2022/04/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/商店」からクレールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/商店」からクレイグさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨商店」にセリアスさんが現れました。
セリアス > 王都の平民が多く生活する地区。
その大通りにある雑貨商店。様々なものを取り扱いする店内では
店員がばたばたとレイアウト変更にいそしんでいた。

春の盛りにもなると、季節柄とでもいうのだろうか。
増えるのだ。不思議と。成り立て冒険者というのが。

冬を超え暖かくなってから、孤児院や地方の村から出て一攫千金を狙う夢多き者が増えるからか。
この時期は特に、各地の冒険者ギルドでも諍いは絶えないし、依頼も端まで無くなっていく。

そうして必然と増えるのはギルドで買取依頼が請け負えず持ってこられる
商店への買い取り依頼だとか、逆に依頼がないか尋ねてくる常連だとか。
それに対応するのに、いくらか冒険者対応用のスペースを確保するようにしているところで。

序とばかりに、当然冒険者向け商品も増やしている。
各種薬品類、消耗品類、簡易な装具類。

商会主はといえば、あくせく働く店員に、貴方が動くのは寧ろ邪魔とカウンターに押し込められて。
所在なさげに、会計番をやっていた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨商店」にクレールさんが現れました。
クレール > 季節の変わり目になれば安くなる商品もあったりする。
それを狙い商店を回っては冷やかしを繰り返しては冷やかしては次の店に。

そうして何軒目かの商店、普段はほぼ足を運ばない規模の大きな店に入れば店内を見回し。
大体の位置を確認すれば消耗品が置かれた一角に足を向け。

「何か安くなってれば良いけどな」

冒険者用品は安くはないが規模が大きければ偶に安売りも期待でき。
そういう物を探して商品を眺めて歩く。

セリアス > 『いらっしゃいませー』、と。
店の配置換えをしながらも新しい来客に声をかける店員たち。
何時もの調子で、誰かが対応するなりするかと、カウンターで忘。と、しているところ。
丁度元々カウンターで会計係をしていた店員が戻ってきて、必然的に押し出される。

そうして刺さる、他の店員からの視線。
此方は忙しいが手伝わなくていい。他にできることがありませんかと。
暖かくなり、忙しくなって余裕も薄くなれば、猫どころか商会主の手は先ず借りろという話なのだろう。

仕方も無く、今しがた来店した冒険者然とした相手のほうへと、近付いてゆき。

「いらっしゃいませ。何か、お探しですか?」

年若く見えるが、しっかりとした身なりの相手。
ただの御登り冒険者とも違うかと考えながら。
何処の店に行っても聞かれるだろう台詞で、相手が求めるモノを探る。
薄く、嫌味にならない程度にと心掛けながら笑みかけた。

クレール > 商品を眺めていけば普段に行く店よりもいい品が並んでいる。
しかしその分値段も高くほとんどは手が出ない物ばかり。
時折に手が出るものはあるが必要かと言われると不要という物ばかり。

この店も冷やかしかと考えていると声をかけられてしまい。

「…ポーションだよ。安くて長持ちで…出来れば色々に効くのがあればって感じだ」

声の主に目を向ければ父親と変わらないような年齢と思う男。
身なりの良さからこの店での地位のある人だろうと考え。
そんな相手に何でもないとも言えず、先ず無いであろうある意味自分が求める物を口にする。

セリアス > 成り立て冒険者が、変に買いそろえてしまって勢いづき、分不相応な依頼を受けたりしないように。
この時期は特に値引きもせず、並べている品は、逆に言えば質なりの値段で置いているものばかり。

これで遠慮も無く買っていくようなら、相手の恰好もあって、
道楽お貴族様の冒険者体験コースかとも思ったが、どうやら其れも違うらしい。

「ははぁ。色々に効く、となるとかなりお高くなりますねぇ。
 効果を限定したほうが、当然、お安くお買い求めいただけますよ。
 此方は体力を補填するのに特化したもので、此方などは解毒作用に特化したものですが、これ等では不足なので?」

当然といえば当然の説明をしながら。
万能のポーションなど、高価になりすぎて、実力のある冒険者でもそうそう数多くは買っていかない。
ゆえに売れ筋でもなければ、店先にはそんなものは並べていない。

