2022/07/19 のログ
ティアフェル > 「それで神様の真似するやつもおらんわ」

 ここにいたけども。
 なんとも微妙な言い訳に無理がある。無理しかない、牧師のせいにするなと首を振り。
 
「あんなもんだったとしたら八割改宗するわ。
 少なくとも実物ではないんだから正しく偽者でしょ。なんでそんな自分の声色に自信を持てる。ナルシスト」
 
 罰当たり者、と責めるほどには信者じゃない。けれど、その意見に同感できるほどでもない。
 だからおざなりながらも全否定の構え。
 ふるふると首を振るに合わせ毛も揺れる。

「云ってなって……。恨まれてるのは自業自得でしょ。
 甘んじて恨まれなさい。
 やったー。云ってみるもんだ! そうとなったからにはこの先貶すのは控え発言に気を付けようと思います!
 ありがとうありがとう。できれば冷えたジュースがいい」

 ばんざーいと試しに云ってみたら通ったので諸手を上げて喜んだ。
 んじゃあ、とっとと掃除終わらすから待ってて!と先ほどまでだらっだらやっていたのとは雲
泥の差で、モップを手にすると速攻で掃除を済ませたろうと音速で床を駆け回った。 

「だろうね! いいよそのっくらいで。こっちも似たようなもんだけど……ただ、アメちゃんが可哀そうだから長生きしてねくらいは思ってる!
 大正解よ! ほっといて! いや、見かけたら無条件で助けて! 代わりにカーレルさんになんかあったらわたしがアメちゃんの面倒を見る!」

 ただで助けろとは云わない。有事の際は彼の何よりの愛猫のケアを買って出ることを条件に出して。
 犬に襲われてたら素通りしないでくださいと願い出た。

「もう見たら即助けてあげよう?! わたしには野良犬もケルベロス級に怖いのよ…!
 ――はーい! 今終わらすからちょい待ちー!」

 話しながらも手は止めません、早いとこ終わらせて冷たいものをいただく!とやる気が出たので先ほどはまだ三分の一しか終わってなかったところ、半分を過ぎた。
 ただ、ちょっとばかり雑ではあったかもしれない。

カーレル > 「いやーいい線言ってたと思うけどね…信心深い修道女あたりならころっと信じてたわ」

根拠のない謎の自信。正しく偽者ではあるというのは彼女の言うとおりであるが、
その声を誰も聞いたことがないのだから中には神の声であった、と思う者もいるかもしれない…なんて思ったり
それでも、ちょっと冷静になって考えればすぐにバレそうという気もするけれど
彼女とは逆に中々の出来であったと満足げに頷いてみせる。ナルシスト、と言われれば否定はできまい

「恨んでるやつに弁明するのも面倒だしな…そっちの方は適当にあしらっとくのが一番だわな
 …別にお茶でもジュースでも良いけどな。そうとなれば、神様にでなく、牧師にでもなく
 俺に感謝しながら感謝の床掃除をすると良い」

労働のあとの一杯は五臓六腑に染み渡るぞぅ、とかなんとか言いながら
彼女が素早く床掃除を始めれば、邪魔にならない部屋の角へよって勤労少女の姿なんぞを眺めながら、
紙巻きのタバコに火を付ける…どうせ、信心など無いのだから、場所などお構いなしである

「俺がいない時はアメリの世話は大家が見てくれるからそこまで気を回さんでいい
 …俺がくたばったらしいって聞いたら引き取ってくれや。あ…アメリは柔らかく煮た鶏肉、
 脂肪分の少ない所しか食わないからな…あと、寝床にはいつも清潔なタオルケットをだな…」

彼女が聞いているかどうかは定かではないが、愛猫の事となると喋る喋る
犬に襲われていたら素早く助けてください、なんて彼女の文言は速攻で頭の中から霧散したらしい

「…というわけで、だな。愛情と敬意を持って接するように…
 …まあ、苦手なヤツからしてみりゃそうかもな…
 ―――ん、はいはい。手は抜かないように。天井の父はいつでも見ていらっしゃいますよ、子羊」

ケラケラと笑いながら彼女の掃除っぷりを紫煙を吐きながら部屋の隅で眺める
彼女が掃除を終えると、おもむろに部屋の隅を離れて、底意地の悪い姑よろしく、

「あら、ティアさん?ここ、ちゃんと拭き掃除したのかしら?」

なんて真似をしたりもして
結局はまあ、こんなもんか、と掃除を終えれば彼女を連れ立って、
彼女の望むよく冷えたジュースを提供する酒場あたりに向かうのである

ティアフェル > 「それはバカにし過ぎだと思うよ」

 手短に否定。ふる、とやはり首とアホ毛が振られる。
 どんだけ思い込みが激しかろうと今のくだりで信じ込む間抜けはいまいと。
 いたとしたらきっと容易い人生ではなかろうと懸念が渦巻く。
 むしろ騙せると思って堂々とやり切った神経には感服するが。

