2022/01/02 のログ
タマモ > と、不意に、周囲を見渡す視線が止まる。
広い場所を使い、賑わう宴の場…ではなく。
そこから、少し距離を取った、路地の中だ。

多分、近道として使っているのだろう。
入り組んだ道を、迷う感じなく、移動している。

「………ふむ」

少々距離があり、その存在は感じ取っているが、それが何者かは分からない。
一般人なのか、冒険者なのか、それ以外の何者か。
だが、今日は、こう決めている。

これだ、と感じた相手と楽しむ。

まぁ、目を付けられたのが、不幸と思って貰おう。
そう思いながら、ふわりと、その場から身を躍らせた。
その手に、すらりと抜いた、抜き身の刀。

進む先に降り立つか、背後に降り立つか。
それは、相手の状況次第。
だが、少女は確かに、その場に居た何者かの側に、現れる事だろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレイグさんが現れました。
クレイグ > 新年の空気に当てられて、飲み過ぎたのと、久しぶりに傭兵団にいた頃の知り合いに合ったから、普段制御している飲酒量を越えて飲み過ぎた。
飲み過ぎると頭痛が来る体質、更に普段あまり思い出さない古い記憶が知り合いのあったせいで思い出されている。

「あー、くっそ…こんな気分は久しぶりだな」

常であれば余裕を持った感じで歩く路地裏をゆっくりと歩む、その顔は何やら苦い顔で。
偶に自分の左手のある×の字傷を見て、深く息を吐く。

酒の酔いも手伝って普段の感覚が今は失せて、若い…いっそ幼いという頃の感覚を喚起されている様子。
奴隷として過ごしていた、そんな時期を。

タマモ > 路地裏を歩く男、そうである事に気付いたのは、着地をする寸前の事だった。
酒に酔い、そこを歩きながら、思い出に浸る男。
その目の前に現れたのは、その手に、一振りの刀を携えた、少女の姿。
…なのだが、少女は、その刀を構えたりする事なく。

「むむむ…これを使い、襲い、楽しむにしては…
して、こんな場所で、どうしたんじゃ?
まったく、見誤るとは、困ったものじゃのぅ」

はふん、と溜息を一つ零せば。
手にした刀を、ぷらぷらと揺らしながら、男に向かい、そう言う。
何せ、その目の前に降り立った相手、その男の事は見覚えがあったからだ。

クレイグ > 近くから掛けられた声に少し驚きながら、そちらを見れば幾度か見た事のある相手。

「お前さんか、いやー、ちょっと飲み過ぎたのと昔思い出しててな」

知り合いを見た事で少し持ち直したのか、自嘲するような笑みを浮かべながら、声を返す。

「傭兵始めたというか、させられ始めた頃のなー、色々あった時期をな。
って、あー、んなこと普段言わないんだがな、ったく。
んで、お前さんはどうしたんだ、いきなり降って来た感じだったが」

