2022/07/23 のログ
リン > 「うにゃ」

ぽふん、と受け止められる。やわらかくも引き締まった体つきを顔で感じた。
覗き込まれる赤ら顔。
目が合えば、えへへとだらしなく笑うだろう。
身体のラインが出ない服だし、髪も長く、顔つきも中性的なので、性別の判断には迷うかもしれない。

「へへへ……大丈夫じゃないかも。
 きみに膝枕とかして解放とかしてもらわないと、死んじゃうかも~」

下心しかない発言。適当にあしらってしまってもいいだろう。

フリージア > 「うわぁ…。」

アタシは生来の正直さが表情と声に出ちゃった。
危なっかしい足取りでぶつかっただけでなく、膝枕での介抱とか言い出す。
典型的な酔っ払いじゃん。

「こんな時間に一人でふらついてると危ないよ?
しかもお酒飲んでるじゃない。
アタシ、酔っ払いは苦手なんだけど。」

こどもっぽいし、可愛らしい顔してるんだけど。
なんだかオッサンっぽいこと言ってるよね。
実年齢が幾つかはわからないけど、どうしようかしら。

リン > 「あっ、はい……」

冷たい視線を浴びせられ、真っ当なツッコミを入れられて
だらしない表情からちょっと傷ついた半笑いになった。
酔っ払って女の子に絡んではいけません。シュン……

「ご、ごめんなさぁい……酔っ払いで……
 ひとりでおうち帰ります……」

少女から離れて、どこかへ歩こうとして……
足がもつれてべしゃ! と転んでしまった。
無様。

フリージア > 「あ~~…。」

ちょっと言い過ぎたかな。
なんだか可哀そうになってきた。
せっかく楽しんでいるのに悪い事したな~。

「その調子じゃ家に戻る迄何回怪我するかわかんないよ。
仕方ないから、家まで送ってあげるから。」

まあ、こういう出会いもあるよね。
アタシは小さな酔っ払いの腰に手を回し、抱き寄せる。
嫌がる感じじゃなかったら、ちょっと強引にでも付いていくかな。
重たそうな荷物も持ってるようだし、流石にこのまま放って行くのはね。

「家に食べ物とかある?
あるなら分けて欲しいんだけど。」

これ位、別にいいよね?

リン > 「ってて……」

背負っていたバイオリンのケースを杖にして、なんとか立ち上がると
ふいに抱き寄せられて目を丸くする。

「えっ、うれしい……
 いいよいいよ。食べ物なんていくらでもあげちゃう」

可愛い女の子に望外にやさしくされてデレデレし始める。
簡単に気を許してしまうのはいかがなものか?

