2022/07/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区_屋台村」にシーリーンさんが現れました。
シーリーン > 平民地区に出ている屋台村。
そこを歩く肌も露な服装の女性。
足取りは軽く、まるで踊りを踊るように。格好も相まってダンサーと見られてもおかしくないかもしれない。

色んな屋台を見ては会話して、冷やかしになりがちだけれど持ち前の話術で店主を楽しませることで悪い印象を与えない辺りは隙が無い。
時々楽しげな会話が気になって入ってくる客がいれば、すすっとその場から消えて店主にトスしたりも。

そうこうしていればそろそろ昼飯時。

「さーて、今日は何を頂こうかしらねぇ……」

屋台村の店はある程度把握したため、何をしようかと足を止めて少し考える。
邪魔にならない位置に建っているものの、その出で立ちは十分に目立つことだろう。

シーリーン > 「……よし、決めた」

ぽつっとそうつぶやけば、顔を上げて舞うような足取りで屋台村中央付近のとある店。
故郷の料理に近い、豚を丸ごと焼きてからナイフでそぎ切りにして薄焼きのパンで挟む料理の屋台。

「やほー、お母さん。お昼ここにしようって決めてきたの!」

年かさの女性が切り盛りする屋台のエリアに足を踏み込むなり明るい調子で向けた言葉。
先程は冷やかしだったがまだ戻ってきて、今度は客だと告げれば店主の反応も当然良いものへと。

しばらく待って、料理を受け取り支払いをすれば、店主に半分、外に半分見えるように立ち位置を直してから一口。

満面の笑顔に表情変わって

「ん~~~!お肉の美味しい脂と、お野菜のさっぱりさが合わさってくどくどしくないのね。味付けはマグメール風だからなじみ深いのと、熱いお肉と良く冷えたお野菜のバランスも、最高!」

別に宣伝をしているわけでもないのだけれど、食べて感じた良いとこ探しで見つけた『良い所」を素直に口にする。
表情がコロコロ変わるのはもはや職業病だから。

そうしていれば、その様子を見ていた屋台村の客が釣られて女店主の屋台へと集まってくるか。

シーリーン > 人が集まってくる様を満足げに見つめて、そこからは静かに食事を続けていた。
そうしていれば、自分の近くのカウンターに置かれる飲み物のカップ。

店主に視線だけ向けて片眉あげれば、店主からも口元だけでの返事が返ってくる。

「……ん~、この飲み物もコレに合うわね。これ、なんていうの?」

今度は落ち着いた様子で向けた言葉。
それに買ってくるのはドリンクの名前。
そのやり取りを聞いていた注文待ちの客の何人かは、追加でドリンクを頼んだかもしれない。

そうしてその客の流れをしばらく見やっていれば、ほどなく捌けていなくなる客。

「……なかなかに商売上手ねぇ、お母さん。」

楽しそうな笑顔で向けた言葉。
特に何か契約をしてやったわけではないのだが、このやり方で客が増えたとみるや、もう少し客を増やせるのではないかと考えた店主の機転の良さをそう評して。

程なくドリンクを飲み終われば、

「じゃぁ、これはごちそうさま。また機会があったら食べに来るわ」

笑顔でそう告げれば屋台を離れる。
もう少し屋台村は見て回るつもりなので、屋台村をぶらぶら歩き始める。

ご案内:「王都マグメール 平民地区_屋台村」にシァンさんが現れました。
シァン > 肉汁も肉もたっぷり詰まったどでかいソーセージに茹でたキャベツをたっぷり添えて大きなコッペパンに挟むと……
大きすぎて凄く食べにくい。
屋台で買った昼飯に四苦八苦しながら大口開けてはがぶりといきつつ食べ歩き。

途中つい目が引き寄せられたのは、
この辺りではあまり見ないような気もする褐色肌の美人。
序に己と同じく目を引き寄せられて色々と反応したらしき若い男が数人か。ありゃナンパしたくなるよな、と普通なら放っておくが男衆ときたらどうにも柄が悪い、こんな人目のあるところで騒ぎを起こすとは思えないが……

