2022/07/02 のログ
■イグナス > ――とはいえ、だ。このままこうしていてもしかたない。
やれやれと、ちょっとうなだれたまま歩き出す。さて、飯にありつけるのはいつになるのやら
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイリー&コリーさんが現れました。
■イリー&コリー > (今日も双子は娼婦としてのお仕事の為に娼館へと出向いている。
いつもお勤めしているところからの出張で、女同士で愛し合う娼館へと派遣されており、同性でエッチするのも大好きな二人は喜んで娼館に来ていた)
「今日は可愛い女の子とエッチ出来たらいいね、コリーちゃん」
「そうだね、たくさん気持ちいいことを出来たらいいね、イリーちゃん」
(店先、娼婦が並んでまるでディスプレイのような、そんな窓際で椅子にちょこんと腰かけながら、にこにこと通りを歩く女性へと愛想を振りまいている。
ちなみに胸には3P専門と書かれた板を下げていて、双子を買うハードルを上げていたりする)
■イリー&コリー > (道行く人々を眺めていても、お客さんが入らない様子に退屈になってきた双子は、暫く見つめ合い同じように客待ちをしている自分達より小柄な、年下の少女娼婦を見て良いことを思いついた、とばかりに笑みを浮かべる)
「ただ待ってるだけじゃ、お客さんは来てくれないよね、コリーちゃん」
「そうだね、来て貰えるようにアピールとかパフォーマンスは必要だね、イリーちゃん」
(そういうと二人は少女の左右、少し後ろに椅子を持って行って腰かけて、不思議そうに二人を見る少女に、にこっと微笑みかける。
そして二人で少女の左右の手をそっと握り、身体を寄せていく)
「お客さんが来てくれるように、三人でパフォーマンス、だよ?」
「もしかしたら、お客さんが来てくれるかも知れないから、ね?」
(言えば双子は少女の耳朶へと左右から口づけをして、艶めかしく赤い舌を差し出しては耳朶を舌先でなぞり、甘く唇で食んで。
手を握っていない方の手でそっと少女の脚や肩を、安心させるように優しく撫でていき、その中にいやらしさを加えて少女を愛撫し始める。
突然始まった愛撫に、少女はびっくりするものの両手は双子に握られているせいで逃げることも出来ず、身を捩りながらも徐々に瞳を潤ませ、甘い声を零し始めていく。
興がノリ始めた双子は、そのままその少女と楽しむことにして、娼婦3人分のお金を娼館に払って、部屋へと消えていった)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイリー&コリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区のお店」にフェリーチェさんが現れました。
■フェリーチェ > 「それでは最終確認がございますので、ご自身の魔力を八分まで充填のうえ再度こちらまでお持ちくだ」
「ん゛ッ!?」
淑女にあるまじき呻き声が、店員の台詞に被せ気味に響く。
ここは魔石の加工を請け負ってもらった魔導機械の店、そのカウンター前。
商品もサービスも共に一級品では無いが、お値段据え置きでそれなりに繁盛しているらしい。
そう聞いてエルダートレントの魔石の整形をお願いしたのが数日前のこと。
そして今日、受け取りに来て代金を支払うだけかと思いきや、不意打ちを食らった。
そもそもが発情を抑えながら魔力を扱うため、専用の魔導機械を作りたいのだ。
それなのに、部品を揃えるのに魔力放出が必要とはどんな皮肉か。
やるかたない想いで問い詰めれば、充分な数の魔術師を用意せず、こうしてコスト削減をしているからこその繁盛だというのだから……少女は引き下がらざるを得なかった。
仕方なく加工済みの魔石を胸に抱いて待合室に戻った少女は、長椅子の並ぶ広い部屋のそこかしこに居る人々を見回す。
繁盛しているという噂に違わず今も客足が途絶えないようだった。
とても一人でこっそり隠れていられそうな場所はない。
ちょっと挙動不審気味に、ひっそり目立たずに縮こまっていられそうな場所を探し始めて……。
ご案内:「王都マグメール 平民地区のお店」にクレイさんが現れました。
■クレイ > そんな店の扉を開いて入ってくる青年の姿。
腰に剣を垂らしながらも粗暴な立ち振る舞いを見せるその姿は騎士ではなく傭兵だと見る者に印象を与える。
それはさっさとカウンターに歩いていき。
「よう、予約してあっただろ。クレイだ。着火用の道具取りに来たぞ……ああ? 魔力を込めろ? 安値の理由はそういう事かよ……まぁいいけど。はいよ」
差し出された石に手を重ねてそれに力を籠める。店員がそれでは少しお待ちくださいなんて言って奥へ。
最終確認を終えるまでの間。暇になってしまう、堂々と長椅子に座ろうとして。ふと目に留まる。
明らかに挙動不審気味な少女。少しだけ首を傾げて。そっちに歩いていく。
「よう、何やってんだよ。カウンターあっちだぞ……あれか、金がねぇとかか?」
胸に抱えるのは魔石。おそらくは最終工程の魔力込めの段階までは進んだのだろう。
だが向かっていないということはそういう事か? なんて首を傾げて。
■フェリーチェ > 「あ……シーッ、シーッ!!」
声をかけられて振り向いた少女は、焦って人差し指を口元に当てる。
思わずやってしまったジェスチャーが逆に目立つことを、その数秒後に気づいて硬直する。
「違うんです!!
