2022/05/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨商店」にセリアスさんが現れました。
セリアス > 平民地区の大通り沿いにある雑貨商店。
文字通り雑多なものを扱う商店では、先日まで春先に増える新人冒険者向けのレイアウトをしていたが。
新緑の季節も顔を覗かせ始め、買取依頼用にとっていたスペースは今は無くなっている。

代わりに、ある程度稼ぎ方を覚えた冒険者向けに、消耗品類を多めに。
特にこの季節に悩まされ始めるだろう、虫除け類なども増やしていて。

勿論この類の商品は冒険者向けだけに留まらない。
塗布するもの、固形のもの、散布するもの、もっと物理的に捕獲して排除できるようにするものなど。

一般家庭を始め、様々な用途に使えるだろう一頻りの種類をそろえて置いていて。

「まぁ、尤も。悪い虫はこれで退治できるとも限らないのがこの国ですがねぇ」

店主の男が漏らした季節に似合わない寒い冗談を店員は聞き流し、仕事を続ける。
聞き流されたほうの男も、慣れたことなのだろう。特に何を表情に浮かばせることもなく。

もしかすれば、冗談でもなかったのかもしれないと店員は横目で店主を見遣った。
なにせ、学院で外部講師などしては、生徒を店の……それも奥にまで連れ込むこともある。

となれば、悪い虫扱いされそうなのは店主のほうなので。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨商店」にシュトリさんが現れました。
シュトリ > からんころんと音を立てて、店の扉が開く。
入ってきたのは、魔法学院の制服姿の少女。
彼女の名はシュトリ、何の変哲もない学院の生徒だ。

今日は、学院の実習で使う魔法薬の材料や器具を見繕いに来たのだ。
この店は学院関係者が経営しているとかで、
ここで物品を揃える生徒も多いと小耳に挟んで来てみたが……。

「………。」
ひとまず、必要な物のリストを眺めつつ、
品揃えを確かめに陳列棚を眺め始める。

セリアス > 扉に着けてある鐘が鳴り、新しい来客を店内に伝える。
店員たちから『いらっしゃいませー』と声が掛けられ、入り口の方に店主たる男も視線を向けた。
学院の、主に魔法を専攻するクラスの制服。
着ているのが年若い少女と見れば、生徒であることに疑いはなく。

「いらっしゃいませ。学用品か何かお探しですか?」

手元にリストを持ちながら、品を眺める少女に。
緩やかに笑みながら、声をかける。

其れを見ている方の店員はまた始まったとばかりに、ため息を吐いた。

何も店主が声をかける必要はないのに、客が女性であれば直ぐ此れだ、と。

シュトリ > 「あ、はい。
 魔法薬学の……材料とか……
 錬金術の、器具とかを……。」
セリアスに声を掛けられると、
手元のリストを見せながら、用向きを簡潔に伝える。

リストに書かれているのは、
初心者用の簡易的な錬金器具や、いくつかの基礎的な素材。
この時期に始まる講義に必要な物で、
毎年の様に彼女と同じような学生が買い求めに来る品だ。

「………。」
セリアスを、その桃色の瞳でじっと見つめる。
……何処かで見た事がある様な、気のせいか。

セリアスは学院で講師を務めているので、
彼女も見かけた事くらいはあったかもしれないが、
講義自体は受けた事が無く、特に記憶には残っていない様子。

セリアス > 此方に向けられるリストに赤い瞳を向けて。
其処に書かれたものを把握すれば、先日も似たようなものを買いに来た生徒が居た品々。

ふむふむと、頷いて見せながら。
再度彼女のほうへと視線を戻し、にっこりと笑い。

「成る程。殆ど此方でご用意できますよ。
 蒸留器だけは、ウチでは取り扱いしておりませんので」

そう告げては、素材類を置いた棚へと促すように手で指し示す。
相手から見つめ来る視線に気付けば、少し首を傾げて見せて。

「嗚呼。私はこの店の店主で、ストリング商会の会頭を務めております、セリアスと申します。
 学院のほぅでも、外部講師をさせていただいているので。以後御贔屓に」

突然声をかけて警戒もさせたかと、自分の方から自己紹介しつつ。
魔法学科には講義を持たないが、縁を結んでもいろんな意味で損はないだろうと。
胸に手を添えて、軽く礼を贈る。

