2022/03/06 のログ
ミンティ > 夜に賑わう場所にやってきているのだから仕方のない話だけれど、次から次に客引きがやってくるせいで、また声がかかった時には、ぎくりと肩を竦めてしまった。
それでも相手が商人の組合で時折顔を合わせている人だと認識すると、ほっと息を吐いて。
若い娘が一人で退屈そうに散歩しているところを顔見知りに見られるというのも、いくらか気まずさがあったけれど。

「……勉強なり、なにか、ためになる事を、するべきなのかもしれませんが…
 大体お店にひっこんでいるから、外に出られる時は、出ておこうと……
 ……? ええ、と、…その、話し相手には、相応しくないかもしれませんが…それで、よろしければ」

言い訳がましく散歩に出た理由らしいものを口にしていると、同行の許可を求められて、ぱちりとまばたき。
どこへ行こうとも決めていなかったから、どうしようかと小首をかしげ。
ただでさえ口下手な自分を引き連れていたところで、かえって退屈しないだろうかと懸念したりもしたけれど。断る理由も見当たらず、顔見知りからの誘いを無碍にする必要もないだろう、と。
しばし考えたのちに、こくりと首を縦に振り。

セリアス > 声をかけられては身を竦め、此方を見ては、弛緩する様子も楽しそうに眺める男。
どこか居心地悪そうにしている相手の思惑を知ってか知らずか、
喧騒に声が紛れてしまわないよう、いくらか彼女のほうへと、身体を寄せて。

「とても良いお心がけかと。籠っていては、新しい見識も得られませんしねぇ。
 必ずしも、ではありませんが、好い品にも、脚を使ったほうが、出会いやすいものですし。
 ……ふふ。話し相手に、相応しいもなにもございませんとも。
 女性と歩けるのは、男としての栄誉のよぅなものでもありますし」

彼女が口にした言い訳を、商売人ならさもあらんと、当然のように肯定する。
そうしながらも、彼女の返答はどうかと赤い瞳で見つめていて……

いずれ、頷きと共に了解を得られたなら、一層笑みを深めて見せながら。
彼女と同伴できることを光栄なことと称しつつ、
これ幸いにと、彼女に隣り合うようにして、とりあえずは目的も無く、歩を進めようとして。

ミンティ > 誰かと会うつもりで外に出てきていないから、おかしな格好をしていないだろうかと、今さら自分の服装が気になったりもする。
見下ろしてみたところで、いつもどおりの地味な装い。これといった特徴もない服ばかり好んで身に着けたがるから、見直してみたところで、自分自身でも評価に困った。
そんな視線の動きを相手の顔へと戻したところで、自分にはもったいないような言葉が返される。
どう受けとめたらいいのか迷って、眉を下げ、すこしおろおろしながら視線を泳がせて。

「……ええと、はい。あの、その……、えと、…ありがとう……ございます…?
 あの、本当にそんな……大層なものでは、ないのですが。
 え、と……では、行きましょうか……」

褒められると、どうしても恐縮してしまう。嫌な事を言われたわけではなく、喜ぶべき場面だとは理解していても、なんとなく落ち着かない様子が表に出てしまう。
そんな態度を取り繕うように散歩を再開しようとしても、しどろもどろな口調。
とりあえず最初の目的どおりに歩きだしてみるものの、のろのろと移動しながら、ときどき気になるお店を外から眺めてみるだけ。
しばし歩いたあとで、こんな事に付き合わせて退屈させていないだろうかと、ちらりと男性の方を見やり。

