2022/07/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 冒険者ギルドと併設された酒場の軒下から、困った顔で空を見上げている。
出張依頼の鑑定を済ませて帰ろうとしたら、持ってきたはずの傘がなくなっていた。
ずっと雨が続いているから、誰かに持っていかれたのかもしれない。だからといって自分も同じように人の傘を拝借しようなんて考える事もできず。
家までの距離を走って帰るくらい時間、すこしだけでも厚い雲が途切れてくれないかと願っているものの、雨はなかなか降りやみそうになかった。
「……ぅ」
一日中太陽が隠れているせいか、肌寒いような、湿気のせいで蒸し暑いような、変な天気。じっとりした空気が肌にへばりついてくるようで、長袖の上から腕をさすりながら、身震いをする。
■ミンティ > どうしようかと眉を下げて佇んでいたら、急にぽんと肩を叩かれる。驚きながら振り返ってみると、同じ商店街でお店を構えている人。
近くまで送っていこうかと誘われて、ありがたく言葉に甘える事にした。人の傘に入っているのはすこし恥ずかしい気もしたけれど、濡れて風邪をひくよりは、ずっとましだろう。結局自分のお店まで連れられて、別れ際にはぺこぺこ頭を下げて感謝を告げた。
こんな日はお客もすくないだろうとは思いながらも、店番をするために、店内へと戻っていって…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジェイドさんが現れました。
■ジェイド > 「ああ、……面白かった、さっきの顔、最高、っ……♪」
夜、といってもまだ宵の口、しかし街の良い子たちはもう、家に帰っている時間。
平民地区の裏路地を小走りに、ウキウキと楽しげに歩くドレス姿の少女は、
歩きながら喉許へ手をやり、被っていたボンネット帽を取り去って、
ぶるん、ぶるん、ひらひらフリルのそれを振り回し始める。
「お父さまのお友達をからかうのも楽しいけど、
真面目な兵隊さんで遊ぶのも、スリリングで面白いなぁ。
欲を言えばもう少し、大騒ぎになって欲しかったけど……」
初心な令嬢のふりで兵士をからかい、煽り、
相手がその気になったところで、金切り声をあげてひとを呼ぶ。
あらかじめ用意しておいた悪友たちがすかさず現れ、哀れなカモを囃し立てる、という、
慣れ親しんだ、しかし悪辣きわまりない遊びを幾度か、してきた帰り。
悪友たちとは広場で分かれ、ひとり辿る帰路は、富裕地区にある屋敷への近道。
何度も通った道ではあるが、お世辞にも、治安の良い界隈とは言えない。
しかしそれもまた、刺激的で良いじゃないか、などと、
痛い目に遭ったことの無い者、特有の気楽さで、ヒールの軽やかな靴音を刻む。
■ジェイド > ふわふわと翡翠の髪を揺らし、ドレスの裾を気ままに翻して。
堂々と夜の裏通りを闊歩する、少女の姿をした少年はやがて、
その身分に相応しい界隈へと抜けてゆく。
あとにはただ、ごく微かな、甘ったるい香りだけが残った――――――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からジェイドさんが去りました。