お金は用意してあるんですけど、魔力を込めるのがちょっと、得意じゃないと言うか……」
歯切れ悪く答えながら視線を彷徨わせる。
ギュッと魔石を強く抱きしめ、さてどうしようかと相手のことをしばし見つめ、そこで不意に天啓が降りてきた。
今居る客の中では背が高く、ガタイもよく、"小さな自分の身体"くらいは隠れる大きさ。
途端に客商売で培ってきた作り笑顔を浮かべると、すすすっと身体をずらして待合室の方に手を差し出す。
「本当になんでもございませんよ。
ただ綺麗に加工していただいた大事な品ですし、待合室に座ってゆっくり魔力を込めようかと。
ささ、お兄さんもどうぞゆっくりしてください。あっ!!あの隅っこの椅子が良さそうですよ」
■クレイ >
「……ああ、そういう。最初に言えって話だもんな」
魔力を込めるのが苦手と聞けば納得するようにうなずいた。そもそも魔法が苦手だから機械に頼る奴もいるのに魔力を込めろというのなら最初に言えという話である。
自分もここに来るまでこの制度に関しては知らなかった。
勧められればそちらを見る。隅の方。たしかに落ち着いて座れそうではある。
一瞬浮かべられた笑顔にどこか引っかかったが。まぁ気にすることじゃないかと。
「まぁ、そのサイズじゃ時間もかかるだろうし。しゃあねぇか。じゃあ折角勧めてもらったしそこに座らせてもらう」
とそっちに歩いていく。
と、そこで振り返って。
「って、お前こそ座るべきだろう。立ったまま注入する気かよ……空いてるのあそこしかねぇな。隣で良ければ座るか?」
こちらはそちらの思惑は知らず、そんな風に声をかける。
そこでも体を隠す事は出来そうだが。
■フェリーチェ > すんなり進めた場所に座ると言われれば、高額商品を手にとってもらった時のようにニッコニコの笑顔で頷く。
と、そんな青年の配置をよく見てからと慎重になっていた所へ再び声が掛けられると、思いの外優しい気遣いに少し笑顔が自然なものとなる。
「有難うございます。お言葉に甘えて……よいしょっと」
勧めた男よりも壁際の方へ座ると、いつも持っているボストンバッグを相手との境に置き、長椅子の隅っこギリギリに腰掛ける。
平民地区の治安では、荷物の置き方が少々不用心ではあるけれど、少女は男の身体が障害物になることを最重要視した。
身体を揺すれば落っこちそうな位置で、エメラルドカットした大きな四角い魔石を両手の中に収めてゆったり腹部に構える姿勢を取る。
少し長めに息を吸い、そして吐き出す。
注ぐ魔力は多すぎず最低限まで、必要量さえ込められればという想いで始める。
ついでに、下腹部から溢れる青白い光が、あまり服の隙間から見えてしまわないように……。
■クレイ >
勧められたその席に座り誘えば隣に腰を掛ける少女。
魔力を込める、苦手という事ではあるし無駄に話しかける事はせず、ボーッとカウンターを眺めていた。
そして隣では魔力の注入が始まったのだろう。だが一瞬ギョッとした。
「……お前魔力の注入苦手って話だが。質も量もすげぇな」
思わず声が漏れる。
戦場で数多の魔術師と矛を交えてきたが、それらに負けずとも劣らない。
だがそれはプロの戦士であったり正式に訓練を受けた軍属の魔術師だ。所謂彼女の様な子供がそれに比肩する魔力を有しているというのは素直に驚く事であった。
「苦手なのって、魔力が強すぎるとかそういう事か……っと、悪い話しかけない方がいいな」
と思わず質問しそうになって、口をつぐむ。
■フェリーチェ > 真剣そのものの表情で目を細め、手の中に握り込んだ宝石を指の隙間から一心不乱に見つめる。
