2022/07/06 のログ
■フォイアルディア > ポテトサラダ。これはいい。シンプルに美味しい。
マヨネーズがたっぷりと入っているのだろう。ほくほくしたジャガイモの風味とは別に、舌の上でつるりと滑るようなぬめりとしょっぱさがあり……その絶妙な塩分が酒を進ませる。
しかも、それだけじゃない。ほく、ほくの中に混ざる、しゃきしゃき。
そうか。これは細かく刻んだニンジンか。食感も楽しい。100点。
全く、マスターのツマミチョイスは侮れない。子供にしか見えないが、こう見えても実年齢はそこそこ。
ぐび、ぐび。と鼻の下に泡を薄く作りながら、注がれたエールの一杯目が、その胃袋に消えた。
「マスター、エールおかわり。それと……ポテサラいいね。
あ、お肉の付け合せにもう1つ付けてよ。にひ。これ、美味しいからさ。」
レストランとかで見掛けるお肉の付け合せ。イメージするのは、それ。マスターは呆れつつも、頷いてくれる。
基本的に、冒険が終わった後は一人で飲むからか、今日のようにマスターが適当な相槌を打ってくれるのが、自分の酒場での様子。
―――と、ここで、「じゅううううう……!」と、とんでもないテロな音が鳴り響いた。同時に広がるのは、肉の焼ける香ばしい香り。
酒場にいる他の客もつい、こっちを見るほどに。
■フォイアルディア > 「わぁ。……え? マスター。これ、何の肉?……あ、ワイバーン?マジ?ドラゴンステーキってこと?……うっわ、マジか~。」
思わず声が出る程にいい匂いだった。なので聞いた。
……牛とかじゃなかった。なるほど、納得だ。濃密な魔力を宿す竜の肉。香りも味もトップクラスだろう。
――つまり、この酒場の店主。自分からがっつり金を取りに来ている……!―――そう、理解した。
しかしだ。こっちも稼ぎでは負けていない。人が行きたがらない火山区域での採取・討伐依頼を3つまとめてクリアした。
その御蔭で、この財布の中身は十分。否、十二分に中身が入っている。だから、大丈夫なのだ。
「さぁ、マスター。よこしたまえよ、それを……。」
――その言葉とともに、どんっ!と置かれたのは、輪切りにしたのだろう……尾芯が中央にある巨大な円筒の肉だった。
高さは10cm程だろうか?周りの鱗部分はきっちりと処理され、其処から溢れる肉汁が鉄板を潤し、じゅうじゅう。と香ばしい音を響かせる。
まだ火を通して2分しか立っていないのに出したのは、なるほど。
「……好みに焼いてくれってことか。粋な計らいじゃあないか。」
――炎使いである自分に焼け。ということだ。
■フォイアルディア > 『――――。』
一瞬の詠唱。それで十分。ひゅご、ぅっ!と燃え盛る焔がその肉を包み込み、まだ焼けていなかった側面の箇所や、鉄板と接していない上部分を、肉の焼ける香ばしい音とともに炙っていく。
所謂外側こんがり、中は絶妙なレアを目指して。ついでに肉汁も閉じ込める。じゅうぅぅぅ……。
――なんか視線を感じる。まぁ、肉焼いてたら視線は行くかと思っておく。
ソースとかはいらない。カウンターに備え付けられた岩塩。それを砕き、いまだ焔を纏う肉へ。また、塩の香ばしい香りが広がり、空腹は最高潮だ。
――更にトドメ。その手に握り締めるのは、普通の鉄の食器ではなく、焔で作り出したナイフとフォーク。
これで断面も焼くことで、一滴も肉の旨味が溢れ出ない。まさに「完璧」。
そして、その焼けた瞬間にマスターがエールのおかわりを置いてくれた。完璧に完璧が重なる。
「……では、いただきます。」
しゅん。肉を寸断する焔のナイフ。それを焔のフォークで刺し、口元へ。
噛み締めた瞬間、じゅぐっ……と、広がる肉汁。そして、肉本来の旨味。それを適度にふりかけた塩が引き締め、甘さすら抱かせる程の、濃厚な風味を、口いっぱいに広げ――。
■フォイアルディア > 「…………美味。」
と、呟くが。
(いや、すっごい美味しいけど……。これ、半分はいけそうだが。肉の味濃すぎて……完食行けるかな……。)
少し、不安に思い始める……。
■フォイアルディア > ――――数十分後。
「……け、ぷ。 ごちそうさま、でした。いや、美味しかった。美味しかったけど……量が、ね。
……ごふっ。」
焔の魔法で保温しながら、無事完食。しかし、そのお腹はみっちりとお肉が詰まり、満腹状態。
……強敵だった。ドラゴンステーキ。そう思いながら、満腹感に襲われつつ、暫くカウンターに突っ伏し、身体を休めるのであった……。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフォイアルディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフリージアさんが現れました。
■フリージア > 今日のアタシの仕事は、市場内のとある露店の店番。
店主がどこでどう集めてきたのか謎の、ガラクタ…もとい商品を
カモ…じゃなくてお客さんに売り込んだり、説明したりする。
「いらっしゃ~い、気軽に見てってね。」
報酬が良かったからやってるけど、誰も見に来ないわ。
まあ、並んでる商品が碌でもなさそうなのばっかりだからね。
そのうち交代が来るからそれまでなんだけど、暇だわ。
■フリージア > 市場の中に絨毯を敷き、その上に並んでる商品を販売する。
やることはこれだけなんだけど、難しい。
そもそも並んでる商品が不穏なんだよね。
悪魔っぽい角付いた頭蓋骨だったり、目が光る水晶のドクロだったり。
この間は人魚の肉とか売ってたけど、あれ絶対偽物だと思うんだけど。
「はぁ~~~、退屈だわ・
早く交代来い。」
誰もいないので、とうとう口に出してしまった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフリージアさんが去りました。