2022/01/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 年の変わり、どこでも、こうした日は宴のあるものだ。
もちろん、この王都においても、どこかしこで宴の場が設けられていた。
「いやはや、やはり、思った通りか。
いつもの不作振りが、嘘のようじゃのぅ」
そんな王都の中、平民地区のどこか。
少女は屋根の上に立ち、満足そうに頷いていた。
今日、宴の開かれていた場所は、何ヶ所もあった。
普通に行われている宴もあれば、何でもありな、乱れた宴もあった。
それだけでない、裏通りを見れば、時折、近道か迷ったか、そこを彷徨う者も居て。
この日一日だけで、何度も遊ぶ機会があったのだ。
しかも、好きに遊んだところで、他の場所でも似たような事が起こっているのか、いつもと違い目立つ事もない。
「ふふ…こんな日が、毎日続けば、言う事もないんじゃが…
まぁ、それは贅沢、と言うものか」
くすくすと笑いながら、とん、と屋根を蹴り。
いつものように、屋根から屋根を跳び移る。
時間を考えれば、今日と考え、後一人くらいだろうか?
それならば、最後は少々派手にいこう。
移動をしながら、そうした相手か、場所か、そうしたものを探っていた。
■タマモ > 屋根の上、移動を続けながら。
その手元に、ぽんっ、と一振りの刀を出す。
霊刀『小狐丸』、物体や肉体でない、魂のみを斬る刀。
それを腰の帯に括った鞘、それに収める。
最近、出来るようになった独自の技。
霊力に己の妖力を絡め、魂を斬る本来の性質から、斬った場所に相応の快楽を与えるようにするもの。
それを使おうと、そう思い至ったのだ。
そう言えば、この技を完成させた時。
式の全員(一部を除く)から、罵詈雑言を受けたものだ、と。
そんな記憶も、一緒に思い出してしまったが。
「ま、まぁ…使いどころは、こうしてあるんじゃ。
本当に無駄になった、何て訳ではないな!」
誰か側に居れば、聞こえるかもしれない、そんな独り言を呟きながら。
誰にでもなく、ぐっ、と拳を握り締め。
少し高めの建物に目を付け、その上に降り立った。
見渡しの良い場所から、周囲に視線を巡らせ、紛れて楽しめそうな、または、遊べそうな相手が居そうな宴。
人気の無い道を通る相手等を、改めて探ってゆく。