「よーす。こんなところで奇遇なぁ。どしたん、昼飯ぃ?」

いかにも、知り合いですと、いかにも、親しい仲ですと、
言わんばかりに気さくに且つ大きな声と大げさに手を振り上げて彼女へと声を掛ける。
後ろ後ろ。柄悪いの居るのでちょっとね。といった具合にもう片方の手で彼女の後ろ方向指差しつつ。

シーリーン > そうしていれば向けられた声。見知った顔ではないので一瞬怪訝そうに思うものの、
背後を指さしてくる仕草にちらっと肩越し視線を流せばその意図を理解。

先程の屋台で見せていたのと同じ笑顔を浮かべれば、小さく手を振りながら男に小走りに近寄って

「あー、久しぶりぃ!こんな所で会うなんて偶然ね。ええ、さっきお昼を終わらせた所。そっちは今進行形でお昼みたいだけど」

忙しかったの?などとつけ加えながら、普通の知り合いよりも半歩踏み込んだ位置へ。
その様子を見ればまるで恋人どおしと見えるかもしれない雰囲気を作る。

相手に向けてでも外に向けてでも、疑似恋愛は得意。
特に、いい女をつれて商談のような大店の旦那衆によく使った手口だが、どうやら若衆たちにも効果的だったようだ。

ましてや、ここまで目立つ男が相手役ともなれば。

シァン > 指の意図が伝わらなかったらどうしようか? 肩でも抱いて少し無理に連れてくか?
等といった杞憂はすぐに溶けてなくなるほどに機転の良い彼女の仕草に、
へえ……なんて感心して口も目も丸くなりかけたが直ぐににかりとした笑みに表情筋動かして。

「うん、ちょっと忙しくてさぁ。ごめんな? 最近会いに行けなくてぇー。
 お詫びといっちゃなんだがシァンさんたらちょっと今日頑張っちゃうぜ!? ……いやプレゼントとかよ?」

此れ見よがしに、振り上げた掌を下ろしながらも掌を握り拳へと変えて大きな拳も力が入って肌もシャツも張るほどに大きな力こぶを作ってはその筋肉質な体躯を誇示してから。何を頑張るというのか? 下世話な話かと思いきや違いましたとばかりに喉を逸らす。
タッパもデカいが肉体がこれまたデカい男に若衆もこれは面倒だと思ったか、
舌打ちやら聞こえよがしに何か捨て台詞やらを言っていたが踵を返した。
それ見てほっと一息。

「……いきなりごめんな? いや。大丈夫たぁ思ったんだが一応の用心で」

去っていく柄悪いのを見遣っては、声量を落とし、右手を胸の前に立てた。

シーリーン > こちらの反応に一瞬驚いたような様子を見せたのには気づいたものの、すぐに戻してくる様子にこちらもへぇ、と。

「そうよ~?最近お見限りかと思っちゃったじゃない。……あら、そっち?」

会話の流れからも商売女とその客、という感じになれば、美味い事やろうとした若衆も目論見が外れたことを理解できるかもしれない。
背後の気配から程なく立ち去ったらしい若衆。

返ってきた目の前の男の言葉と手の様子から安全な状況になったのだろうと理解すれば、
不意を突いて建てられた右手を取って、そのまま自分の左脇に通して腕を抱き握り。

「ん?何が~?……ま、お兄さんのおかげで助かったのもあるし、ちょっとくらいはお礼のデートでもいいけど?」

悪戯っぽい笑顔を浮かべればそんな言葉を向けて見せる。
表情と声の調子から、ちょっとからかっているのは分かるかもしれないが、きちんとデートに見えるようにしている所からするとお礼のつもりは少なからずあるのだろう。

シァン > するりと絡まり抱かれる腕に踵を返し体躯を半身に返して真横に並んでから彼女の歩幅に合わせてこつこつと歩き始める。
人通りの多い所故に立ち止まっての立ち話も邪魔であるから。
そういう身のこなしはそつなくこなすが表情は先程と違ってちょいと締まりが悪くなってしまった。

「いやぁ~。ふへへ。もうこれで十分お礼貰っちゃってるようなもんだしなぁ。いやむしろ貰い過ぎか? ありがとなぁ」

悪戯っ気な笑顔に弾む声音は誂ってますと十分言外に伝えてくるが、
こんな美人にこんな逢瀬といったふうに接せられるとやはり嬉しい。誂われるのも正直少し楽しい。
顔にしっかりそう書いてある。