恰好は少年のようではあったけれど、声を聴いて、少女かと判断した相手。
懐具合も今一つ解りかねる故に、商品を進んで推すこともせず。
ただ、薄く商い用の笑みを浮かべて。

クレール > 「やっぱそうなるか。かなり所じゃないよな?
体力補填は助かるな。解毒は持ってる、買うなら麻痺治しって所か」

男の話を聞くと希望の品はやはり高い。
勧められる品はあれば助かるものではあるが、今の自分には必要がないもの。
しいて言うと麻痺治しがあれば良いかと口にし。

そして自分が希望したようなポーションは希少なのか見た範囲では見つけることが出来なく。

「体力補填と麻痺治しのポーション、一番安いのでどれぐらいだ?」

買うか買わないかは別とし、値段だけは聞いておくかと冷やかしのように問い。

セリアス > 「まぁ、魔法薬の類であれば、効果が複雑なほど、お値段も相応ですので」

彼女の言葉に頷いて見せながら。
相手がつらつらと商品を勧めたことに対する反応と、更には要望も出てきたので。
ええ、ええ、と。短く相槌を返してゆき。
麻痺治しと言われれば、ディスプレイ用に並べているものとは別の棚から
薄く黄色の掛かった、レモンティーのような色合いの液体が入った瓶を取り出して。

「此方が麻痺治しですね。先ほどの体力補填とで、このくらいで」

提案した値段は、その日暮らしができるという程度では、少し支払うのに躊躇する程度のもの。
命の値段としては安いかもしれないが、何処までいっても消耗品の類。

如何ですか、と。首を傾げるようにして、相手の碧い瞳を見つめやって。

クレール > 「そうだよな。魔法薬は普通に高いな。うっかりしてた」

男の言葉にそう言えばそうだった、没落してから魔法薬など触れることがほぼなかったんで忘れていたと。
男の相打ちに接客はうまいよなとその対応に関心を覚え。
そして男が薄く黄色のかかった液体の入る瓶を取り出すとそれに目を向け。

「今にもって色してるな。大量補填はそんなのか。
やっぱ高いな。手持ちじゃ足りない。
どっちの方が安い?」

告げられる値段は一日暮らせる程度、とてもそれを支払う余裕はなく。
あれば役に立つがと思えるが今日の宿を借りれない事になってしまう。

如何だという男の顔を見返すとどちらか片方ならと返すしかできず。

セリアス > うっかりしていた、と。適当に言っているふうにも見えなければ、
お貴族ないし其れなりのご身分の、ご事情アリ、と。勝手に見当をつけながら。
それも、年若い少女がするには不自然な口調や態度を見れば、勝手に彼女の苦労を想像して。

「高い、安いで言えば体力補填薬のほぅがお安くありますが。
 メグメール西にある遺跡類には、麻痺毒を遣う魔物も多いと聞きます。
 其方に行かれるのであれば、麻痺治しを。
 対して東側の遺跡群では、遺跡の周辺が険しい立地が多いそうで。
 其方での探索などされるのであれば、体力補填をお勧めしますよ」

自分で、遺跡に行くことなど数えるほどしかないが。
店に居て聞かされる話、依頼を出しに行って聞こえる話、
同業者からの噂話、普段から付き合いのある冒険者から聞く自慢話など。
それらから得た知識で、自分なりの消耗品選びの視点を、伝えていく。

そのうえで、にっこりと笑ってみせるのは。どうしますかとの、言葉なき再度の問いかけ。

クレール > 「そっちの方が安いのか。逆だと思ってた。
俺は遺跡はいかないんだよな。近くまではいくけど。
行く場所で持つのを変えるのがいいって訳か。
なら、薬草採取か害獣駆除で持ってくなら体力補填の方がいいか」

男の説明に遺跡ではあるがその場所で必要なものが変わると聞くと思わずに感心したように呟き。
しかし今の所遺跡に行くには実力も予算も準備もない身。
何れは行きたいとは思ってはいるんだがそれは口にはせず。

恥にはなるが自分が受ける事の出来る依頼の上限を告げた上でのお勧めを聞くことにして。

セリアス > 「体力補填のほぅが、今お嬢様がおっしゃった通り、近場の依頼でも使えますので。
 流通量が其れなりにあるので、供給元もいくつかの薬師や、術師がおりまして。
 その分お安くご提供させていただけておりますね」

