2022/02/03 のログ
■セリアス > 採取依頼、討伐依頼、自身も今回依頼した、護衛依頼。
冒険者や傭兵向けではなく、日雇い的な清掃依頼のようなものもある。
基本頼む側であるので、ふむふむと興味深そうに文面を覗きこみながら。
やたら、隅のほうにある小さな依頼書を見つけて、珍しく男の顔から笑みが消える。
「……? 『寝たきりの祖母を楽にするために爆薬が欲しい』……?」
理由は兎も角、経緯が読めないのと欲しているものが不穏でしかない。
腕組みをし、暫し天井を仰ぐようにしながら目を瞑って。
「……今日は得意先回りを休みましょうか。店のほうも早めに切り上げて、偶には皆にも慰労の席でも設けるとか……」
独り言ちながらギルドを後にする。いつも浮かべる薄ら笑いは、何処か引きつっているようでもあって。
慰労をと持ち掛ければ、店員たちは何の無茶ぶりの前触れかとむしろ怪訝そうにしたそぅで。
男からすれば、善意の爆薬よりは無礼講の席で愚痴でも聞いたほうがましなだけだったのだが。
……「薬が欲しい」に、何処かの不埒者が酔って落書きをした依頼書が貼りなおされたのは、男がギルドを去って直ぐのことであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からセリアスさんが去りました。