「こっちこっち……」

身体を支えてもらいながら、歩きたどり着いたのはアパートメントの小さな一室。
安く借りられることがとりえだ。

「大したものはないけどね~」

貯蔵棚を軽く漁れば、チーズとか干し肉とかそういう保存食が出てくるだろう。

フリージア > 「嬉しい?
それは良かった。」

小さな酔っ払いは、なんだか上機嫌。
アタシも暇を持て余してたから丁度良いんだけど。

案内された場所は一人用の借り部屋って感じの所。
アタシも似たような部屋に住んでた時期があるんだけど、
掃除とかも簡単だし意外と住み心地いいんだよね。

「お、酒好きが喜びそうな食べ物がいっぱいじゃない。
頂こうかな。」

テーブルらしき場所を見つけると、そこに貰ったチーズや干し肉を並べる。

「そういえば名前とか聞いてなかったね。
アタシはフリージア。
格好見れば分かる程冒険者。」

今日は服の上にレザーアーマーを着ており、一般的な冒険者だと分かりやすいはず。
せっかく食事を用意してもらうのだし、自己紹介位はしておかないとね。

リン > 「どーぞどーぞ」

自分はベッドに腰を下ろし、グラスに水を注いで飲む。
歩いているうちに酔いが少し冷めたのか、多少落ち着いている。

「ぼくはリン。
 職業は、冒険者みたいなこともするけど……日雇いの仕事やったり色々~。
 バイオリン弾きも昔はやっていたけど、最近はいろいろあって休業中」

背負っていた楽器ケースは、今は狭い部屋の隅にある。

「きみは肉弾戦でがんばるタイプかい?
 たくましいねぇ~。ぼくは全然剣とか握れないんだよねぇ
 憧れるよ……」

ほれぼれとした様子で、健康美という形容が似合う少女の身体を観察する。
そんなにいやらしい目つきではない。たぶん。

フリージア > 「弾かないのにそんな重たい楽器抱えてるんだ?
何か理由があるのかな?」

リンはお腹は空いてないのか、ベッドの上で落ち着いている。
アタシは大変お腹が空いていたので、冒険者らしくがっついている。
途中、喉を詰まらせて水を流し込んだりと忙しい。

で、アタシの興味はリンと部屋の隅のバイオリンに向けられる。
なんだか曰くがありそうな楽器だし。
欲しいわけじゃないけどね。

「別に肉弾戦オンリーじゃないわよ?
射撃で仕留められるときは射撃で仕留めるし。
ソロで出歩くことが多いから、肉弾戦もできるようにしてるだけ。
お金もかかりにくいからね。」

リンはアタシの身体を眺めていた。
アタシがリンの立場でも同じことをしてるだろうから不思議ではない。

「いつもあんなになるまで飲んでるの?
アタシは飲めないから何とも言えないけど、危なくない?」

リン > 「端的に言うと、呪われてて手放せないアイテムなんだよね。
 今こーいう姿になってるのも呪われてるせいだったりする……
 弾いたら弾いたで、聴いた人を害する演奏になってしまう。
 だから持て余してるってわけ~」

酒を飲むついでに食事もしていたので、空腹ではない。
よく食べるねえ~と暖かく見守っているが、
喉をつまらせたりすればさすがに慌てて駆け寄ったりしただろう。

「まあ危ないよ……起きたら丸裸になってたこともあるし。
 でもぼく、楽しいことや気持ちいいことには逆らえないんだよね。
 だから飲み始めたら限界まで飲んじゃう~
 いつかそうやって死ぬんだろうね」

赤裸々に駄目な感じの述懐をして、空になったグラスを置く。
それからベッドに寝そべった。

「君だってあるだろ~、わかっててもやめられないことの
 ひとつやふたつ……」

フリージア > 「手放せないなら家に置いといたりはできないわけ?
弾けなくて重たいってかなり嫌な道具だね。
あ、でも打撃武器には使えるかな?」

駆け寄られると、アタシは笑みを浮かべながら水を飲んだりして。
しかしまあ、なんとも大変な話。
ということは元々は成人男性にあたるのかな?

「やっぱり危ないじゃない。
この街って便利だけどだいたい危ないもんね。
刹那的って感じなのかな?
冒険者でもそういう人結構いるみたいだし。」

普段ソロだから偉そうに語れるほど知り合いはいないんだけどね。

「まあ、いっぱいあるけど。
流石に命の危険になるような真似はしないよ。」

ご馳走になった分けだし、別に説教をしたいわけじゃないけど。
リンはちょっと捨て鉢な気もする。

リン > 「置いとくぐらいのことはできるけど、あんまりほっとくと
 機嫌損ねてぼくのこともっと小さくする面倒くさいやつなんだよね~
 鈍器にも使えるけど、やっぱり機嫌を損ねる」

ぺし、とバイオリンケースを叩く。
意思が宿っているらしい。

「危ないよ~。
 まあぼくみたいな雑魚はどう生きてたって怪物連中の気分次第の命だからさ~
 いっその事好き勝手適当にやることにしてるってわけ……
 刹那主義って言われたらそうかもね。

 それにぼくは……死んじゃうかも~ってぐらいのほうがドキドキして楽しいんだよ。
 そういう意味でも、長生きできないと思う」

フリージア > 「あら~、まさか生きてるのか。
機嫌損ねると小さくされるってだいぶ面倒くさいわね。
どこで見つけたのか知らないけど、凄いの拾っちゃったんだ。」

多分だけど、本当は凄い逸品なのかもしれない。
持ち主に取って役に立つような真似はしなさそうだけど。

「てことは、あれ?
首絞められたりして興奮しちゃうタイプってこと?」

う~~ん、リンはそっち系統の人か~。
だから夜の街でも平気に酔いつぶれて歩けるわけか。
意外といるんだよな、そういう開き直った人。
アタシはそういう風に開き直ったりはできそうにないな。