此方の説明を聞き飛ばしたり、馬鹿にしていると捉えるわけでもなく。
素直に聞き入れる様子には交換が持てる。自然と、へらりと頬を緩めてしまう。
こういった出会いも春先には多くなる。適うなら、無事大成して欲しいと思いつつ。

「あまり遠くに行かれないのでしたら、ポーションよりも切り傷用の軟膏や、包帯であるとか。
 そういったものの方が、使い勝手が良いかもしれませんねぇ」

そう言いながら、彼女を招くように、冒険者向けの消耗品類を、丁度店員たちが並べ終えた場所へと案内する。
各種の薬類は魔法薬でなく、純粋に素材からの薬効を利用したもので、格段に安い値段で並んでいる。
無論、他の店と比べて驚くほど安いというわけではなく、きちんと此方も質に準えた値段ではあるが。

クレール > 「薬師や術師と契約してるって訳か。
安く買えるならそっちを一つは持つ方がよさそうか」

解毒のポーションは一つ持っているので体力補填が一つあれば幅が広がると考え。
男の説明を聞き、自分なりに考えそうすれば良いかと結論し。

「その辺も持ってる。けど緊急用にあればいいだろ?」

そうは言うが男に招かれるとついて行き、冒険者向けの消耗品が置かれる場所へとたどり着き。
そこに並ぶ品は魔法薬ではないが必要不可欠な薬などがあり。

「いい品なのはわかるけど高いな」

そこに並ぶ品はどれも料品ばかり、しかしやはり値段がネックという顔をして。

セリアス > 「そうですね。ポーションなどの魔法薬の良いところは即効性も高いところですので。
 一つ、念のため。保険がわり、お守り代わりに、と。そういうのも一つの考え方ですねぇ」

彼女の言葉にも、きちんと理はある。故に否定したりせず、頷いて見せる。
此れが浮かれた少し考えの足りない……しかも気に入らない態度の相手であったなら、
もっと適当に応対して、適当なものを売りつけるなりして追い返しているだろう。
その証左か、周りの店員の何人かは、何時までその客に付き合っているのかと。
女性には特に甘い点などを見咎められているのだが。全く気にしてもおらず。

「ふむ。若し、少しばかり懐事情が芳しくないようでしたら、試供品と言いますか。
 うちの店で仕入れるかまだ検討中の、試用段階の薬品類も、ありはしますが」

広く交友を持つ御蔭というか、所為、というか。
薬品や、道具類を卸してくれる相手にも様々な物が居て。
店で使用試験相手を募集して効能を試してほしいという依頼を受けている品もあると。
其方なら、お代を戴くどころか、結果とも兼ね合わせて、此方から試用代金も出るのだと。
店の一角に出している募集広告に、ちらりと視線をやって。

クレール > 「それで解毒は持ってるんだ。後は麻痺治しでもあれば大丈夫だろ」

怪我は最悪は普通に治療し、命に関わるものだけを最優先にという考えを口にし。
決して態度が良いとは言えないが細かく説明をしてくれる男の言葉に耳を傾け。
本当に最低限になるが必要な薬などを手にして。

「俺は冒険者としては新人なんだよ。受けれるのも採取か駆除でそんなにな。
……試供品?」

懐具合は本当によくないが、変に隠して買えない物を勧められるよりはとさらりと先に告げ。
試供品の話しと共に視線を向けられた募集広告を発見して内容を読み。

「アレ…受けれるか?」

多少妖しくは思うが命の危険はないだろう、そして運が良ければ報酬がもらえて薬が手に入る。
それを思えば準備不足で死ぬより良いと考えて申し込もうと考えて。

セリアス > 自分は新人だと。そう告げ来る相手。とはいえ、冒険者としてなり立てで余裕もなければ、
ポーションを買い求めるどころか、だいたいが武具などのほうに目が行ったりするものが多い。
新人というのは本当であれ、それなりに、有望な新人であると。
縁を繋ぐ価値はあると、一人納得する。

