2022/01/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 胸に紙袋を抱えながら歩く大通り。眠たそうに何度もあくびをしながら、ときどき足元がふらついてしまうたびに、ふるふると頭を振って意識の覚醒を試みる。
まだ人通りもすくない時間から表に出てきた理由は、最近繁盛しているのパン屋へ向かうため。人気の商品がほとんど朝のうちに売り切れてしまうから、今日こそはと休みの日を利用して早起きをしてみた。
今はその帰り道。目的は無事に果たせて、一度食べてみたいと思っていたパンを買えたから満足ではあるものの、ちょっと気合いを入れすぎたかもしれない。
もうすこし起きていれば眠気もどこかへいってしまうだろうけれど、その間ずっと大通りに立っているわけにもいかず。
「…んぅ……」
こしこしと目元をこすりながら、また、うつらうつら。こんな状態で歩いていたら誰かにぶつかって迷惑をかけたかもしれない。人が多い時間じゃなかったのは、幸いだっただろう。
とはいえまったく無人というわけでもないから、注意が散漫になっているのは褒められた事でないのもたしか。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジェイクさんが現れました。
■ジェイク > 人々の営みが始まり、疎らながらも大通りに人の気配が行き交い始める時間。
夜番から朝市の立つ街の広場の警邏から詰め所への帰路途中の衛兵の姿がある。
その腕の中には市で調達した酒瓶が握られて、この後、宿舎に戻った後に、
或いは、詰め所で仲間達と朝から一杯やろうという不良兵士の算段なのであろう。
「くくっ、良心的な値段で有り付けて良かったぜ、……ん?」
王都の中でも、裏社会に属する盗賊の類よりも質が悪いと評判の衛兵。
愉快そうに忍び笑いをしながら呟く、良心的な値段での調達が真っ当な手段でない事は明白で。
恐らくは警邏中の市場で酒を取り扱う商人に、みかじめ料だの出店税だの難癖付けて、
上等な酒を捨て値近くの破格の価格で提供させたに違いない。
朝っぱらから衛兵の評判を地に落としながら意気揚々と歩いていれば、前方にふら付きながら歩く女の姿を認め。
その唇の先を歪めると、其方に近付くように歩き進み、交差の瞬間、肩と肩をぶつけて。
「――――あぁっ。おい、貴様、何処に目を付けて歩いている!」
すれ違った直後、手にした酒瓶を地面に落とせば、瓶が割れる音を高らかに響かせて。
寝惚け眼の女に向けて怒鳴り付けるように声を挙げて睥睨するは、正しく当たり屋の所業。
■ミンティ > いつもならば、衛兵の姿が目に入った時には息をひそめて、目立たないように心がけている。
大通りのような場所でも何事か難癖をつけられたり、あらぬ疑いをかけられて詰問をされている様子は、これまでにもよく見かけていたから。
しかし今は周囲を歩く人もすくなく、そのうえ寝ぼけまなこでいるせいで、向かい側からやってくる男性の姿もよく見ようとはしていなかった。
ぶつからないように譲るくらいの事は当然したけれど、すれちがった直後に瓶が割れる音。
とつぜんの大きな音に、びくっと身が竦んで、立ち止まってしまう。
「……え?……え、えと、……いえ、あの、わたし……は」
あわてて振り返ってみて、そこに立っていた衛兵の姿に青褪める。
こんな距離ですれ違っていたのに、どうして気がつかなかったのだろうと後悔しても後の祭りだった。
足の速さに自信があるなら、最初の音を聞いた時点で逃げ出すのがよかっただろう。
けれど自分ではすぐに追いつかれ、捕らえられてしまうのは明白。そうしたらもっと酷い言いがかりをつけられるに違いない。
できる事と言えば、叱責の声に首を弱々しく振りながら、自身の潔白を主張するくらい。怖気づいて、身体はじりじりと後ずさりたがっていて。
■ジェイク > 落下して割れた酒瓶から流れ出す液体が地面に染み渡る。
少しばかり、惜しい事をした、と悔恨めいた視線で足許の様子を眺め。
それでも、気を取り直せば、目の前にて立ち尽くす次なる被害者に視線を向ける。
幸の薄そうな女の顔立ちは、幼さが残るも可愛らしいと評するに足るもので、
怯えた表情に嗜虐心がそそられて下半身に血液が廻るのを感じ取れば、軽く舌なめずりして。
「こいつは、さる御方の命令で態々取り寄せた舶来品の酒だぞ。
それを割るとは、……きっちりと報いは受けてもらうぞ。こっちに来い」
周囲を行き交う人々に対して、彼女の罪状を声高らかに喧伝する。
無論、捲し立てるのは嘘八百を並び立てたモノであり、その言葉を信じる民も殆どいない。
だが、同時に憐れな犠牲者である彼女を助けようという奇特な者も現れず、
人々は只々自分に火の粉が降り掛からねば良い、と見て見ぬ振りをして足早に立ち去るばかり。
そうして、無粋な邪魔が入らぬように周囲を牽制しつつ、後退りする女の片手を掴めば、
その身体を引き摺るようにして手近な路地裏へと引き摺り込んでいく事だろう――――。
■ミンティ > きつく睨みつけられると、顔を上げられなくなってしまう。
もともと臆病な性格に加えて、どんなに無理矢理な言いがかりだろうと、自分の方が立場的に不利だという事くらい、よくわかっているから。
地面に広がって吸いこまれていくお酒を見つめながら、どうすればこの状況を切り抜けられるか考える。