セリアス > 彼女の恰好は、取り立てて目立つ装いではないかもしれないけれど、
だからこそ主張の控えめな彼女に似合ってはいるように思えて。

どうやらそれを気にしているらしい少女の仕草に、庇護欲にも似た感情を覚えるが、口には出さず。

此方の言葉を聞いては落ち着かない様子を見せるのも、
普段相手する商売関係の女性らと比べると、微笑ましくすらある。
ゆえに、くつり、と、喉を鳴らして。

「御礼を言われるようなことでは。
 ……大層なモノと、思わせておけばよいのですよ」

男のほうにはね、と。遠慮をすることもないと告げながら。
彼女の歩調に合わせる様にして散歩を続け、彼女が見る店を一緒に見やってみたりしながら。

合間合間で、適当に話題を振ってみては、彼女の反応も見つつ。

そのうち、此方の様子を窺うように見上げ来る、硝子越しの緑色を見つければ、何か?というように笑んで返し。

「そぅいえば、お店のほうもまた寄らせていただきませんとねぇ。
 何か、面白いものなど、流れてきていませんか?」

思い出した、というように、彼女が店主を務める古物商の話題を出す。
彼女の手腕によるものか、小さな店ながら、置いてあるものは興味深いものが多かった記憶。

ミンティ > 同行者ができても、歩く方に意識を向けていると、うっかり会話を忘れてしまう。もともとの口下手さもあるから、放っておくと無言でいる気楽さに甘えてしまいそうで。
けれど、黙っているとそれはそれで気まずくなってきてしまうのが小心者の弱さだった。
のろのろ歩く間の会話を、ほとんど相手から話を振ってもらう事でどうにか間に合わせて。

「……大層なもののふりをしていると…わたしも、落ち着きませんし…」

ふるふると首を横に振ったあと、そんな勇気はないと肩を下げた。
商人なのだから、そのくらいの演じ分けができてもいいのかもしれないとは思うものの。
自分くらいの歳の女性が好むような服飾のお店を、小さな憧れとともに眺めて、また踵を返し。ふたたび歩きだそうとしたところ、自分の仕事について問いかけられた。

「え…と、面白いもの…ですか。いくつか、珍しい品物が入ったりは、していますけど…
 あの、それは、骨董品として…という意味なので。
 なにかしら、魔力を秘めたものとかの方が…、…ちょっとくらいは、売りやすいのかもしれない、ですけど」

あいかわらず面白みのない受け答えばかりしてしまうけれど、仕事の話となると、すこしだけ饒舌にもなる。
興味のない人にとっては古ぼけた陶器にしか見えないだろう壺の形を思い浮かべて、手振りでその説明したりしながら。

セリアス > 彼女の気が向く先を優先して見て回るけれど、彼女の方から話を振られることは少なく。
だからというわけではないが、眺めるものについての話を、あれやこれやと口にしていく。

返答は饒舌ではないものの、それはそれでと受け答えをして。
この年で店を任されているのも合って、服飾を眺める様子には、年相応の表情も見える。

男の方は、先ほど自分で言った通り、彼女と歩く事自体を厭う様子はない。
どうったものに目を取られるのか、彼女の様相を眺めること自体、楽しんでいるよう。

「骨董品は、なかなか扱いが容易ではありませんしねぇ。
 きちんと取り扱えることは、尊敬いたしますよ。……嗚呼、魔力で、思い出しました。
 以前、お探しでいらっしゃった、魔導具の図書。一巻だけですが、確保できたんでした。
 店の方に、置いているんですが……まだ、お時間に余裕はおありで?」

骨董は、たまに扱うだけで、男はあまり手を出していない類であるから。
素直に彼女の手腕を讃えて。

彼女が手振りで伝えようとする壺にも興味はあるけれど、そういえばと。
顎に手を当て、宙を見遣って。彼女と以前話した折に、聞いていた書物が手に入ったと。
そう告げれば、ちら、と。時間があるなら此れからでも構わないと、そういう意図の視線を向けてみて。

ミンティ > 話を弾ませるような受け答えはできていないけれど、自分としては、それでも精一杯。ときどき変に息つぎするような間を作るのも、できる限りをしているつもりだからだろう。
眺めていた服飾についての話題だとか、興味の度合いによっては負担も減るようで。その時には、胸に手を当てて呼吸を整えながら、いくらか流暢に話せたりもした。
そんなやりとりをしばらく続けている間に、なんだか観察されているような気がして。同行者の視線を向けるのは自然な事だろうと思いつつも、落ち着かなさそうにマフラーを直したりする頻度が増えた。