決して、よくよく見れば将来有望な顔立ちだと思って延々相手しているわけではない。
そういう視線を店員に向けるも、白けた視線を返されたので。直ぐ、少女の方に戻す。

「ええ、試供品です。試供品というより試験品というか。
 悪く言えば人体試験というか。……ぁ。ええ。お受けになられますか?」

思ったよりも、食いつきよく。
命の危険だけは無いと判押しされてはいるが、逆に言えばそれ以外は不明。
勧めた割に、この少女に妙な効果が出てもなんだか申し訳ないと。
受けられるかと聞かれれば、受けるのかと更に聞き返してしまう。

クレール > 没落するまでの生活でこういう親切に思える商人と知り合いになっておけば得がある。
そんな考えも多少はあるが、意地を張るよりも素直に助言を貰う方が良いという考えが強くあり。

一瞬男の視線がそれた気がしたが気のせいかと気にせず。

「どっちでもいい。俺的には使える手が増えるんだ。
試作品、試験品なんてのはそういうもんだろ」

その程度の覚悟もないのに申し込んだりはしないと見返し。
確認をされると、受けると再度頷いて見せて。

セリアス > 随分と思い切りが良いというか。
此方が感じたよりもずっと、彼女の資金事情は良くないのかもしれない。
そうは思いながらも、彼女には受けさせられないという理由も無い。

「ん、それでは、此方で。一応、契約書を書いていただきますね。
 保障されているのは命を失うことや、四肢や五感に永続的な影響はないことだけです。
 作った者にも不明な点がありますので。
 何もないかもしれませんし、腫れや痒み、吐き気や、気分の妙な高揚、発情くらいなら
 まだマシ、ということになるかもしれません。
 重ねて、それらの症状で生命に危険がない事と、効果時間の限度がある、というだけです。
 ……よろしければ、了承のサインを」

相手をカウンターに招けば、最低限の説明をして。
契約書はそれらの説明書きと、了解したうえで試用の被験者として契約するという意味での署名欄がある。
筆記具とその用紙を差し出しながら、店員に試薬を持ってくるよう伝えて。

クレール > この仕事と依頼の両方があれば生活も少しはマシになるはず。
なら迷う事はなく受けると言い切り。

「契約書?あとで文句を言う奴もいるな。
俺はそんな事を言うつもりはないけど、必要なら書く。
さらっと不安要素混ぜるな、制作者不明とか…。
命の保証と動けなくならないなら十分すぎる。
そこまで説明してくれたんだ、俺だって覚悟を見せる。
……これでいいか?」

カウンターに招かれて説明を受ければ欠片も聞き逃すまいと聞き。
そして誓約書と説明書きをきっちりと何度も読み返して納得をすれば筆記具を受け取り署名蘭にサインを書き込み。

これで良いかと男に押し遣って。

セリアス > 此方の説明を聞き、契約書を読み返して。
それでも迷うことなく、署名をする、少女。其処で初めて、彼女の名前を知る。
押し返された紙を受け取れば、此方も彼女の名に連ねるように、契約相手として名前を書いて。

「こういうモノも必要なんですよ。お互いの為にも、第三者に対しても、ね。
 ああ、作った者が不明、でなく。
 作った者からしても、副次的な作用までは予測できない、という意味ですよ。
 それでは、此方ではなんですので。奥の商談用のスペースで」

そう言ってカウンター奥の扉の向こうにある、ソファとローテーブルのある商談用のスペースへと案内する。
既に試薬は何種類か用意してあり。

先ほど言った通り、試用した後の効果は予測不能なところがあるから。
一応、自分は同席し、対応のために扉向こうにも店員は待機している。

その上で、あまりにキツイ作用があるなら一旦試用はストップ。
常用してもなんとかなりそうな程度、あるいは即時の副作用がなければ同種の試薬を持ち帰ってもらう。
流石に、その後に出る作用には、用心してもらうしかないが。

クレール > 「判ってるよ。そう言う世界で生きてたしな。
そっちなのか、新しいポーションならそう言うのもあるか。
店でするわけにいかないよな」

早速かと思えばここではという言葉に頷き。
カウンターの裏に入り扉を潜ればそこはソファとローテーブルのある空間。
準備をしていたのか既に何種類かの薬があり。

一瞬だけ男を見てからソファに座り置かれた試薬を眺め。
その内の一つを手に取り蓋を開ければ迷わずに飲み干していき。

「…ちょっと飲みにくいな、これ。二本目も飲むぞ」

飲み口当たりの悪さ、直ぐに感じた事を告げては開いた容器を置き。
身体が内側から温まるような感覚を覚えながら二本目に手を伸ばし、男を見ては口をつけようとする。

セリアス > そういう世界でと聞けば、ふむ、と。
小さく含むような相槌を返して、矢張り訳あり貴族のほぅかな、と。
一人で彼女の出自を想像しているのは、男自身の癖のようなものでもあり。