シュトリ > 「そうですか。
 ……どうしようかな。」
大体の物はここで揃いそうだが、蒸留器だけはここには無いと。
どこに行けば手に入るだろうか、と思案する表情を浮かべ。

「あ、先生でしたか。
 ……私はシュトリと申します。
 学院でお会いした時にはよろしくお願いします。」
セリアスから学院の外部講師であると明かされ、
丁寧に頭を下げて自己紹介を。

「ひとまず、揃う物は全て買いますね。
 蒸留器は何処でなら手に入るでしょう……?」

セリアス > 少女の方からも名前を聞かされれば、顔を上げて。

「ええ、よろしくお願いしますね。
 とはいえ私の講義は、商売関係や……市勢の経済観が薄い方向けですので」

商人を志す者や、あるいは自身で買い物などしない貴族の子女、子息や、
そもそも出自のせいで経済観の無い貧民出身の生徒向け。
一人で買い物に来ることが出来る彼女にはあまり縁が無いかもしれないと告げながら。

彼女が持つリストの商品がある棚に案内しながら、
蒸留器はとの問いに顎に手を当てて考えるようにし。

「通りを王城向けに行ったところに魔法薬用の道具を扱う店はありますねぇ」

尤も、そこに必ずあるとも言えない。
故に店があるとまでしか告げられず。

シュトリ > 「商売……経済……。」
魔法使いの彼女には疎い分野。
どんな事を学ぶのか、あまり想像もつかずにぽかーんとした表情。

「魔法学を教えているのではないのですね。」
魔法学院は魔法の事だけを教えているとばかり思っていたが、それは早計であったようだ。
しかし、考えてみれば彼は魔法使いではなく商店の店主、当然と言えば当然か。

「どんな講義なのか……
 ……興味ありますね……。」
純粋な好奇心、知識欲。
彼女には必要のない知識ではある、
が、だからこそ気になる世界だ。

「ありがとうございます。
 そちらで探してみたいと思います。」
蒸留器についての心当たりを教えられ、
ぺこりと頭を下げて礼を言う。

セリアス > 彼女向けではないと思いながら、自己紹介の続きとばかりに自分の講義内容を伝えれば、
思ったよりも興味をひいたらしい。
いくらか瞳に好奇心を乗せながらも呟く彼女の様子を見つけては、赤い瞳を少し細めて。

「かつては武術や魔術が主であったようですが。
 身分混合クラスが出来てからは講義もかなり多岐にわたっておりますね。
 私のように商売でも、もっと専門的な講義をしている講師もおられるよぅですし。」

彼女は魔法学科のほうに傾倒しているのか、他の講義にはあまり詳しくないのだろう。
それも学生の在り方の一つではあるが。
折角の学院生活とも思えば、勿体ない気もして。

「色々ですよ。仕入れの仕方やら、帳簿の付け方やら。
 貴族の子息女の方々は、何ゴルドで何が買えるか分からない方もおられますし」

そういうところも教えるのだと告げて。
蒸留機については、探してみると礼を言われれば頷いて返した。
この店で取り寄せもできなくはないが、道具の調達も知識の蓄積の内だろうと、それは提案せず。

シュトリ > 「………。」
何ゴルドで何が買えるのか分からない、
という言葉にはっと来て軽く頬を赤らめる。

金遣いの荒い貴族程では無いと思うが、
魔法一辺倒な自分も大して物の価値という物に詳しい訳でも無い。

「………ん。」
その証拠に、
今日購入した物品の数々の値段も良く分かっていなかった。
財布を開けてみれば、少々手持ちが足りないでは無いか。

「あの……ごめんなさい……。
 ……ちょっと、手持ちが足りませんでした……。
と、恥ずかしそうに打ち明け……

「今日は、やっぱり買うのは辞めておきます……。」
申し訳なさそうにおずおずと購入のキャンセルを申し出る。

セリアス > 此方の言葉に、頬を染める少女。
はて、彼女の羞恥を煽る言葉があったかと、眉をわずかに顰めて。
まだ彼女の身体に触れてもいないはず、と、自身の掌も緩く握ったりもしながら。

