2022/06/12 のログ
■イグナス > ――とはいえ、だ。このままこうしていてもしかたない。
やれやれと、ちょっとうなだれたまま歩き出す。さて、飯にありつけるのはいつになるのやら。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にレイリエさんが現れました。
■レイリエ > 平民地区の一角に位置する冒険者ギルド。
其処へ、灰色の外套にフードを目深に被った人物がひとり、慣れぬ様子で足を踏み入れる。
傍らのボード一面に貼られた依頼書と、併設された酒場にて賑わいを見せる冒険者達の姿を順番に見詰めた後、
その足取りは真っ直ぐ進み受付のカウンターの方へと進んで行く。
愛想の良い笑顔と共に投げ掛けられた受付嬢の挨拶に会釈を返してから、気が付いた様に被っていたフードを上げる。
その下から露わになった容貌は、長い金の髪と特徴的な長い耳を持ったエルフの女のもので。
「あの………依頼を、出したいのですけれども………。
はい。九頭龍山脈の方面まで素材の採取へ向かいたいので、その同行と護衛を。
期間は五日間ほどで、報酬は―――」
■レイリエ > 女の段取りはお世辞にも慣れたものとは言い難かったものの、
それとは正反対に目の前の受付嬢は慣れた様子で手続きを進めてゆく。
そうして幾つかの受け答えと書類記入を終えると、依頼の受領が完了した旨を伝える受付嬢の言葉に、女は安堵の吐息を零して。
「―――有難う御座います。では、よろしくお願い致します。」
目の前の受付嬢へとそう告げて、深く一礼をして見せてから踵を返し、入口の方へと足を進めるのだけれども。
ふと、その足が依頼書の貼られたボードの前で止まる。
魔物退治に行方不明者の捜索、はたまた荷物運びや猫捜しまで―――
種別や難易度によって分類されたそれらの依頼書の数々を、ひとつひとつ撫でるように眺めてゆく。
特段、目に付いた依頼や気になった点があった訳では無い。
それは唯、他にどの様な依頼が出されているのだろうかという、
女の胸の内から唐突に沸き上がった純然たる好奇心以外の何物でも無かった。
■レイリエ > けれども、冒険者でも無い女が彼ら向けの依頼書をこれ以上眺めた処で詮無き事で。
部外者がいつまでも眺めているのも良くありませんね―――と、そんな独白を人知れず零してから、
外套のフードを目深に被り直し、入口の扉を開く前にもう一度、受付の方へと振り返ってから会釈をひとつ残して。
併設された酒場の喧騒の中で静かに閉じた扉の向こう側へと、女の姿は消えて行った―――
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からレイリエさんが去りました。