話ながら自分が普段の調子と違っているのを自覚したのか、こんこんと自分の頭を掌で叩きながら、普段の口調に戻しながら聞いてくる。

タマモ > 「ほほぅ…酒は飲んでも飲まれるな。
普段を僅かとも逸れる程に飲むとは、まだまだ未熟じゃのぅ?」

男の言葉に、やれやれ、とわざとらしく肩を竦めてみせば。
そう伝えつつも、手にしていた刀を、手元で器用にくるりと回し、かちん、と綺麗に鞘に収める。

「妾か?…まぁ、妾は、楽しめる相手を探しておったのじゃ。
今宵は、これで最後の相手、と考えて来た訳じゃが…」

ふふんっ、と自慢気に胸を張りながら。
面倒なので、そのままを簡単に説明し、するりと数歩、男に歩み寄る。

「ふふ…まぁ、男子は男子か。
さて、酒に溺れた男子ならば、少し遊んでやるのも、じゃろうかのぅ」

少々調子を乱す男が、何とか調子を戻そうとする目の前で。
じーっと、そんな男を、少女は瞳を細め、見上げるのだ。

クレイグ > 「いや、我ながら、言われる通り未熟だな」

自分でもそれは実感した、もう結構昔の事だが原体験に近いからか、忘れていないらしい。

「ふむ…遊び相手って事で良いのかね」

胸を張る少女に視線を送る、普段より自然さがない視線だが持ち直してきているのか苦笑しながら。

「確かに今日は深酒しすぎてるなー、そんな男を男子と言ってくれて。
相手してくれるのなら、それはありがたいな」

見上げてくる少女の瞳をみながら頷きを返す。
少し人の体温が恋しいのか、近づく少女を警戒無く受け入れる。

タマモ > 「まぁ、気分良く酔えるのは、悪くはないが。
度は過ぎぬように、じゃな?」

やり方次第だが、酔った時の気分は分かる。
あの感覚、確かに悪くはないが…まぁ、細かくは、言う必要もないだろう。

「うん?実際、妾からすれば、誰でもそうなるじゃろうなぁ?
妾より上なんぞ、本当に、指折り数える程度しか居はしまい。
…そうかそうか、相手をされるか。
それならば、少々、遊んでやるとしよう」

その言葉に、くすくすと笑いながら。
更にゆっくりと、その身は近付く。
そうして、その後は…

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレイグさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  ――繁華街から離れた平民地区の片隅にあるとある聖堂教会。
 日中は信者が集い、あるいは祈りを捧げあるいは罪を告白するが、夕刻を過ぎ夜の帳が降りた頃合いとなればその姿もなく。
 火の気の落ちたしじまの礼拝堂。寒風の流れる宵を渡り、そこまで辿り着いて来た者は少ない。見回しても人の気配はなく己の影のみそこにあった。
 厳かな雰囲気の中ゆっくりと進んで行けばその直線上には祭壇が。アホ毛を歩みに合わせ軽く揺らしながら、祭壇前に立ては感心の眼差しで細かな装飾を眺め壁画を鑑賞し、それから一抱えはありそうな金装飾が施された壷の前に差し掛かれば、

             ――かた、

「………?」

 小さく聞きとめた物音。訝しげに傾げた首。ゆるりと瞬けば立ち止まり、じ、と壷を凝視。さすればまた、

        かた、かたかた…

微かな揺らめき。左右に小さく振動する壷。

「……やだこの壷生きてる」

ティアフェル > 「――訳ないか」

 バカなこと呟けば、すぐに肩を揺らして、中に何かいるのだろう。と伸ばした首。台座に置かれた壷の中をひょいと覗き込むと――

 フーッ、バリッッ

「きゃ…っ?!」

 紅い閃きが見えたかと思った刹那、突然中からいきり立ったような唸り声とともに額を引っ掻かれた。後ろへ引き、呻いて顔を抑えていればぽーん、と壷から飛び出した黒猫・どこかから忍び込んだそいつはあまつさえ先程まで潜んでいた壷を蹴倒し―――

「ちょっ…!!」

 ぐら、と大きく揺れて床に叩きつけられようとする壷・受け止めようと腕を伸ばすも――
 ガンッ がらがらがら……

「あー…っ」

 結局間に合わず、床にぶち当たって砕け散った壷……施されていた金の装飾がきらきらと虚しく蝋燭の灯りに閃いていた。
 割れた壷の前、呆然とする女。駆け抜けていった黒猫。一連の物音が鳴りやんで、しーんと静寂が再度支配した、そのあとに残されたのは有り触れた無残な光景。

 しばし茫然と立ち尽くしてしまっていたが……やがて、はっと我に返って、さーっと蒼褪める。

 こ、この場に誰か来たら……ま、まずい……。

 猫の姿はいずこへか消えてしまったのだから、ここにあるのは割れた壺と己の姿のみ。――ということは、

「わたし、容疑かけられる、やつ……!」

ティアフェル >  しかし、幸い誰もこんな時間に訪れることはなかったため、事なきを得た。

「っし、逃げよ」

 今の内だ。やってもいないことに対して疑われるのも厄介でしかない。
 自分で口走っておいて逃げるというのもおかしな話だとは思ったが、とにかく速やかに撤収。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からティアフェルさんが去りました。