとしっぽを立てて
慣れたルートで夜のお散歩という見回り
建物の下には酒場やら…人の集まるような場所が多いのだろう

塀のとこに積まれた瓦礫に飛び降りて
身軽にポンポンと…地面まで降りると周囲を見回し…道の端っこをちょこちょこと歩きはじめて

シャルレ > 楽しそうな人の声に今日も何事もなく
夜が過ぎているのだと…

白い猫の夜回り的な散歩は
いつもと同じルートをたどり隊舎へと足を進めていく

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシャルレさんが去りました。