一瞬横から掛けられた声にも、チラリと視線を動かして魔石と同じ色の瞳が揺らぐ程度。
そうして、しばらく魔力を注いでいると、色白の少女の頬はほんのりと赤みを帯びてくる。
食後の一番血色の良い時間帯とか、軽く駆けて息を弾ませた時くらいに。
非常に集中しているためと言えば不自然ではないと言えるが……。
反面、男の想像したようなプロとは一線を画す動きをし始める。
「ふぅ、ん………っ……はぁ………」
か細い吐息を零しながら、集中しているとは言い難い……嫌いな勉強の最中に子供がむずがるようにお尻をモジモジと動かす。
床に唯一ついたブーツの爪先が、ジリジリと小さな音を立てて店の石畳を擦る。
もともと魔力の貯蔵用に用意した魔石には、それでもまだ半分も充填されたとは言えない。
少女がどんなに……性感帯を緩く撫でられ続けるような心地を味わいながら、押し黙って頑張って注いでも。
「ンッ!!」
焦れて強めに魔力を押し込めば、石畳を擦っていた爪先が硬直し、そこにスカートの裾から一瞬青い光がぼんやりと降り注ぐ。
■クレイ >
はじめは話しかけるのも悪いかと流していた。
だが、異変を感じたのでそっちに目線を。
「あ? ……ああん?」
始めの甘い声にはなんだ? という感じで首を傾げていた。
そしてそっちを見ればモジモジと動く姿。
魔力を込めるのに色々と大変なのだろうか。そんな考えをしていたが。
「ん!?」
その後の反応には流石に気が付く。それは明らかに性的な声のソレ。そしてスカートの裾からこぼれる魔力を、下腹部の光を見る。
一瞬思考をめぐらせるが。納得がいく。
おそらくはそういう術式。夢魔等に近い性質を持ったそれかと思考をめぐらせる。それならば小さな体でありながら大人顔負けの魔力を有していたのも納得がいくわけで。
だがだとすると……不審なのは自分の体にダメージがない事。もし夢魔のそれに近いのであれば精を吸われダルさであったりがあるはずなのだが。
だが、結果としてこうなったということを考えればおそらく自分に起因しているのだろうかと結論付ける。
「……ったく、苦手って事だったけど1人じゃできねぇわなそれは。まぁ俺にダメージねぇなら良いけど。ほら、つかむ対象あった方が幾分か楽だろ」
そういって手を差し出す。鍛え上げられたそれは堅く、同時に柔らかくもあるまさに戦士の腕。
彼女がつかんだ程度ではびくともしないであろうそれを差し出す。
「……そういう魔術って触ってた方が吸収率たけぇだろ大体の場合は。それとも俺も触った方が良いのかそれ」
完全に夢魔系統の魔術で結論を付けてしまっていたのでそんな事を聞いてしまう始末であった。
■フェリーチェ > 「っぁ、あ……あぁ、ありがとう、ございます。
ふぅ、ふぅ、ふぅ……」
そうやって返事をするのも身体の変調から意識を逸らすのに利用する。
何を察したのかまでは分からなかったものの、その行いが少女にとって"苦しい"ことは分かったのだろうと。
だとすれば、申し出は素直に嬉しかった。
少なくともまだ問題を起こしてもいない幼い少女を廃嫡する大人たちよりも、ずっと優しい。
言葉を紡ぐのも一苦労と言わんばかりに息をつき、魔石を手放した片手だけで前髪をかき分ける。
よく梳かれた後ろ髪のサラッとした髪質と違い、薄っすら汗の滲んだ額に張り付いた前髪は、少しばかり野暮ったく乱れている。
その汗でやや湿った片手を、男の手首の辺りに添えてギュッと少女にとっての力一杯を込めて握り締める。
「ふぁわわわっ、なん、のこと、でしょうか?