そうしていれば、財布の中身を確認しているらしい所作を見つける。

其処から告げられる言葉に、眉尻を少し下げ。

「おや、それは、それは。……お近づきの印にというわけにもいきませんし。
 近日中に代金がご用意できるなら、お取り置きくらいはさせていただきますが?」

流石に、手持ちでよい、とまではいかない。
自分の店のものとはいえ、それを簡単にしていては、商売にならない故に。
じぃ、と。目の前の少女を見遣って。
顎に手を当て、彼女の懐事情はどのようなものかと、探るように。

シュトリ > 「えぇと……。
 いいんでしょうか?」
取り置きをしてくれる、という申し出。
それは有難い、講義が始まる前に売り切れてしまったら困った事になる。
ここは、セリアスの好意に乗っておきたい。

「………。」
が、近日中に金を用意できるだろうか。
これに加えて、蒸留器も揃えないといけないし。
そうそう余裕があるわけでも無い懐事情に、少女の表情が仄かに曇る。

「……なんとか、お金は用意してきます。
 よろしくお願いします。」
不慣れではあるが、冒険者稼業でもして稼いでくるか。
他にも、そうしている苦学生はいるみたいだし……。

後は……断腸の思いで、日々のおやつをカットするしかないか……。

セリアス > いいのかと、確認する様に聞き返されれば、一つ頷いて見せて。
逡巡するような彼女の様子を、何処か楽しそうに見遣る。

どうやら、其処まで金銭的に余裕をもっている様子ではない。
そう思ってみていれば、まるで借金取り相手のような口上を聞かされて。

何かしら金策をしないと、買えない程度には不足していると。
そう解ったのなら、一層楽し気に笑みを深める。

「ええ、ええ。お待ちしますし、なんなら蒸留器も取り寄せいたしますよ。
 それに、もしシュトリさんさえ宜しければ。あちらのようなものも募集しておりますから」

彼女に都合よい言葉を返しながら。あちら、と指したのは、
店内に貼ってある『新規商品試験者募集』の募集表示。
得体の知れない新規商品とやらの実験台になる代わりに、報酬が出るというもの。

示した後、そっと、彼女の耳元に顔を寄せて。

「その報酬から充てても結構ですし。……もっと個人的な契約で、融通しても宜しいですよ」

囁きかけるように告げるのは、あまり真っ当でない提案であるのは。
この国に生きる者であれば、少女にもある程度察せられるだろうか。

シュトリ > 「え、いいんですか……?」
支払いを待ってくれるばかりか、
蒸留器の取り寄せまで請け負ってくれると。
都合の良い話にさらに申し訳なくなるが、特に疑いも持たずに乗りかかる少女。

「試験者……。」
さらには、仕事まで斡旋してくれると。
少女にとっては渡りに船。
手っ取り早く、稼げる話があるなら都合が良い。
個人的な契約?というのも、よくは分からないけど良いかもしれない。

「分かりました。
 ……それ、お願いします。」
色々と便宜を図ってくれているという恩もある。
ここは、彼の提案に従うのが良さそうだ……
と、少女は二つ返事でセリアスに返事をする。
どんな仕事なのか、詳細も聞かずに……。

社会経験の薄いうら若き学生。
それを差し引いたとしても、少々心配になるくらいに無防備である。

セリアス > 此方の下心含みの提案にも、渋々、という風でなく。
むしろ乗り気というほどに返事をされては、幾度か瞳を瞬かせる。

再度彼女の様子を眺めるが、まさか『そういう』取引に慣れているわけでもなさそうで。
けれど彼女が疑いも無く提案に乗るというのなら、男にとっては渡りに船でもある。

「では、商談用の部屋がありますので、奥でお話いたしましょう。
 何方が良いですか? 新規商品のほぅか、それとも、個人的な契約か」

そっと、彼女の腰元に腕を伸ばしながら。
店の奥にあるらしい、商談用の部屋、のほうへと案内していく。

案内途中に、店員は『また若い子連れ込もうとしてる』と言いたげな視線を向けられるが。
セリアスのほうは気にもしていない。
その視線は少女にも向けられているが、それをどう思うか。