「恨んでるやつはそもそもそんな話には耳を貸さないだろうしね。
 わーい、嬉しー。ラッキー! 今日はついてるーぅ。
 おっけい、自分の運とカーレル氏に感謝ー」

 調子よく肯きながら、カラカラに渇かしとく!と沁みる一杯の為に威勢よくのたまいながら掃除を手早くこなしていく。
 気合の問題でスピードは段違いだ。

「分かった…! じゃ、なるべく息を引き取らないことは祈っとくけど。もしもの時は安心して。ささみとかあげておく。あと、猫草用意してぇ、換毛期にはブラッシングに蚤取り、冬はウールの毛布を敷いて外出時にはかわいいラリエットを巻いて野良対策。色は赤がいいかな」

 大分きちんと飼育環境を整えそうな。犬は大の苦手だが、猫好き。むしろ犬以外の動物は全部好き。
 ちゃっちゃかとモップを迅速に動かしながらも応じて。

「――あは。まだやるかこの人は。
 その喋り方気に入ったの?」

 犬からはすぐに助けてもらえないかも知れないが、とにかく掃除後のジュースの為に精を出す。
 けれど、笑いながら先ほどのように説教風な語調でこられると肩を揺らして。
 ざーっと隅から隅まで走り抜けながら床にモップをかけ回り。

「えぇー…もういいじゃん、お義母様……わたしの担当は床だけよ……」

 姑みたいな発言を面白がってカマされるとぐったりとした目を向け、はあーはーと急ぎ過ぎて息を荒げながらもどうにか端から端まで。
 全床のモップ掛けを終わらせ。よーしと汗を拭っては仕上げにモップを洗って用具入れにしまい込み。

「それでは、参りますか」

 それは終了宣言でもあり。意気揚々と冷たいジュースを求めて夜の街へ急ぐのだった――

カーレル > 「どうにも手厳しいねえ…」

自分ではまあまあ良い感じであったと思うのだけれど彼女の裁定は甘くはなかった
こういう者は信じているものほど騙しやすいと思うし、自分も悪くはなかったと思うけれども
彼女が手厳しいからなんとなく自信が揺らいでいくような、そんな気分である

「よしよし、キリキリ働け、冷たいジュースが待ってるぞ」

何やら腰が痛いだのと口にしていた彼女はどこへやら…元来、働き者なのかなんなのか、
手早く掃除をしていく彼女が自分に感謝すればふふーんと鼻を鳴らす
小気味よく動くモップが埃を拭っていくさまはなんとなく見ていて気持ちが良い
…というか、こんなに汚れていたのか、修道士、修道女は何をやっていたのか

彼女の口ぶりからするに自分の死後もどうやら愛猫はなんとか平穏無事に暮らしていけそうである
そう思うと心が穏やかになるのである。心配事が1つ消えたような、そんな心持ちであった

「いや、気に入りゃせんけど…なんつーか、ノリで?
 …うちのアメリちゃんが埃を吸いでもしたらどうするの!キーッ…」

とかなんとか。ぐったりして疲れ切っているであろう彼女を横目に姑ごっこを続けるのである
それもまあすぐに飽きてしまったし、稼業の知己でもやってくれば面倒くさいので、
そこそこな所で切り上げることにして

「…いやあ、しかしなんでまた教会の掃除なんか…」

とか、酒場へと向かう道すがらそんな話をしながら肩を並べて夜の街の雑踏へ消えていくのでありました

ティアフェル >  掃除を気合のみなパワープレーで終わらせて軽やかな足取りで求めるジュース。
 なにジュースにしようかな。もしかしたら二杯くらい飲ませてくれるかもしれない。
 その時はこの人を神と呼ぶことも厭わない。
 そんなことを思いながら、床掃除の理由を訊かれると。

「いやあ、それがねー……」

 一応くだらないその訳を教えるのだ。
 道々他愛無い話をふざけ調子でしながら、辿り着いた酒場で味わう搾りたての果汁はことさら沁みたとか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/教会」からカーレルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/教会」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアイリースさんが現れました。
アイリース > 「……ふぅ。ほんに、暑いでありんすなぁ……」

平民地区の大通りを散歩しながら。女は、そう言ってぱたぱたと顔を手で扇ぐ。
こんな時に限って、扇子や手拭を忘れた、などと。
内心で呟きつつも。女は、王都の散歩を楽しんでおり。

「……普段通らない道も。
 意識して通ると、どうしてなかなか……」

基本的に、女は貧民地区周辺で行動することが多いため。
平民地区の大通りは、新鮮に見えるのだろう。
あちらこちらの店などを覗いては、おぉ、やら。あら、やら。
はしゃぎながら、小さく体を跳ねさせたりなどしている。

アイリース > 「……こっちは……服飾店?
 それにこっちが飲食店で……?」

立ち並ぶ店を、一つ一つ記憶しながら。
女は、通りをゆったりと歩いていく。
いつしか、暑さも気にならなくなったか。
あるいは、夢中になっているだけなのか。
女の歩みは、軽やかなものになっていき。

「う~ん……今度余裕があるときに。
 いろんなお店に入ってみて……」

表情を明るいものにしながら、そんなことを呟く女。
次の散歩の時の計画を練りながら。
どこまでも楽しそうに、通りを歩いていく。

アイリース > そうして、女は実に楽しそうに散歩を終えることになるのだが。
その後……。

「……暑……い……」

気づいた時には、見事に暑さにやられ。
フラフラになりながら帰路についたのだとか……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアイリースさんが去りました。