「いえ、わたしは……教わった事を、そのままするだけで、まだ半人前…ですから。
 もっとたくさん、勉強して……経験を積んで、…………?
 へ?……あ、ああ。あの……手に、入ったんですか?なかなか見つからないものだと、聞いていたのですが…」

自己評価が低いせいで、放っておくと今後の意気込みみたいな事ばかり口にしてしまう。そのとおりに頑張っているつもりもあるけれど、肯定感はなかなか追いつかないまま。
そんな会話の流れに、不意に差しこまれた相手からの話題。思い出すのに間があって、きょと、と目を丸くしたあと、以前に組合でそんな話をした事を思い出した。
おどろき、まばたきを増やしつつ。自分でも探していたけれど、なかなか手に入らなかった品物。一応外に出るため、いくらかお金は持ってきていたから、前金くらいは払えるだろうと。
考えこんだのち、こくこくと首肯を繰り返し。

セリアス > 淀みなく交わす会話、というのが得手でないのはわかるし、
それでも此方を無視したりということは無いのも、わかるから。
男としても、彼女と話すのに、出来るだけ負担はかけないようにと、様子を見ながらやり取りを続けて。

そのうちに視線が気になる様子を見つけるも……彼女を見る赤い瞳は、他に移ることもなくて。

謙虚、あるいは向上心があると言えばそうだけれど、
現状の自分に自信がなさそうなところには、勿体ないとも思う。

偽りなく、己の不得意な分野できちんと店を維持している少女に対しては敬意を持っているが故に。

「ええ、偶さか、ダイラスへ行商へ行った折に。いろいろと、お話は聞いておくものですねぇ」

商人組合での集まりで、彼女と知り合ったころにたまたま其れがあったら都合してほしいと、
此方が手広く商売をしていることに起因して、おそらく駄目で元々と、話を振られていた書物。

いざ提示してみれば、先ほどまでの彼女の様子と比べて、随分と意気込んだ様子の肯定が見えて。

「ふふ。もっと早く思い出すべきでしたね。……では、行きましょうか」

そう言って、彼女の歩調に合わせるのは変わらないまま。
自身の商会の店舗へと、彼女を案内していって……

ミンティ > こんな会話を続けていて、嫌な気分にさせていないだろうかと、ちらちらと相手の顔色を盗み見る。
こんな小娘相手に、感情を露骨に顔に出すような大人もすくないだろうけれど。とりあえず、話しかけられた時から今まで、嫌そうな顔をしていない事にはほっとして。

「ダイラスに…。やっぱり、一所だけで探すのには、限界がありますね。
 わたしも、もうすこし外に出て、見聞を広められたらと思うのですが…」

生まれてから今まで、この王都を離れた事なんか数えるほど。
おかげでここで生きていくための知恵はつけたけれど、外の世界については、わからない事ばかりだった。
遠くの地へも自由に行けるのだろう相手を、すこし羨むように見上げて。

「いえ。まさか、本当に見つけていただけるなんて、……あ、その、疑っていた、とかでは、なくて。
 本当に、なかなか出てこないものだから、…は、はい。お願い、します…っ」

一人でもたもた話しては、自分の言い回しが気になって慌てふためいたりと落ち着かない。
それだけ、目当ての本が見つかったという話に昂揚してしまっているのかもしれない。
今から案内してもらえると聞くと、またせわしなく首を縦に振り。今度は自分が相手の背を追う事になる。
置いていかれないよう、ときどき早足になったりしながら、その背中は大通りの向こうへと…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセリアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 大通りから脇道へ逸れたところにある、小さな空き家を利用した貸倉庫。今日は朝早くからそこの扉を開け放って、荷物を運びこんだり、運び出したりと動き回っていた。
任されている古物店の主な商品は、古いものが好きな人に向けたもの。あとは、まだ使えるような中古の日常品。それ以外のものも取り扱ってはいるけれど、どうしても陳列しづらいものの買い取りを頼まれる事もすくなくない。
たとえば、単純に傷みが激しいものや、扱いを間違うと危険な魔導具、呪いがこめられていたり、なにかが取り憑いていたりするもの。あとは、いかがわしいものだとか。
買い取らされた以上は、どこかに置いておかないといけないけれど、自宅兼用のお店では収納スペースも限られる。
そのために利用しているのが、この貸倉庫だった。