あ、魔石、魔石でしたらずぅっと、触ってますよ。
しっかり握って、ね」
正直、色を付けて先払いして持ち帰らせてもらい、宿でオナニーしながらやった方が余程楽だったという後悔は、ずっと脳裏に燻っていた。
だからこそ過剰反応してしまう。
血色の良くなった頬をますます濃い朱に染めながら、今度はそんな周囲の環境から意識を断ち切るために完全に目を瞑って集中し直す。
だがそうした集中は少女にとって良くなかったかもしれない。
見られているという意識を自分から放り出し、萎縮した身体で背筋を伸ばして注入を再開すると、思い切り胸を張った分だけ薄っすら胸元に浮かぶ小さな2つの突起。
口を閉ざして喉奥から溢れる音は甘く艶が乗り、片足ずつ交互に膝を持ち上げるようにもじつく動きは止まらない。
■クレイ >
「そういう意味じゃな……あー」
と、続きを言おうとして。場所を考え、そして彼女を見てさらに思いとどまる。
全員が全員そういうのを狙って仕込んだとは限らない。先天性であったりやむおえない事情があったり。
それをわかって辱めるのも違うだろうと考えを保つが。
「……ったくホントに」
そうして浮き上がる胸の先。まだここは端の方だから問題はないのかもしれない。だが、いずれそれを気が付く人は現れる。
ただでさえ自分の風貌もあってそれなりに目立つのに魔力で光っているのだ。目立たない方がおかしい。
そして気が付かれれば好機の目にさらされるだろう。はぁと溜息を吐いて。
「ついてこい、石持ったままでいい」
グイッと掴まれた手を引くように手を引っ張る。今の彼女の場合足元がおぼつかないかもしれないのでもう片手で反対の肩を支えるようにして。ついでにそれは胸元を隠すように。
そしてそのまま進む先は店員の方。
「こいつが体調が悪くなったらしい。少し隣の部屋で休ませる。スタッフ用の休憩室だったはずだろ……何で知ってるのかって。傭兵なめるなよ。通ってきた時に建物の大まかな構造は把握してる」
俺が面倒みる。と身分証替わりにゴルドが大量に詰まった袋を店員に突き付けて。俺かこのガキが逃げたらこれを好きに分けろと言って。
「そういう訳だ。隣の部屋まで歩くぞ。しっかりつかまれ」
そういってそっちの方へ案内するように連れていく。
■フェリーチェ > 「ふわぁ!?」
ただでさえ今は肌が敏感になっている。
急に腕を掴まれれば、目をまん丸く見開いて驚きの声を上げる。
しかし、それでも大事な魔石は握りしめたまま手放さない。
咄嗟過ぎて暴れたりする余地がないほどに困惑していたせい、とも言えるだろう。
幸いにしてボストンバッグは乱暴に扱っても大丈夫な処置が施してあるので、そっちには気にもとめずにただ向かう先を気にしてキョロキョロと戸惑う瞳が行ったり来たりするばかり。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……え、えぇっ!?」
肩で息をしながら、誰も居ないーーいや男と二人きりの部屋で立ちすくむ。
かれこれ1年近くを世間の荒波に揉まれてきたと自負する少女は、今だけ右も左も分からぬ箱入り娘に戻ってしまったように、ぽかんと口を半開きにして男の顔を見上げる。
その足元には、スカートの広がり具合と同じラインを描くスポットライトのように、青い光が足元を照らす。
その光の揺らぎは、そのまま少女のか細い両足が齎す膝の震え。
お腹の奥にくすぶるドロドロしたような火照りと、何が起こったかよく分かっていない不安が、小さな震えを全身に広げていく。
■クレイ > 引っ張って連れてきた先は小さな部屋。休憩室の名前の通り簡単なベッドと机椅子。それに数冊の本だけが置かれた簡単な部屋。本来なら夜勤者や当直の人が交代で休む様の部屋なのだろう。
扉をくぐればドアに手を触れる。一瞬ドアノブが光った。内側から鍵をかけた。
そしてそのままベッドの方にポンと彼女を軽く押す。
「ったく、無防備すぎだバカ。魔力注入してそういう問題起こるなら先に言え、襲われても文句いえねぇぞお前。しかも人を壁にしやがって」
と自分は椅子に座る。
彼女の魔法がどういった性質の物なのかはわからない。だがそれによって性的な感情が高まっていたのは見るからに理解できた。
故にこういう判断をした訳で。
はぁと溜息を吐き出して。
「まぁ魔法の性質に関してはとやかくいわねぇよ……あれだろ。性を媒体に使うタイプの魔法だろ。たまにその手の魔法を使う奴いるから」
性の力というのは強大だ。故にそれを媒体に魔法を使う奴がいるのは事実。代表格は夢魔だろうが。
