2022/03/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 雨の日の通路」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > くもり空が太陽の暖かな光を遮り、絶え間なく落ちる雨粒が王都の町の、
道の、様々なものから体温を奪う肌寒い雨の日。
人通りの殆どない平民地区の濡れた路地を、ぺしゃ、ぱしゃと裸足が歩く足音。

低い気温に口からは白い吐息を吐きつつ、小さな人影のシルエットは
裸に桃色のシャツを一枚羽織っただけという容姿の、あどけない薬師の姿で。

「……ぅえ~~~~っ……まさか、こんな降りかたすなんて、おもってなかったなぁ…」


けだるそうな様子で、艷やかな黒髪からつま先まで濡れ鼠。
傘も外套も持ち合わせずに、でかけた先で雨に振られ、雨宿りできる建物や区画にも恵まれずに、
おもたげに水を吸ったシャツを肌にはりつかせ、とぼとぼ家路につく。
その自宅のテントまでの道のりも、10分やそこらという気軽な距離ではないために、
しょぼんと頭を垂れる。

生身の人間の子であれば、打たれ続けるのも危険な低気温と雨の量では有るが、
常人とはやや異なる体質と、日頃から薬の味見で高まった代謝や体温は、
深刻な低体温には至らず…とはいえ、
一見すると浮浪児や幼い娼婦かなにかが雨に打たれて項垂れているような危なげな光景だった。

タン・フィール > 「ふーっ…おうちかえったら、温かいハーブティー淹れて、じっとしてよ。
…お薬やさんが、風邪引いちゃだめだからね。」

医者の不養生とならぬよう、体温を維持する算段をつけつつ、
一歩一歩雨の帰路を行く。
霧が出てきた街の路地は、その後暫くは無人のままだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 雨の日の通路」からタン・フィールさんが去りました。