「……ええと」

ここに貯蔵している品物は、よほど信頼できる常連のお客さまから声がかかった時にだけ売るようにしている。
そして、そういう依頼がいくつか溜まってきた事もあり、整頓ついでに必要なものを取りにきたのだった。
手にしたリストを確認して、売ってほしいと頼まれていたものは運び出した事を確認。ふう、と息をついて、外の壁にもたれて一休み。
動きまわったあと、すぐに荷車を引いて帰る気にもならなくて。

ミンティ > 脇道から大通りの方を眺めてのんびりしている間に、腕に溜まっていた疲労もかなり抜けてきたような気がする。
貸倉庫の戸締りをしっかり終えると、もう一働きだと自分に気合いを入れて、荷車を引きはじめる。いつも以上にのろのろした移動速度で、大通りの方へと向かっていって…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアークさんが現れました。
アーク > 昼下がりの平民地区。
屋台でかった肉串、啄み、無ぐむぐと小さな口を動かしながら通りの端っこを小さな歩幅でとことこと進んでいる。
口の中に広がるのは肉汁と塩の味。
なんの肉かはしらないが、口の中に広がる肉汁の甘みと、塩っ気に目を細め。幸せそうにニコニコと満面の笑み。

アーク > やっぱり油って美味しいなどというややジャンクな思想に駆られながらもむぐむぐもぐもぐと串にささった肉を啄み、引き抜きそのまま口の中に。
舌の上に乗れば、まずは塩っ気。そして噛みしめれば口の中のお肉、解れつつもじゅわわぁっと広がる肉汁やら脂。
お肉は幸せの味。
むぐむぐもぐもぐ、のんびりぽやぽやと口を動かしながら賑やかな大通りの端を進んでいく。
やや寒くもあるが、春が近いのか、数週間前に比べれば暖かくなってきた事を感じる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアークさんが去りました。
ご案内:「平民地区の酒場通り」にキルシュナさんが現れました。
キルシュナ > 「へろぉう、そ、こ行くお、嬢ぉ、さんっ♪ 今からウチとぉ、ええとこイかへんぅ?♥」

そんな軽薄極まりない文言とともに、褐色の細腕が前方を歩いていた娘の肩に馴れ馴れしく回された。

すっかり日も落ち帰路につく酔っ払いの姿までもが見られるようになったこの時間帯でのナンパである。ヤリ目なのは明らかだ。
ただし、それは普通のナンパではなかった。
軽薄な声は多少掠れてはいてもトーンの高いアルトボイスであり、肩を抱いて密着するその長躯―――特にむにぅんっと肩口辺りに押し付けられた胸板はやたらと柔らかく、ふわりと香る体臭もまた柑橘を思わせる甘酸っぱい物。
頬擦りするかの至近距離からにんまり笑顔で娘の顔を覗き込むのは、褐色肌と切れ長の金眼の美貌。前下がりボブの黒髪とその頭頂からぴょこんと立ち上がる猫耳を有する20前後と思しき美女―――キルシュナによるレズナンパなのである。
さて、今宵の獲物としてロックオンされてしまったのは、どの様な外見と背景を持つ娘なのか…!