リン > 「そうなんだよ~大変なんだよ~
 まあそれが役に立つこともあるけどね……」

ため息。

「首。首か~
 ああ、うん、そういうのもある、かも……」

思わずフリージアを凝視して、それからむにゃむにゃと口を結んで視線を逸らす。
少女に絞められるのを想像してしまったのかもしれない。

「って何言わせんの! 恥ずかしいなぁ~もう!!
 今日は送ってくれてありがとね!!」

ごまかすように声を張り上げた。

フリージア > 「役に…あ、敵対者に呪いかけたりかな?」

どんな呪いか分からないけど、小さくなったりするのかな?
一時的には便利そうだけど、不意に掛けられるとなかなかきつそう。

「言っておくけど。
アタシは首絞めとかしないわよ?」

これは期待されてるよね~。
流石に視線を見てれば分かるわ。
やってあげたほうが良いのはわかるんだけどね。

だからまあ、アタシは立ち上がって。
ベッドの前にリンの首を両手で軽く締め付けてあげた。
気道が締まり、喉仏が押さえつけられ、結構苦しいはず。
こういうことは普段しないから意外と加減が難しい。
指に伝わる感触が生々しくて、ちょっと興奮しないでもないけど。

「ううん、こっちこそ貴重な食料ありがとう。
おいしかったよ。」

去り際に頭を撫でてから、街へと戻ることにした。
やりたいことやってあげられなくて悪い事したかな。

リン > 「言ってないし!
 やってほしいとも思ってませんから~!
 第一そこまで好きじゃ……」

もぉ~と唸っていたが、立ち上がられ近づかれ、伸びてくる手には息を呑む。
逃げもせず、首筋を這うその指を、剥がそうともせず。
ただ絞められるのを受け入れてしまう。
細い首は、そのままへし折ってしまうことすらできそうだった。

「……か、かはっ!」

手を離されて、けほけほと咳き込む。
こんなこと頼んでないし、と恨めしそうな視線。
目尻に涙が滲み、顔が再び赤らんでいる。

「ん。じゃね……」

撫でられて頷いて。
そうして去っていくのを見送るだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフリージアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にオースさんが現れました。
オース > 日の高い時間帯の平民地区の大通り。
色々な商店が並ぶ通りの一角、路地裏に通じる脇道の側で開かれた小さな露店。
並ぶ商品もよくわからない物や怪しいものが多い露店の店番をするのは年若い少年が一人だけ。
しかもお客が来れば対応はするが、積極的に客引きをしているようにも見えずで。

「これとこれ、それにこれで……15ゴルドだよ。
それでこれの買取が3ゴルドかな。それでいい?」

そんな少年は今、脚を止めたお客様に対応し。
求められた商品を売り、代わりにぼろいナイフを買い取って差額分を貰い。
商品を紙袋に詰めれば渡して「また来てね」と笑顔で見送り。

そのお客が見えなくなれば減った商品を小さな箱から取り出して並べ、次のお客が来るまで人波を眺めて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からオースさんが去りました。
ご案内:「高級娼館「ファタール」」にルヴィエラさんが現れました。
ルヴィエラ > (手慣れたものだ、と我が娘達ながら思う
娼館の場所移転を決めてから、はや数日
今となってはおおよその移動も済み、移転先での本格的な再開も始まって居た
王都の大工職人たちも、中々どうして捨てた物では無い様だ

充分な資金さえ積めば、改築の速度も速く
館の拡張と、ファタールの看板変わりである正面大門の設置も滞り無く終わり
今では、ハイブラゼールや移転前の店先と遜色無い光景が、広がって居る。)

「――――さて…後は、人の流れ次第。
暫くの間は、慌てず様子見…だろうねぇ。」

(独り言めいて呟いた言葉は、階下の様子を眺めながらに
既に始まって居る週末の営業、客人の対応を始めて居る娼婦達を見守りながら
己は、此れまでと変わらぬ最上階の一室、窓際にて、のんびりと葡萄酒のグラスを煽って居た)