「あ。申し遅れたな、シァン・ディェンだ。このあたりの冒険者ギルドでちっと稼いでる。
 何かあったら是非どーぞ? 1割引ぐらいしちゃうかもしれんな。男は美人に弱いんだ……」

ボリューミーな癖っ毛を照れ臭そうにも搔きながらの自己紹介。
冒険者ギルドも屋台村を歩いている内偶に建物が見える事もあるので丁度その頃合いに、あすこ、と顎を軽く逸して示す。

シーリーン > 誘われるがままに場所の移動に応じつつ。
少ししまりが悪くなった顔にくすっと笑いをこぼす。

「あら、結構お安いのね。これくらいでお代に?」

くすくすこぼれる笑い。そして、続く男の言葉を受けて

「へえ、冒険者のお兄さん、ね。私はあんまりご縁はないかもだけど。
……私はシーリーン。旅人……旅人?どっちかって言うと娼婦の方が本業かも」

自分もまた自己紹介。
とはいえ、仕事の部分は少し変な商会になるけれど、今の自分の状況からするとこうなるのだろう。

正しくは元娼婦の旅人。でも色々修正するのも面倒くさいのでこれで通すことにしたらしい。

シァン > 「これぐらいだなんてとんでもない。俺今、顔赤くならないようにいっぱいいっぱいなぐらいよ。
 って、またいちいち笑顔が可愛らしいんだから。大丈夫か赤くなってない?」

空いた掌がぴしゃりと頬を叩いて擦ったり。
冗談めかして喉も肩も大きく揺らし、偶に人にぶつからないようにと小さく腕を引いては歩きながら。

「シーリーン。やっぱここらの人じゃ無かったな、まあ人のこた言えんが。
 旅人、兼、娼婦か。こんだけ器量よしで機転も利くんだ。食い扶持にゃ困らねぇだろうな?」

頻り頷きながらいちいち褒めるが、あわよくば一晩、といった下心らしい物はとんと匂わせず只単純に思ったこと言っているだけの様で。

シーリーン > 「赤くなったらなったで、かわいいお兄さんだね~って言うだけなんだけど。……うん、大丈夫大丈夫。私にしか見えてない」

言われた言葉に返した言葉。最後の部分では一度顔を覗き込んで、赤くなっているのは頬を叩いた時のそれ。
無茶苦茶強くたたいたわけではないので当然見えるのは至近の自分だけ。

でも、その詳しい説明は全部省いた。

「そうね。元々はとっても遠くよ。でも、今回の旅の出どころはシェンヤン」

明らかにシェンヤンの人間とも違う。
最初のもっと遠くの部分から、砂漠の民である事も知れるかもしれないけれど。

「そうねぇ……どっちかって言うと、一般受け狙いの器量なので、中身で勝負をしております。娼館にいた頃はそれなりに頂いてたけど、今はフリーだからちょっとした程度位?」

下心があったらあったで客にしてしまえ的な目論見もあったものの、そんな気がないのを察すれば、普通に答えをぶっちゃけた。

シァン > 「え!? 赤くなってる!? そうか……色男っつーにはまだまだよな」

引っ叩いたから赤くなってるだけだがそこらの説明省かれたうえで指摘されると、
照れ臭くって視線が横へと逸れたり首が傾いたりとしたあと乾いた笑いが一つ二つ零れ出て。

「シェンヤンか。懐かしいね、昔ちと居着いた事があるぜ。
 気風が合わなくて直ぐ出ちまったけど」

北方の出にしては肌の色合いが合わないがあれこれ詮索することもないだろう。
雑談の一つとしてさらりと流しつつ、

「上から下まで十分狙えると思うんだがなぁ。少なくとも俺ぁ通うね。うっかり貢ぎ過ぎねぇよう注意が必要だが……
 普段どこらへんでやってんだ?」

ちょいと柄の悪い奴らを適当に追っ払っただけで『お礼』で『一晩』貰う気は無いにせよ、
それはそれこれはこれとして彼女は十分魅力的なのでそのうち買いに行くつもりは確り。
ちょっとした程度? どれぐらいだろうかと首を傾げて。

