2022/01/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 朝から図書館に出かけて、借りたい本を決めるころにはお昼になっていた。
本と簡単な小物だけ入れた布鞄を胸に抱いて、寒風から身を守るように、背中を丸めてすこしだけ早足。
帰ったら温かいお茶をいれて、読書をしながらのんびり過ごそうと思う。おやつにできるようなものは、なにかあったかなと小首をかしげ。
そこで急に足元のバランスが崩れて、あやうく転びそうになってしまった。
「……あぁ…」
なにかに躓いたのかと思って下を見ると、靴の踵が剥がれてしまっていた。
見た目がみすぼらしくならないように手入れは欠かさないでいたけれど、それなりに長く履いていたものだから、もうそろそろ寿命なのかもしれない。
修理をすればまだ履き続けられるだろうかと小首をかしげながら、靴もこうなってしまったから急いで帰ろうと踏み出し。
踵が剥がれた方の足をなるべく持ち上げないようにしてみるけれど、やっぱり歩きづらい。
それに、こんな靴で大通りを歩いていると思うと急に恥ずかしくなり、顔を俯けるようにして。
■ミンティ > 靴が壊れたせいで、いつも以上にのろのろした歩き方。後ろから来る人たちに次々追い抜かれていく。そんな中、ふと足を止めた。自分のお店で商品にしているものに手を加える時にお世話になっている、小さな古道具屋が、ここから近かった事を思い出し。
そこなら靴の応急処置をするのに必要なものも手に入るだろうと考えて、大通りから脇道へ。目当てのお店が開いているといいなと思いながら歩いていって…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 壊れた靴を直すための接着剤を買う事ができ、そのまま裏道で応急処置を試みた。まだ大通りに近い場所で、昼だからと油断していたのかもしれない。
どこからか現れた男たちに声をかけられた。嫌な予感がしたけれど、直したばかりの靴ではとっさに逃げる事もできず。もたもたしている間に腕を掴まれ、口を塞がれて、そのまま人のいない方へと連れ去られてしまった。
そしてどこかの空き家の柱に括りつけられている。
先ほどの男の人たちは、お酒を買いに行くとかで、どこかに行ってしまっていた。見張りを残していかなかったのは、こんなひ弱そうな自分が自力で逃げ出せないと考えたのかもしれない。
「……ん、んんっ…」
壊れた窓から外が見えているから、助けを求めようかと考えたけれど、猿轡が邪魔で声も出せない。
困り果てながらも、このままここにいるわけにもいかない。しばらくもがいていると、後ろ手に縛られた布がすこし緩んだような気がする。両手さえ自由になればと、続けて身をよじり。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレイグさんが現れました。
■クレイグ > もがいていると、空き家の外で何かを殴る音や、木箱か何かが壊れる音が聞こえてきて、暫くするとその音が途絶える。
その後で男性と女性が何か会話している声が聞こえ、誰かの足音が遠ざかるような音がした後。
空き家の扉が開き、中に誰かが入ってくる足音が聞こえ。
「おい、誰かいるか…返事、できなかったら何か音立ててくれ」
大きな声でそんなことを言いながら、空き家の部屋の扉をバンバンと、開けて回っているらしい音が聞こえてくる。
■ミンティ > とつぜんの大きな物音にびくんと震えて、あわてて息を殺す。あの人たちが戻ってきたのかと思ったけれど、それから聞こえてきた会話には女性の声も混じっていて、不思議に思う。
話の内容までは聞き取れなかったため、どちらにしても緊張は続き。身を強張らせている間に、また誰かの声がした。
自分をさらった人とは違う誰かだとは思うけれど、言われたとおりに音を立てていいのか迷う。
もっと危ない人がやってきていたらと考えると、このまま息を殺していたくなるけれど。
「……っ」
しばらく悩んだ末に、靴の踵を床に打ちつけて、こんこんと音を鳴らした。
■クレイグ > 音を立てて暫く、足音が近付いてきて、バンと扉が開け放たれる。
「此処か…誰かいるか?」
入ってきたのは大柄の中年戦士、黒いマントを纏った男で、薄暗い中額に走る傷跡が白く目立つ。
薄暗い中、ある程度の夜目が効くのか、少女の姿に気が付くとずかずかと近づいてくる。
「とりあえず、歩けるか…ん、縛ってる縄切るから、動くなよ」
縛られているのに気づいたのか、ぐっと縄を持って、手首から抜いた小型のナイフで、縄を切り落とす。
「他にあいつらの仲間いると面倒だから、さっさとでるぞ、歩けるならついてきてくれ、無理ならひっつかんでくが、どうだ」
ナイフを仕舞ながら、そう言って手を差し出す、無理そうなら掴めと言う事らしい。
■ミンティ > さっきよりも大きな音を立てて開くドアに、また反射的に竦みあがった。
ここに閉じこめられてから時間も立っていたから、現れたのが大柄な男性だという事は認識できたけれど、それでも周囲が暗いせいで顔までははっきり認識できない。
どういった目的でやってきたのかがわからないから、自然と後ずさるようにしてしまう。それでも背中がすぐ柱に当たるから、逃げ場なんてどこにもなく。
「……っ、あ、…は、はい…」
近づかれてようやく、何度か顔をあわせた事がある男性だと気がついて。言われるまま動きを止めて、縄を切ってもらう間はおとなしくしていた。
両手が自由になると、足の戒めは自分で解いて。差し出される手を見つめながら、思い出したように周囲を確認。
図書館帰りにさらわれていたから、借りてきた本を入れた布鞄が近くに転がっていて。
手を取るかわりに、その荷物を大事そうに抱えて、頷きを返す。