だからといってそのままズバリいうのは気が引けた。なので性を媒体にした魔法と隠して告げる。
そちらに目線を向ける。
「で、まぁあんまり声出すと不味いだろうが。見てわかる通り見られることはねぇ。扉は俺がロックした。俺が開けない限り入ってはこれねぇ……どうするのが楽なんだ。言ってみろ」
だが、そこから先は人それぞれ。触られるだけでいいというタイプ、事前に蓄えておけば要らないというタイプ。実際に突っ込まれて本領を発揮するタイプ。それ所が自分で解決してしまえるタイプ。色々だ。
だからどうするのが正解なのか。改めて問いかけた。
■フェリーチェ > ぱくぱくと口は開閉するが、反論の余地のない正論を使った罵倒に対して声が出ない。
焦り過ぎだったかも知れないし、自分の体質を甘く見ていたのかもしれない。
少女自身がどう思っていたにせよ、男の口から聞かされれば、あまりにも浅慮だったことは分かって俯き加減に肩を落とす。
「触媒は、その、えぇっと……。
うぅ、はい。ありがとうござい、ました。助けられちゃったん……ですね」
色々と誤魔化そうと頭を回転フル回転させても、貴族教育を途中で止めされられた少女に別系統の魔術に関する知識など殆どない。
ただかんたんに魔力の流れだけ見て取り、扉を一瞥して、足を微かに震わせながらも浅くカーテシーをしてみせる。
それから胸の前で両手で握り直した魔石を弄びながら、言い淀む内に手が徐々に下がって下腹部の付近を隠すようにシスタードレスを押し付ける。
体の火照りで赤みを増した唇が、ひどくゆっくりと開かれる。
「その……楽なのは、えっと、えっと……。
魔法使うと、ムズムズしちゃうから、だから、あ、あの、オナニーしながら……」
最後は消え入りそうな声で正直な思いを告げると、小走りに男の横を駆け抜けて後ろの方へ回り込む。
見られたくないから部屋を出ろとは言えない。
扉は死守して貰わねばならないから……見ないで欲しいという無言の訴え。
■クレイ > 解決方法を聞けばうなずいた。
「発散しながらってことな。了解」
そんなことかと。納得する。
その後走り寄ってくる様子を見て、後ろに回られればはぁと溜息を吐き出して。
「……それ、自分で解決するのか? 誰かにしてもらった方が良いとか。そういうのは?」
大体その手の魔法はそういう性質を持った奴が多い。
とはいえ、そこまでを聞いてから手をヒラヒラさせる。
「ま、だとして初対面の男相手にたのめねぇわな。じゃ俺ベッド使わせてもらうから。椅子使え。一応壁の方向いといてやる。だけど、音聞くのはゆるしてくれよ。流石に耳栓魔法なんて便利なのはねぇんだ」
出て行かないのは単純で、魔法が内側からだけだから。それと自分がいる事で使用中であると認識させているので自分が部屋から待合室に戻れば誰かがこの部屋に来るかもしれないから。
だから部屋にはいる必要があった。
■フェリーチェ > 理解が得られた様子に頷くも、その先に続く言葉で髪の毛が逆立つような恥ずかしさに見舞われる。
見かねて弄ってくれた人も居たし、それが気持ちいいことも実のところ知っている。
でも、そんなことを真っ正直に言えるほど、少女の精神は強くなかった。
蚊の泣くような声で「いいえ」とだけ呟いて首を振り、ベッドに移動する男となんとなく距離を離しながら回り込むように椅子に近づく。
唯一の視線がなくなると、流石に緊張に緊張を重ねてきた待合室とは一線を画す安心感がある。
目の前に初対面の男が居る以外は、という但し書きをつければ。
その間違った安心感のせいだろうか……少女は店内であることを忘れたかのように手早くシスタードレスの前を捲りあげ、タイツとソレに合わせたショーツに指をかける。
一瞬の躊躇の後、股座に一本線の影が出来たかのような滲む染みを見つけると、一気にソレをずり下げる。
スカート部分がふんわりと遅れて落ちていく間、外気に直に晒された少女の下半身がひんやりした感触を覚え、性感とはまた違う心地よさに溜息が出そうになった。
"する"と覚悟を決めてしまえば、心の枷が外れたように急いでブーツを脱ぎ捨て、椅子の背凭れにタイツとショーツを引っ掛ける。
そのままの勢いで椅子に深く座ってしまったのは大失敗。
グチュッと水の染みた布が押しつぶされた音がする。
けれど少女はもう構っていられない。
左手に魔石を握り締めると、秘部を唯一隠すシスタードレスの中に右手を差し入れ、少し腰を突き出すように椅子から浮かせて割れ目を下から上までそっとなぞる。
その瞬間、甘えたように鼻にかかった溜息が溢れてしまうのは、もう少女にも止めようがなかった。