2022/02/06 のログ
セリアス > 男が一人で思考に使っている合間、眼前には暖かなお茶が置かれていた。
それに気づいてはいたらしく、ゆっくりとした手つきで一口啜って。

「そうですね。予定を変更して……近場の村への行商と、
 件のダンジョンへ、商会紐付きで潜ってくれる方を探す方向にしましょうか。」

今準備している隊商は規模を幾らか縮小して、比較的近場への商いに。
現在、請け負いに手を挙げてくれている冒険者に断りを入れるのも悪いかと、
其方には商会から道具や装備類を提供し、宣伝兼ねて様子見に潜ってもらうようにと。

依頼内容の変更を口にすると、直ぐに手続きの書類を持って職員が表れる。
一寸、手際の良い、では済まされないのではと思いつつも、切替手続きは手早く終わり、
また、内容の変わった依頼が張り出された。
『ストリングス商会の後援を受けてダンジョンに潜るチャンス!』
等と、若干胡散臭さもあるほどに、依頼のタイトルが飾り文字で書かれている。

僅かに頬をヒクつかせて男が職員に目を向ければ『最初のご依頼の形を全うできておりませんので』と。
どうやら、サービスということらしい。

セリアス > ともあれ、これなら請け負う冒険者が少なくとも、なんとか回せるだろうと。
何かあれば商会に連絡を貰うよう言伝して、ギルドを後にする。
……後日、請け負い人数の上限設定を忘れていて、手痛い出費にはなるのだが。
それはそれで宣伝にもなったし、ダンジョンからの資産も得られはして、なんとか赤字だけは避けたとか……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からセリアスさんが去りました。