2022/05/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレイさんが現れました。
クレイ >  一仕事終えた後、飲み屋兼夜の宿を探して歩いている時にその姿が目に入る。
 あまりにも周囲の空気に不釣り合いなその姿、同時にどこか困ったような表情。それらを見て。少しだけ思案した後。

「よう、こんな場所でそんな顔してると悪いのが寄ってくるぞ」

 俺みたいなと軽く冗談を言いながら声をかける。腰に剣を付けたその姿は冒険者か傭兵かと推測させるのに十分だろうか。
 それから軽く肩をすくめて見せて。

「ま、それは冗談だが。何か困りごとなら解決してやるぜ。一応傭兵だしタダってわけにはいかねぇけど。内容次第で値段は変わるがな」

 どうするよなんて軽く首を傾げて見せて。

ミンティ > チケットの裏には入店の際の注意事項も、しっかりと明示されていた。いつもなら、こういうところの確認は怠らないのに、今回に限って迂闊だったのは否めない。
いずれにしても、ルールはルール。店員を相手に無理を言うような性格でもないから、チケットは丁寧に畳んでポケットの中に収めておく。
多少後ろ髪をひかれるような気持ちもありながら、踏ん切りをつけて踵を返そうとした、その時だった。
不意に男の人の声が飛んできて、まずは周囲をきょろきょろと見回す。自分に話しかけられたのだろうかと疑問に思い、そもそも、危なっかしそうな人が他にいない事を確認して。

「……ぇ、あ、えと…はい、……あの、すみません……」

あくまで忠告だとわかっているから、脅かすような台詞には、ぺこりと頭を下げる。
その際に目にした剣に、びく、と肩を震わせた。いきなり振り回されはしないだろうと思っていても、どうしても緊張し。

「…あの、ええと…大した事では、ないのです。ちょっと、あてが外れたというか、わたしの確認不足で…
 その…あ、えと、ご心配いただいて、ありがとうございます」

衛兵の人たちには苦手意識があったため、傭兵だと名乗られて、すこしほっとした。それでも初対面の人を前に、なかなか緊張は抜けないけれど。
しどろもどろになりながら、大きなトラブルがあったわけではないと説明。口下手なのを自覚しているから、ぱたぱたと身振り手振りをまじえて。

クレイ > 「確認不足?」

 首を傾げてからいる場所、そして店の看板を見る。そしてその説明を見る。
 ふんふんとうなずいて。

「……ここに入りたい。でも来るまで1人じゃ入れないと知らなかった。って所か」

 彼女が立ってる店の看板には2人組のみ入店可能と書かれていた。
 でも、彼女は1人だった。そしてアテが外れたという事は最初は1人で入るつもりだったのではないかとそう踏んだわけだ。
 約束があるなら約束があるというだろうし。

「もしよければ入ってやろうか? どうせ後は飲んで寝るだけだったし。その前になんかやるのもありだろ。ミステリーハウスなんて面白そうだし。目的が違うとかそういうのだったらごめんな」

 どうするよと彼女に聞く。なおこいつもどんな店なのかわかっていない模様。

ミンティ > 看板へ視線を向けているのに気がついて、あわてて横に避ける。自分の身体が被さり、邪魔にならないようにと立つ位置を変えて。
慣れない人の前、どうふるまっていたらいいのか判断がつかず、落ち着かないよう、そわそわしながら視線が戻ってくるのを待った。
なんとなくでも事情が伝わったようなら、こくこくと首を縦に振る。

「はい。…なので、あの、困り事とか……では、ないですから」

心配してくれた事へ感謝を示すため、なにかにつけて頭を下げっぱなしだった。
あらためて考えてみると、大した事のない理由で立ち尽くしていたところ、わざわざ声をかけてもらった申し訳なさに、すこしだけ眉を垂れつつ。
話が伝わったところで、じゃあ、と口にしかけた唇が、しばし開いた形で固まった。
思いがけない申し出に、目を泳がせ、おろおろとする。どうしようと迷い、小首をかしげて考えて。

「え、と、……あの、…いえ、実は、どういうお店だか…よく、わかっていいないの、で、…その、
 その、お時間、無駄にさせてしまったり、わたし、ご迷惑をおかけしてしまうかも、しれませんので…」

悩んだけれど、口にしたとおり、なにがあるのかもわかっていないお店。
変な事に巻きこんでしまったらと思うと言葉に甘えるのも躊躇われ、またしどろもどろの口調で返答をしつつ、深く頭を下げた。

「えと…お気づかい、いただいて、…ありがとうございました。
 遅くなる、前に、…帰ります……」

やっぱり出直そうと考えて、最後にもう一度お礼を口にする。
それから踵を返すと、のろのろと危なっかしさが抜けない足取りで、通りの向こうへと歩いていって…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
クレイ >  
「ん、そうか?」

 そういうなら良いかと素直に引き下がる。別にこちらも無理して相手を巻き込みたいわけでもない。
 歩いていく彼女を見送る。

「……ホントに大丈夫かあれ」

 なんかひどく危なっかしい足取りで歩いていく彼女の様子を見てうーむと唸るが。
 まぁ、良いというのに無理して追いかけるのも違うかとうなずいて、先へと歩いてく。自分は自分の店を探す為に。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレイさんが去りました。