2022/03/30 のログ
ご案内:「平民地区 街壁周辺」にゼナさんが現れました。
ゼナ > 街壁詰み。

それは人の身体の新陳代謝の如く、大きな街ならばいつでもどこかで行われている日常的な公共事業の一つだ。
安価な日当を対価とし巨岩を運び積み上げる、人足仕事の中でも特に割に合わないとされているハードな肉体労働である。
無論、そんな仕事に従事するのは、比較的軽微な違法行為に対するペナルティとして労働を課せられたゴロツキや、ぎりぎり犯罪者に落ち切っていないスラムの住人といったむくつけき男達。
稀にそこに交じる宿代すら払えなくなった駆け出し冒険者などの若者が、色んな意味で可愛がられる場所だと言えば、そこがどれほど荒々しい現場なのかも分かるだろう。
そんな過酷な労働現場を春の訪れをはっきりと感じさせる暖かな日差しが照らす午後、あからさまな異物が作業者たちを困惑させていた。

ゼナ > 「………ふぅ~~~っ」

一通りの作業を終えて額の汗を拭う。
掲げられた腕の付け根でぷにぷにと柔らかそうな無毛の腋下が曝け出され、それに伴い持ち上げられた豊乳がタンクトップの襟ぐりに覗く胸の谷間に珠の汗を伝い落とした。
砂埃に汚れていてなお健康美を感じさせる小麦色の肌には、冒険者らしい傷跡どころかシミの一つすら存在しない。
剥き出しの細腕には、街娘と比べれば確かに鍛えられているのだろうという程度の起伏があるばかり。
止まらぬ汗を改めて拭うべく持ち上げたタンクトップの裾が、汗濡れて淫靡に光る下乳の豊満な丸みと共に晒した腹部。そこにはぽこぽことした腹筋の凹凸も見受けられるも、それとて指でつつけばぷにっとした感触が楽しめるだろう程よい脂肪に包まれた物でしかない。

これほど無防備にむっちりとした肢体を見せつけてしまう小娘には、男達のいらいらを抑えるための肉便器という役職が与えられてしかるべき所なのだろうが

「――――よい、しょっと」

ちょっと重ための荷物みたいな他愛のない掛け声を共に持ち上げられたのが、娘の全体重の何倍もの重量があるだろう巨岩ともなれば、邪な思いで下半身を膨らませた男たちも黙って作業に励むしかない。

ご案内:「平民地区 街壁周辺」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > 王都でも、街中の営みとは異なる方向性で活気に満ちているエリア。
日中のそれであれば、健全であろうその喧騒は、主に荒っぽい、如何にも体一つで稼いでいるという男たちの活気に起因しているのだろう。
その点を鑑みると、ここにもう一つの異物がぴょっこりと。
春の陽光に照らされて、元から身に着けていた白いもこもこの襟巻を所在なさげに腕に抱えた小さな影。
北方帝国に由来を持つ、酷く幼げな商家の嫡男。
それが、この場で名乗っている立場の――人外。

「ぬ…?誰かと思うたら、ゼナではないか。
何事か手落ちでもして、早急に金子が必要となった…という訳でもあるまいに、斯様な場所でどうしたのじゃ?」

男達が汗を流して働く中、紅一点は酷く目立つ。
人の手配やら材料の手配やらで一枚噛んでいた妖仙が、この場を訪れたのは完全な偶然。
更に、その紅一点が顔見知りであるというのは、少しばかり出来過ぎた感もあるのだろうが。
雪駄を履いた足で、ちょこちょこと小走りに駆け寄ると、興味半分の視線で女を見遣り。
残りの半分はと言えば…純朴ならざるものであるのは、きっとそこらの男達と変わらぬ。

ゼナ > 「………? ―――って、ホウセン君!?」

肩に担いだ巨岩を左官職人の指示に従いどっかと下し、次を運ぼうと材料置き場に向かった脇からの声。
自分自身、この場では明らかな異物ではあるが、そんなゼナからしてもこの場にそぐわぬ可愛らしい声音に振り向けば、そこには戦士娘よりも頭一つは小柄で華奢な異装の少年の姿。
ともすれば美少女とも勘違いされそうな、それでいて紡ぐ言葉は老爺めく不思議な少年に対し、顔見知りと思しき戦士娘の反応は大仰な物だった。
再び裾を摘まんで汗を拭おうとしていたタンクトップを慌てて引き下げ、汗濡れて艶光る小麦の乳鞠を交差させた両腕で覆い隠したのだ。
それまで鬱屈した淫欲も露わにゼナを見ていた男達の視線に何の反応も示さなかった無自覚娘のいきなりの羞恥反応は、周囲の男達はもちろんの事、ゼナ自身をも戸惑わせた。