「まぁ……売り場で、例えば粗相をしてしまうような作用があったら、対処に困りますしねぇ」

くつりと、笑いながら、若し彼女の身に起きたら笑えないであろう副次効果を口にする。

商談用のスペースに入れば、店側の音もほとんど聞こえなくなるのが解るだろう。
公に話すことでも無い話もする場所であるから、防音の魔術か、何かしらの仕掛けもあるようで。

どの試薬を、と、説明する前に、一つ飲み干す、相手。
扉を閉めて彼女の方を見れば、すでに一本空けて、二本目と言い出すものだから。

「ちょ、っと、クレール嬢! いや飲むのはいぃんですが、普段一気に二本も服用しないでしょうに」

流石に慌てて、彼女の手を抑えに掛かって。
それが間に合うかどうか。間に合わなければ、二本目も景気よく喉に流し込むことになるか。
ちらりと視線をやれば、二本飲んだそれは先ほども出ていた、体力補填効果のあるもの。
いわば、副次効果が無くても、服用数が過ぎれば元気になり過ぎるものだが。
これで即時に顕れる、副作用的な効果まであれば、それがどうなるのか、先の説明通り、予測はつかなくて。

クレール > 「そうなったら…責任取ってもらう」

もしそんな事になれば冒険者以前に女性として終わってしまう。
そんな事はないと思いたいが笑いながら告げられると少しだけ表情が引きつり。

外の音が聞こえない室内は話をするにしてもこういう試しにも良い場所に思え。
変に迷うよりは飲んで試せと一本を開けてしまい、多少の違和感を覚えながらも二本目を手にして。

「治癒薬と毒消しを同時に飲む事はあるな。だったら二本ぐらい試すべきだ」

男の慌てた様子に緊急時はある事だと返せば蓋を開け。
何の効果なのかを聞くのを忘れたままに二本目を飲み干してしまい。

「こっちは飲みやすいな。そういや何の効果が……っ!」

一本目と違い飲みやすいと感じた二本目。
その感想を告げては開いた容器を置いて少し様子を見ようと考えたが。
最初に感じた身体のほてりのような感覚が強くなり、はっきりと感じる違和感。
その感覚に白い肌に赤みが差し、息を少し粗くして男に目を向け。

「少し間を置いて…次でいいな…?」

3本目には直ぐに手を伸ばさずに体に起きた違和感に戸惑いながらそう告げて。

セリアス > 「ええ、ええ。取りますとも」

契約書に記載のある範囲内で、だが。
尤も、こうやって別スペースに案内する以上は、そういう事態も想定している証左でもある。
……とはいえ、対策といえばお着替えと、風呂と。そのくらいになってしまうので。
其の様を見た場合の責任は、契約書の記載の範囲で、と言って許されるかはわからないが。

「ぃや、そうかもしれませんが。此れはさっきから言う通り、
 まだ今から貴女が身をもって最終の試験をするポーションなのですから……」

心配7割。あとの3割は、実際に試験するとなればきちんと服用量と効果量の段階も知りたいがため。
とはいえ、勢いづいた彼女の様子を止める間もなく、二本目も飲まれる。
口当たりも、微妙に変えてあったのか。調薬師の、妙な拘りに眉根を顰めつつ。
そのせいで、しっかりと二本めも空にした彼女には、明らかに何かしらの作用が出始めていて。

「ええ、ええ。暫く間を置きますよ。
 尤も……三本目を飲むまでも無く、元の効果だけでない様子でも、ありますがねぇ」

体力の補填効果が強く出ているには、肌が赤くなりすぎている。
呼吸も荒くなっていれば、とりあえず、落ち着いて座るようにと促して。
自身も、ソファに座り、経過観察用の記録用紙に、一先ず状況等を書き始める。


……――それから、彼女の身体にどのようなことが起きて。

契約内の責任問題で、終わったのか、否か。

取引上の守秘義務もあれば、室内の二人以外は、知り得ないことで……。