ご案内:「平民地区の酒場通り」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 今日は朝から貸倉庫とお店を往復してばかりの一日だった。ようやく仕事を終えて、借り物だった荷車を返却し終えた帰り道。これから帰っても自炊する気にもならなかったから、どこかで適当に食事を済ませようと、ふらふらと酒場通りを歩いていた。
視線も思考もまわりのお店に向かっていたから、伸びてくる腕は完全に死角から。急に肩を抱かれて、大袈裟なくらい、びくんっと震え上がる。

「……っ!! …………、心臓が…とまる、かと、……」

抱えていた荷物をぎゅうっと胸に押し当てて、身体を縮こまらせる。何事かと視線を向けてみたら、そこにいたのはよく知った顔だった。
そうと認識したとたん、大きな溜息。全身を硬くしていた緊張は、すぐに解けていき、恨みがましい視線を向けて、か細い声での抗議。
この人はいつもこんな事をしているんだろうかと、そんな思考もうっすら透けた表情、だったかもしれない。

キルシュナ > 「―――うぉっ!? やったで! ミンティちゃんやないか! なんや見覚えあるお尻やなぁ思て声掛けたけど、これは大正解やったな♪」

にんまり笑顔で覗き込んだ相手の顔は、忘れもしない小柄で可愛い商店主。
眼鏡の奥からじっとりとこちらを見上げる翠瞳が相も変わらずらぶりぃである。むっちゃ苛めたくなる♥
エロ猫のうきうき加減を示すように、ホットパンツに開けられた穴から伸びる黒の猫尾が機嫌よさげにみぎひだり。

「ミンティちゃんが相手なんやったら遠慮なんいらへんよね。どっかその辺でセックスしよ♥」

ジト目から滲む呆れた様な疑問に対し、正しくいつもこんな事してるエロ猫の放った"セックス"というドストレートな一言は、美女と美少女の仲良さげな密着にほっこりとしたまなざしを向けていた酔っ払いの面々を唖然とさせた。
そんな周囲の反応も、当の少女の反応さえも気にする事なく、長脚がマイペースに進み始める。
一見すれば仲良さげに肩を抱いているだけに見えるのに、その長躯の密着を受ける少女は暴れる事すら出来ず、必死にとことこエロ猫の歩調に合わせて進む事しか出来ない。
そうして労働を終えたばかりの勤労少女は、一日の終わりにどこかの暗がりか適当な連れ込み宿にお持ち帰りされ、むちゃくちゃセックスする事になるのである―――。馬車にでも当て逃げされたと思ってあきらめていただきたい。

ミンティ > 元気さに満ち溢れた声で出会いを喜んでもらえる。それ自体は悪い気がしないものの、彼女の魂胆を想像すると眉根が寄る一方。知った相手であろうと、苦手に思っていたり、怖がっていたりすれば怯えて青褪めるばかりなので、不満げな顔をする時点で、いくらか絆されているのは否めない。

「……髪を色とかで、判断してください」

希少なものではないけれど、桜色の髪の方がまだ特徴ある方だろうと主張したかった。臀部の形で個人を特定されるなんて事実は、どうしても認めづらいものだったから。
跳ねた鼓動を押さえつけるように、強く抱きこんでいた荷物を、あらためて抱え直し。
どうにか話を誤魔化して、食事のともだけしてもらえるような事はないかと、考えたりもしたけれど。

「っ……ちょ、わたし、まだ、なにもっ…、あの……声っ……!」

彼女の誘いに応じるとも言っていないのに、これから先の過ごし方がもう決定されてしまっている。
自分が相手なら、という言い方にも抗議をしたいところだったけれど、明け透けな言葉を周囲にも聞こえそうな声で放つ彼女に、こちらは顔を赤くし、しどろもどろになるしかなく。
そんな調子だから、ろくな抵抗もできなかっただろう。今日は存分に働いたから、あとは家でゆっくりと、という予定は打ち砕かれたも同然。引きずられるようにして、どこかへと連れられていき…。

キルシュナ > 【場所移動します。】
ご案内:「平民地区の酒場通り」からキルシュナさんが去りました。
ご案内:「平民地区の酒場通り」からミンティさんが去りました。