「……だいじょうぶ。歩けます」
すこし足が竦んでいるけれど、自分がもたもたしたせいで余計なトラブルを生みたくはない。勇気を振り絞り、割れた床板に足を取られそうになりながらも、男性に続いて移動しようと。
■クレイグ > 「ん、それじゃ人の多い所まで急ぐぞ」
歩けるというので、来た道を戻っていく、家の外に出ると数人の男が壁に寄りかかって気絶している様子。
その横を、ずかずかと歩いて通り抜ける、
廃屋の入り口は路地裏に面した場所だったようで、路地を抜け、大きめの通りの方向へ後ろについてくる相手を気にしながら、その相手が置いていかれない速度で歩く。
見つけた相手は見知った相手で、何度か一緒に歩いたことがあるが、急な動きなどが苦手な印象を受ける相手だったので、其処を注意しつつ速度を調整している。
「もうすこしだから、頑張れ」
軽く振り返ると小さく声を掛ける。
■ミンティ > こくこくと頷きながら、荷物を強く抱く。自分自身が危険な状況なのだから、図書館の本を大事にしている場合ではないけれど、捨てていけるような性格だったら、損をする機会も今よりすくなくなっているだろう。
大股で進む男性の後ろをぱたぱたと小走りで追いかけて、廃屋から出たところで数人、気を失っている人がいる事に気がつくと、びくりと震えた。
中には自分をさらった人の顔もあったから、きっと悪者が懲らしめられたのだろうと理解した。それでも、気絶した人を見るのは心穏やかではなく、困ったように眉を下げた。
体格差から考えても、本当に急いでいるなら、すぐに置いていかれてしまうだろう。自分の足でも追いつけるペースで先導してくれているのだと気がついて感謝して。
「は、はい、だいじょうぶ、です。……ありがとう、ございます」
せめて、これ以上面倒をかけないようにと、息を弾ませながらも足を懸命に動かして。
■クレイグ > 廃屋が並ぶ路地裏を通り抜け、ある程度大きな通りに出る。
路地裏と比べれば人通りはそこそこあるが、まだ油断できる場所ではないので、きちんとした大通りへ足を向ける。
「とりあえず、此処までくればほぼ大丈夫だと思うけど、もう一本大きい通りまで行くからな」
後ろを一生懸命ついてくる少女に声を掛けて、少女にもわかりやすいであろう道の方へ向かっていく。
大事そうに抱える荷物を見て、鑑定でも頼まれた荷物なのか、と少し思いながら、しっかり持っているので理由があるのだろうと思いなおして、とりあえず荷物を持っている事も考えに入れ、先ほどよりはゆっくり歩く。
「大通り出たら、何処かで休んだ方がいいか、結構あれだ…怖かっただろうし、疲れただろう」
女性が攫われて襲われる寸前だった訳で、自分が思う以上に恐怖を感じたであろうと、時分の声に音を鳴らすのもかなりの決意が言っただろうと、想像しかできないが、そう思い声を掛ける。
■ミンティ > 空き家が多く、あまり立ち寄らない場所から離れ、大通りに近い場所までやってきた。このあたりでも夜となれば治安がいいとは言えないかもしれないけれど、自分一人でも歩いた事のある場所。
よほどの事がないかぎり、トラブルにみまわれるような事もないところだったから、とりあえず安全になっただろうと考えて、ほっと息を吐いた。
「……え?……あ、はい。……その、…ええと、…お気づかい、ありがとうございます…
ですが、その……このとおり、怪我も、ありません……から」
本当なら、もっと青褪めたり、一人で歩けなかったりするんだろう。自分も孤児院を出て一人暮らしをしはじめてからは、危ない目にあうたびに取り乱していたけれど。
気弱でびくびくしているせいで、なにかと狙われるような事も多い。今回も命までは取られそうにない気配だったから、怖いと感じていたのは確かだけど、一人で帰れないほど怯えきってもいない。
「……その、…自慢に、なりませんが。…慣れて、いるので、本当に…」
だから大丈夫なのだと、申し訳なさそうにしながらも伝えようとして。
■クレイグ > 「ふむ、そうなのか、少し何か腹に入れたほうが、落ち着くかと思ったんだが」
遠慮しているように聞こえる言葉を聞きながら、少女の顔をじっと見つめる。
今はほっとしている様子だが、一人になれば少し変わるかもしれない、ふとそんなことを思って。
「確かに自慢にはならないけどな…あれだ、やっぱり少し休んでいった方が良いと思うぞ、暖かい飲み物でも飲んでく感じでな。
ああ言う事あった後だし、俺みたいなガタイの良い男と一緒だと、嫌かもしれないけどな。
ミンティはもう少しの余裕を、俺は女の子と酒が飲めるという、役得を」
冗談なのか本気なのか、そういう風に言って、少し先にたしか、大通りに面した場所に暖かい飲み物を田ぢてくれる店があったなと、強引な誘い方だなと思いつつ、どうかなと聞いてくる。
■ミンティ > 昼にさらわれてから今まで拘束されていたから、言われてみると、おなかが空いているような気もしてくる。
早く家に帰って落ち着きたいという気持ちもあったけれど、すこし悩んでから、こくんと小さく頷いた。
助けてもらった恩もあるし、それに、自分をさらった人が全員捕まったかもわからない。一人で行動するよりはいいだろうと考えて。
「……ええと、はい。…あの、じゃあ……お手間を取らせてしまいますが、
…ご一緒、していただけますか。……あの、お金は、持っているので……わたしが、出しますから」
助けてもらったうえに、奢りにされでもしたら申し訳ない。以前にもすこし似たような会話をした気がするけれど、今日ばかりはと真面目な顔で。
このあたりなら、どこのお店がいいかなと考えて。話がまとまれば、二人の姿はどこかへ消えていくはずで…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。