シュトリ > セリアスの下心になど当然気づく由も無く、
少女は彼の仕事を引き受ける事に。

店員の視線にも気づく事も無く。

「うーん、商品の試験の方かな……
 あの、個人的な契約、というのは、どういう事をすればいいんですか?
 セリアス先生としては、どちらの方が良いですか?」
奥の部屋へとセリアスと共に進みながら、
ようやく仕事の内容について詳しく聞き始める。
少女としては、どちらでもいい様子、
そればかりかセリアスの意向に沿う気であるらしい。

果たして、その仕事内容とは一体……。

セリアス > この国に居てこれだけ危機感が薄いのは。
そういうことに慣れきっているのか、全く縁が無かったのか。
何方にせよ奥に、と誘っても全く此方を疑わない様子に悪戯心も沸く。

カウンターを過ぎて、店の奥の、簡易な商談に使う部屋へと案内して。
ソファとローテーブルが据えられた部屋に入り扉を閉め。

そのまま腰元に伸ばし、ソファへと促す手が、もう少し降りて。
そろりと。臀部へ軽く触れようとする。

「個人的な契約というのは、シュトリさんの可愛らしい姿を見せていただいて。
 少しばかり、私を愉しませていただければ、その対価に先ほどのリストのものは都合して差し上げますよ。
 此方としては、契約の方が、ええ。楽しみではありますねぇ?」

へらり、と。好色にも見える笑みを浮かべれば、流石に男の意図にも気づけるだろうか。
男の言う対価にも、保証などないのだけれど、代金不要で商品を都合すると告げて。

シュトリ > 通されるまま、部屋へと入りソファに腰かける。
……と、おもむろにセリアスの手が下半身に触れてくる。

「………?」
なんだろう、という表情のまま、
怒るでも騒ぐでも無く、その手をただ受け入れ……

「可愛らしい姿……?」
まだ良く分かっていない様子で、首を傾げる。
こうまで言われてピンと来ていない彼女は、
相当な世間知らずの様である。

「でしたら難しいと思います。
 ……私、それほど可愛いとは思いませんが……。」
と、馬鹿正直な答えを返す。
可愛らしい姿、というのがどういう状態なのかも理解していない。

少女はそういうものの、彼女はそれなりに見目は整っている。
そんな彼女の淫らな姿は、決して男性を愉しませるのに不足という訳では無さそう。
初心な少女が崩されていく姿となれば、尚更。

セリアス > 促すままにソファに腰掛ける彼女の隣に腰掛けて。
その柔らかな臀部に軽く触れてみても、むしろ不思議そうに見遣ってくる彼女。
ここまでくると、性的知識のほどが、寧ろ心配になってくる。

「……嗚呼。ええっと。……シュトリさん、男性に言い寄られたり、されたことは?」

手を出そうとしているくせに。初心を通り越して無垢な様子に、思わず問いつつ。
それでも、彼女に触れる手は止めないあたりは欲望に忠実。
そろりと尻を撫でながら、その手は彼女の腿当たりまで滑り、スカートの上から掌が宛がわれて。

「いえいえ。シュトリさんはとてもお可愛らしいですよ。
 だからこそ、もっと、魅力的な姿を見せていただいて……。
 ついでに、私の方も楽しませていただきたいのですよ」

『貴女のお身体で』と。彼女の耳元に息を吹きかけるようにして、囁きかける。

シュトリ > 「………?
 いえ、そう言った経験は全く。」
案の定、全くの生娘であるらしい。

尻を撫でられて、少しくすぐったい様な、変な気分だ。
その手が、今度は腿に、そしてさらにデリケートな部分に近づいてくる。
これは、契約の話と何か関係のある行為なのだろうか?

「はぁ……。
 でも、学院には可愛い娘はたくさんいますよ?
 私なんか別に石ころの様な物です。」
などと、謙遜……というより、本心からの言葉。
学院に魅力的な娘が多い、というのは
むしろ彼女よりもセリアスの方が充分心得ている事だろう。

そうしていると、セリアスが耳元に顔を近づけ……

「………。」
自分の身体を欲している、と言葉にしてきた。
(彼女にとっては)唐突な事で、
数秒押し黙って思考を整理。

「ええと。つまり。
 品物の代金として、私の身体を、という事ですね?」
と、怒るでも怯えるでもなく、真顔で問い……

「先ほども言った通り、私はそういう経験がありません。
 ご期待に沿えなくても、よろしいでしょうか?」
……意外や、乗り気な答えが淡々とした口調で帰ってきた。