舌なめずりする相手の顔を見ていれば、その魂胆も読み取れたかもしれないけれど、下手をすれば斬り伏せられるのでないかという最悪の事態まで想像して。
「……っ、も、申し訳、ありません。あ、あ、あの、弁償っ……を、……します…
お金、今は手持ちが、すくないのですが、…っ、あの、では、すぐ代わりの、品を…っ」
ぶつかってなどいないと主張したくても、すぐに心がくじけてしまった。
とにかくすこしでも罪を軽くしたい一心で、相手からの因縁を飲む形で謝罪する。
いくらふっかけられるかもわからないけれど、お金で済むのならと申し出て。取り寄せた舶来品だと聞くと、弁償さえ難しそうだと知り、涙がこみあげた。
「ゃ、……いやぁ……!」
強く手を引かれると同時に悲鳴を上げた。反射的に身を引く動きで抵抗を試みたけれど、腕力で太刀打ちできるはずもない。
周囲に助けを求めたいけれど、それで他の人まで巻きこんでしまうわけにもいかず、いやいやと首を振りながら、引きずられていくしかなくて…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にカルムさんが現れました。
■カルム > 「おいっす、今晩は、マスター。」
冒険者ギルド、扉を明けてはいる冒険者、にか、と気軽に笑いながら手をあげ、マスターに挨拶をする。
依頼を終えて戻ってきた冒険者、取り合えず、報告に行くから少し待っててくれ、と、のそのそ、と沢山いる冒険者仲間を縫って歩いた。
渋滞の理由はまあ、何時ものあれだ。冒険者同士のやり取り。
じゃれ合いともいえる喧嘩だ、今回の理由は何だろう、取るに足らない事だと思うのだけど。
それは兎も角、邪魔な冒険者を潜り抜けて、カウンターまでたどり着けば、依頼の品を袋で差し出した。
受付嬢に、確認ヨロ、と渡して、カウンターに寄り掛かる。
「おー。やってるやってる。」
良い音がする、素手で殴り合うのは戦士職か、血の気の多い事で、と言いたいが、まあ自分もその血の気の多い方に分類されるんだろう。
なので、もっと面白くしてくれよなー。なんて、火に油を注ぐような応援を。
野次馬の男一人増えた所で、周りも良い感じに、其処で、アッパーだ、と囃し立ててるので、無問題。
うーん、もう少し早く戻ってこれて居れば、酒でも飲んで観戦できるんだけどなぁ、と男はぼやき。
良い席はないだろうか、と酒場部分の方に視線を巡らせる。
■ギルドマスター > 「ほらよ、報酬だ。あいつ等は、いつものだよ。
あの子は俺の嫁だ、いや俺のだ!ってな。
丁度同じ時に帰ってきて、受付嬢の取り合い、し始めたのさ。」
■カルム > 依頼の報酬を待っている間に、やってくるギルドマスター。
本来は、彼は奥に居るはずだが、受付に居るのはまあ、看板娘ちゃんの護衛、という所だ。
彼女は冒険者にとても人気があり、可愛らしいから、求婚する冒険者は多い、その半分は冗談だが、中には彼らのようにガチで思う人間もいる。
だから、そう言うのがバッティングすると、こんな風に喧嘩になる。
このギルドでは日常茶飯事だし、何処でも大体同じような事が起こる。
だから、他の冒険者もヤジを飛ばすだけで、止める奴は居ないのである。
革袋を受け取り、報酬を確認してから、じゃ、また。と軽く手を振って、カウンターから離れる。
先程待っている間に眺めていたが、この喧嘩の反対側、つまり、観客になるには不向きな席の方は空いている。
皆喧嘩を酒の肴にするために移動したわけで。
だから、暖炉の前であっても空いているという素敵な状況で、しめしめ、と腰を下ろして、バトルアクスを降ろす。
「て、事で。
エールと、シチューと、パン、おまけに今日はステーキを奮発しちまおう。」
ウエイトレスに、よろしく!とお金を渡して、男は暖炉の暖かな炎に向かって両手を伸ばす。
外を歩いていたのもあり、其れなりに冷えているから、暖炉はとても嬉しい物だ。
はあ、ぬくぬく、と料理が来るまでの間、暖を取る。
■ウエイトレス > 「はーい。お待たせー。エールと、シチューと、パン、最期にステーキね。」
■カルム > 暫く待って居た所、ウエイトレスが持ってきてくれた、食事。
註文していたそれは、ほこほこと美味しそうな湯気が出ていて、作り立てで、良い匂いがする。
上手そう。そう男は笑って、暖炉から、テーブルに身を戻す。
エールのジョッキをまずもちあげて、ぐびり、と一気に呷って、息を吐き出した。
「っあー!生きてる、って、気がする!」
酒臭い息をぶはぁ、と吐き出して、生命の味じゃぁとか、訳の分からないことをぼやくカルム。
その後ろ、少し離れた所では、未だ喧嘩は続いている模様、殺し合いに発展する前に。冒険者達が止めるからどうでもいい。
歓声が大きくなっていると言う事は、屹度、クライマックス直前なのだろうなぁ、というぐらい。
もぐもぐ、むぐむぐ、がつがつ、ごくごく。
のんきに一人、註文した料理をがっつく冒険者、美味し美味し。
まあ、話し相手が居ないというのは、ちょっと寂しいが……周りを見ても、話し相手になってくれそうな人はいない。
うむ、しかたあんめ、と、もしゃもしゃがつりパクリ。
最期にシチューをずずず、と飲み込んで。
「ごっそさん。」
げふぅ、と息を吐き出した。
会計はここに置いておくなー。と、ウエイトレスに声をかけて。
代金を支払い、回収するのを見て、そのまま階段をのぼり、自室へ戻るのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からカルムさんが去りました。