シーリーン > 「でもさっきの態度は色男の素質十分だったわよ?」

自分を助けにやってきた辺りは十分、と保証して。
シェンヤンの話から帰ってきた言葉にへぇ、と相槌1つ。

「そうなんだ。私はそこそこだったかなぁ。ここに比べれば刺激は少ないけれど、あそこはあそこで面白かった」

そんな会話のなかで、自分に対する評の言葉。
口元の笑みを少し深めれば

「へぇ、お兄さんにはナイスヒットした見たい?それならそれで嬉しいけれど。
普段は……」

そうして告げる場所。
いずれも治安はそこまで悪くないもののそこまでいいとも言えない場所。
娼館からは程よく離れていて酒場の多い当たり。
いわゆる繁華街のあたりでいくつかの酒場の名を挙げて。

「……で、お客ついでに引かせてもらってる感じ。
今なら相席お酌付きで少しだけお得よ」

楽しげに紡がれる言葉。その後で、男を上から下まで見やってから

「そうねぇ……お兄さんならこれくらいで」

言いつつ片手を広げる仕草。
0がいくつつくかはハッキリ言わないけれど、普通よりは少しダンピング。
街で普通の娼婦を買うとしたらちょっと高いくらいだろうか。

シァン > 「ふふ、ありがとよ。その素質もうちょい延ばせりゃあ三枚目から抜け出せる……
 日が、来る、かなぁ……?」

面は悪くないと我ながらに思うのだが言動が我ながらに色々足りないと思う。
褒め言葉には素直に謝辞述べつつ赤くなった頬を撫でたり顎擦ったり。

「もうちょい長くいりゃあシーリーンとも早く出会えてたろうに。そこだけぁ残念だが。今知り合えたし良いかな。
 そらもうナイスヒットよ? ん。なるほど、あそこらな、ようし」

名前に覚えのない酒場もあるが行かないでもない場所柄故探せば見つかるだろう。
聞いた場所を逐一反芻しては頭に書き留めておいて、
絶対行くぜ! 等と親指立てて。

「お酌までして貰えるたぁ尚更行かにゃな。
 ところで、0が足りねぇ気がすんだが? もうちょい出させろってー。いいだろー」

上から下まで、随分な癖っ毛から上着も脚絆も膨らませる筋肉質にでかいブーツまで、
値定めするような視線にどうぞと軽く顎を逸したりしてから出てきた片手に片眉上がり。
0が多いから引かせろ、みたいな娼婦の客としては大変宜しくない値引き交渉みたいなノリで……
0が少ないし足させろ、だなんて宣っては彼女の腕を軽く引いては自分の方へ引き寄せて髪へと鼻先を近付けじゃれ付く様に。
勿論嫌がられれば直ぐに離すし、そも、触れようとはしない。

シーリーン > 「そっちは中身の問題だから、本人の学習と努力次第じゃない?」

けらけらと楽しそうに笑って告げる言葉。
とはいえ、三枚目から二枚目への脱却は結構難しい。
誰かにとっての二枚目なだけだとしたら、状況とタイミングで何とかなったりするかもだけど。

「そうかもだけど……あっちの頃だと多分色々と難しかったわよ?だって……」

そっと唇寄せて告げる当時の値段。
貴族でも稼ぎによっては二の足を踏むほどの金額で。

そして、今の自分のエリアを理解した様子で絶対行くとの言葉を耳にすれば、それはどうぞ御贔屓に~、と言葉にして腕にちょっとだけ胸を押し付けた。

「ん?……ん~ん、その額でいいわよ。リピーターになってくれそうなお兄さんだし、一回で大きく頂くよりも、細く長ーく通ってもらった方が私としてはありがたいもの。
まぁ、どこかの娼館に入る事にしたら額が変わると思うけれどね」

その額で買える娼館だとしたら、場末のあまり環境の良くない場所。
今は直引きだからサービスみたいなもの、と。

そして引き寄せてくる腕の動きにはするっと動いて背中から抱かせるような体勢に。
そして髪へと鼻先を近づければ、椿油の香りのなかで、エキゾチックな香りが混じって届くだろうか。