「ち、違います。これは、その、監督さんにお願いされて……」

そわそわと居心地悪そうに泳がせていた蒼瞳が、現場の端で濁声を張り上げるヒゲ面の大男の方に向けられる。
長期に渡った冒険者仕事を終えて久方ぶりに王都に戻った戦士娘がぶらりと散歩を楽しんでいた所、王都で名が売れる前の困窮期に色々と良くしてくれた現場監督に声を掛けられ、暇があるなら少し手伝ってほしいと願われたのが本日の労働に繋がったらしい。
ここしばらく作業が滞りがちだったのだが、大男数人分の働きを無尽蔵の体力でもって行う戦士娘の助っ人によって十分に遅れを取り戻す事が出来たのだろう。
少年と言葉を交わすゼナに気付いた現場監督は

『おう、嬢ちゃん。そのボウズは知り合いか。今日はもう十分助けてもらったし、ほれ、ボウズを連れてうまいもんでも食ってくるといい』

まだ半日程度しか働いていないというのに一日分の労働対価を握らせて、今日はもう帰っていいぞと男くさく笑って見せた。当のゼナは「えっ、えぇぇぇえっ!?」とますますの困惑を滲ませているのだけれども。

ホウセン > 商談、ないし搬入したものの受け渡しといった取引に必要な物事の為に脚を運んだ風ではない。
供回りを引き連れておらず、身軽に現場の様子見やら御用聞きやらの為に足を運んでいたといったところ。
只でさえ、”観賞用”としてチラチラと四方八方から視線が向けられている女の元に、これまた毛色の違う存在が現れたなら視線の密度は上がろうというもの。
高級男娼としてさえ需要の見込める、酷く整った顔立ちをした異国情緒溢れる子供であったなら尚更。
多分、己に向けられている視線の幾分かは、”そういう視線”だと理解しながら、小さな人外は眉一つ動かさず。
整い過ぎているが故に人形めいた風情が付きまとうも、色を失った慌てふためいた風情の女冒険者の様子を見て破顔し。

「呵々!そう慌てずともよかろう。
儂とて商いで彼方此方に顔を出すのは不自然ではあるまいしな。」

喉仏さえも目立たないつるりとした喉を震わせ、忍び笑い。
小さな背中を丸くして笑い声を堪えようとしたが、無理だったと。
現場監督から声がかかったのはそんな折。
横から茶々を入れるでもなく、大人しく遣り取りを聞いていたのは、それこそ借りてきた猫のよう。

「そこの御仁の厚意もある。
お主さえよければ、久し振りに”うまいもの”をたらふく喰らうのも良かろう?」

どうやら労役は一区切りついたらしいと踏むと、己よりは長身の冒険者娘を見上げかくりと小首を傾げて勧誘の意志を示し。
言葉の内にある僅かなニュアンスの違和感を拾い上げられるのは、至近距離であることと、ある種の関係性を有しているのが条件となろう。
気風の良い現場監督に目礼をして見送ると、改めてほっそりとした小さな手を差し出し――

ゼナ > 「べ、別に慌ててなんか…っ。……………ホウセン君みたいにまだ小さな子が、商売のためにあちこちに行ってるっていうのは、十分不自然だと思いますけど」

自分でも原因の分からぬ羞恥心に思わず反論の声を返すも、続く彼の言葉にはちょっぴりジト目を向けてしまった。
その中身においては老成したセリフ回しに見合う人生経験を感じさせ、股間の逸物に至ってはこの現場で働く誰よりも立派だったりするけれど、しかし、見た目はただの少年。
それも誰が見たとて可愛いと感激するだろう美少年なのだから。

「……………ッ。わ……分かりました……とりあえず上着を取ってきます」

意味ありげな"うまいもの"という言葉を聞いて脳裏に浮かび上がるのは、びゅくっ、びゅくんっと胎内に注ぎ込まれる熱い粘液の感触。
それにぞくんっと背筋を震わせ、小麦の頬に滲む紅潮の色を広めてしまった戦士娘は、とりあえずこの場を離れる事を優先させたらしい。
しっとりと汗濡れて風呂上がりの様に火照った手で白く小さな少年の手を取り、早朝トレーニングの際に羽織っていた上着でタンクトップの薄着を覆えば、少年の案内に従って街壁詰みの現場を後にする。

ご案内:「平民地区 街壁周辺」からホウセンさんが去りました。
ゼナ > 【部屋移動します】
ご案内:「平民地区 街壁周辺」からゼナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシアンさんが現れました。
シアン > それなりに込み合う時間帯の冒険者ギルド。
その依頼が張り出される掲示板の前でぼーっとした様子で張り出された依頼を眺める。
普段ならば近場の薬草採取を迷わずに選ぶのだが、毎回それなのでギルドの方から「新人に残して」と言われてしまい仕方なく他を探し。

「いいの……ないな…うん」

しかしいざ探すとなると採取系は遠くのものになってしまい、近場では害獣や妖魔の退治や討伐と言った物が主になってしまう。
単独での戦闘は苦手なのでそういう物を避ければ自然と遠出しかなくなってしまい…。

「アルバイト…探そうかな……」

それならば街中という事もあって楽なのだが、バイト先を間違うと大変な事になってしまうのでなかなか難しい。
なのでどちらにしようと今一に決まらないまま掲示板を眺め続ける。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシアンさんが去りました。