2022/01/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にカルムさんが現れました。
■カルム > ――――とある日の朝の事である――――
冒険者ギルドの二階に続く階段から、のんびりした足取りで降りてくる冒険者。
ぼさぼさの髪の毛はぼさぼさのままに、大きく欠伸を零しながら、階段を踏みしめて降りてくる。
目の端に涙浮かべて、くあぁ、と、眠気の抜けぬ思考、ぼりぼりと後頭部を掻いてから、うし、と歩き始める。
男の背中にはバックパックに、腰にバトルアクス、全身をコンポジットアーマーで包み込んだ完全武装。
前衛の戦士の格好をした冒険者は、依頼掲示板に近づいていく。
「んーと。どれどれ。」
冒険者は、様々依頼を受けて活動する。
依頼に関しては早い者勝ちなので、基本的に朝早くに来て奪い合う、というのが定石だ。
掲示板に残っているのは、常設クエストと呼ばれる、終わりのない物、例えば薬草採取とかそう言った感じのものだ。
若しくは、金額が依頼の危険度の割に合わなかったりするような依頼や、誰も受けたがらないような依頼だ。
なので、冒険者の朝は、早く手、ここもまた戦場となる。
男のようにのんびりして居れば、当然の如く、少しでも良い依頼を受けようとする冒険者は、隣の人間を押し飛ばす。
そこでまた喧嘩があるのだけども、それはそれ、矢張り、冒険者のいつもの、と言う事になる。
当然カルムも、体当たりされたりするが、其処を気にするような男でもないし、だから、鎧を身に着けている。
一応ベテランと言って良い位には、冒険者として活動しているので、ひよっこの体当たりでは動くことはない。
「あの依頼は、善さそうなんだけど、チームか……。」
一つの依頼を目にして、男は小さく唸る。
冒険者は、一人で出来る事には限りがあるから、パーティを組む人も多い、というかそれが基本とも言える。
単独冒険者で行けるのは、一握りの英雄とかそんなもだろう。
大体はチームが解散した、とか、メンバーが休みでも自分だけ稼ぎたい、とかだ。
カルムとしては、色々な所に助っ人的に入る事が多く、知り合いなどは多いが、固定のパーティーはない。
だから、こういう時には、不利だな、と。
思いつつも、依頼の書類を手にして、離れる。
「臨時パーティ募集ー。ゾス村周辺に、新しいダンジョンが出来て、その調査らしい。見つけた宝は手取りOK。
目的は地図作成らしいから、盗賊必須でー。」
依頼の用紙を手にしてしまえば、後は受付で受け付けるのみ。
取り合えず、手にして離れて、臨時パーティを求める為に、声をあげる。
初心者が集まって、とか、ソロが集まって、というのも、良いだろう。
■カルム > 暫く待っていた所、名乗りを上げる冒険者が出てくる。
シーフが一人、前衛の戦士と、中衛の僧侶、双子らしいが、二人。
若そうな彼らは、まだまだ、冒険者としての歴は浅そうだ、自分が先導する形になるか。
魔法使いという火力がないのはちょっと気になるところだけども、安定感はそれなりにある。
前衛二人で、僧侶とシーフを守ればいい、今回の依頼は退治ではなく調査だ、其れなら、これでも行けるだろう。
「ほいじゃ、今日はよろしく頼むよ。」
元気な三人、まあ、いい事だ、と言いながら。
受付に行って依頼を受ける異にして、それから、荷物をチェックする。
必要なもの、必要のない物、自分たちの荷物を照らし合わせて、ダンジョンの調査の為に必要な物を厳選する。
荷物を減らすのは、未発見のダンジョンほど、お宝に溢れている場所はないのだ。
依頼としていくのならば、お宝に最優先権が出てくる。
依頼主が欲しいという物は、今回はないのだから。
取り合えず、四人である程度相談などを行ってから。
冒険者達は、ダンジョンへと旅立って行った。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からカルムさんが去りました。