シァン > 学習と努力次第。
ご尤もなお言葉に、それとも、楽しそうに笑う彼女につられて、或いは両方ともに笑気を零して一つ頷く。

「ん、何、やっぱ人気なもんで高……ほ……!?」

彼女と会話をしていると頻り笑みも笑気も止まらないが囁かれた値段には、口も目も真ん丸に。
……山賊街道あたりざらっと掃除してくりゃ……いけるかぁ……!?
等と直後から、当時と今では値は違うが当時の値ぐらい出すつもりのようでぶつくさ独りごち。
さらっと言っているがざらっと掃除は余り簡単ではないが……。
腕にふわりと押し当たる感触に、ついまた、口元がだらしなく緩みそうになって、おっとと顎を掴んだりと色々忙しい。

「ん。じゃあ、まあ、そこまで言ってくれるんだったらあんまり食い下がるのも情けねぇ。
 額はそれでいい。が、心付けは俺の勝手だよな? ふふ、期待しててくれ」

引き寄せてみれば抱かせてくれるほどにまで身を寄せてくれるものだから、腕がくるりと腰捕まえて。
体躯を少し傾け人並みから外れると近くの壁にでも背を預けつつ彼女の体躯も、鼻に届く刺激的な香りも、楽しむと。

「ん。やっぱすっげぇいい女だな。どっかの娼館移っても勿論追っ掛けるぜ?
 いやぁー。もうこの時点で嵌っちったよ。」

魅力にすっかりやられてしまったと情けないこと言いつつもからからと快気良く笑いを上げる。

シーリーン > 過去の自分の価格を聞いた反応は大体予想通り。
結局こちらの言い値で納得してくれた様子にくすっと笑いをこぼせば

「まぁ、チップをはずんでくれるというならもらっておくけど、本当に回数通ってもらえる方がありがたいんだけどね~」

それは娼婦という仕事の特性でもある。
定期的に通ってもらった方が、癖になったりハマったりするので結果的に娼婦の側は儲かる。
それと、だいたい客がついている、というのは周囲への印象的に希少価値を与えるためにもなるから。

そして、身を預けた時の反応。
暫しそのまま身を預けていたが、その後の言葉が返ってくれば、すっ……と体をゆっくり離して。

「それはどうもありがとう。今後ともごひいきのよろしく」

ニッコリ笑顔でそう返す。
そして、ひらりと手を振ると

「ちょうどいい感じに日も傾いてきたし、私はそろそろ行くわね。
次はお客様で来てくれることを期待してま~す」

ちょっと冗句めかした口調で最後に一言付け加えれば、踊るような動きで数歩離れて、その後、すっ…と舞のような動きで戻ってくると、のびる背、そしてちょっとつま先立ちで顔を寄せれば、ほんの少しだけ触れる程度のキス。

次の瞬間には元の距離まで戻っていて、もう一度バイバイ、と手を振るとそのまま宿へと戻っていった。

シァン > 「なあに、チップは弾むし数だって任しといて?
 大丈夫。女相手にゃちいっと情けねえんだが腕っ節はそれなりさ」

今の頼りなさと仕事の其れとは、それはそれこれはこれ。
彼女の言い分や言いたいことにもきちりと頷き、笑って見せる。

「ああ、気ぃ付けて。人目に付かない場所ならその腰のもんでずばっとやっちまやいいぜー。っふふ。
 じゃ、また、うん、次ぁお客……っ?」

此方に身を寄せてくるときも此方から身を離す時も一々所作はその体躯のように柔らかに滑らかで、
凄いよなぁ何て見ていたら腕を離すのが遅れてしまったので『ごめんなー?』と片手上げつつ。
彼女を見送るその最中ふいにやってきた小さな口付けに言葉が詰まった。

「……っとに……ふふ、いい女だな。おう、また。」

今日の短い遣り取りでどれだけ言わせてくれるやら、
折角赤みが引いてきた頬をぴしゃりと叩きながらに、謝辞に上がった手はそのまま見送る手にして緩りと振って彼女を見送る。

「さて。そんじゃたまには俺もいっちょ気合い入れて稼ぐか!」

そしてその後には己も踵を返す。
まずは山賊街道だな、と――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区_屋台村」からシーリーンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区_屋台村」からシァンさんが去りました。