2021/12/21 のログ
ナータ > 「もう……早く寝よう……」

宿に戻ると毛布の中で身を縮め
寝付けない中でもやがて―――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からナータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にトリオロールさんが現れました。
トリオロール > 「景気悪いわねぇ、こうもっとこんな地味で面倒で見入りが少ないやつじゃなくて派手で楽で儲かるような手ごろな依頼とかないのかい?あ、それか依頼人か同業者に可愛い子が付いてくるならしょぼい仕事でも歓迎だけど♪」

「ふがふが。」

「そうは言ってもリリの姉御、あっしらみたいなちんけな冒険者にそんな美味しい仕事が回るようなら絶対依頼文に書いていないやばい裏がある仕事しかないでやんす。あんまりごねて受付を困らせるとまーたあっしら干されるでやんすよ?宿代だってそろそろ支払いが厳しいやんす。ガンフもきっとそう言っているでやんす。」

マグメール平民地区に存在する冒険者ギルド。
数多の登録された冒険者が仕事を求めて集い、また、そんな冒険者達に依頼する為ギルドに訪れる依頼人がやってくる賑やかしいその場に一際目立つ三人組が受付にたむろしていた。

目立つといっても冒険者としての凄腕のオーラとかそういうのではなく、悪い意味で。
有り体に言えば変質者じみた派手なラバースーツを着こんでマスクを被った、冒険者というよりも冒険者に捕らえられた犯罪者といった風体の三人組である。

受付の机に行儀悪く腰掛け身を乗り出しながら受付嬢から受け取った依頼書数枚を確認し、どうやらどれも眼鏡に叶わなかったらしく乗り気ではないと苦い表情と声で大げさに溜息を吐きぽいと依頼書を放り捨てる三人組唯一の女。
その依頼書の一枚が顔に張り付き、ひっつかんでからちーんと鼻を噛んでぽい捨てする黄色のスーツとマスクが特徴の巨漢は話を聞いているかすら怪しい様子。
巨漢の男は勿論女と比べても等身が低い緑色のスーツとマスクに怪しげなゴーグルを嵌めた小男は残った依頼書を掻き集め、確かにリーダー好みの依頼とは程遠いが冒険者ギルドの厄介者認定をされている自分達によっぽど人手不足とかもしくは表にできない内容とかでもない限り大仕事が入るわけない為リーダーの顔色を窺いつつ一応はギルド側の意志も汲んでいるというアピールを受付嬢へちらちら視線をやりつつ間を取り持って。

もっとも、受付嬢としてもだからといって過去に依頼人を真っ先に宿に連れ込んだり、同業者を仕事先で調教したり、ギルド内ですら女冒険者や受付嬢にセクハラを仕掛けてくるようなろくでもない真似をしでかした前科が腐るほどある三人組にそんな実入りが良い話を寄越す程人間が出来ておらず早く諦めてくれないかなぁと対応に苦慮しているのが鈍い反応からして明らかであり。

トリオロール > 「なんだいヤーンス、そもそもすっかんぴんになったのはこないだアンタがヘマやらかしたからでしょうが!まったく、なーにがこのルートなら安心安全だい。」

「ふんが。」

「い、いやいや、あれはあそこで通行料を払わないとあの悪名高い連中に今度は金じゃなくて命まで盗られてもおかしくないってあの時はリリの姉御納得してたじゃないでやんすか……文句はあっしらを売ったけちんぼ行商に言ってほしいというか散々言った後じゃないでやんすか。あっしは偶々運悪くあんな行商を選んだだけで不可抗力でやんす。」

受付嬢の肩を持つような発言をしたのが気に入らなかったのか、先日の儲けどころか結果的に成功報酬から出費を差し引いても大赤字となった悪名高い集団が道中立ちふさがり、行商が自分達を囮に逃げ出したせいで手持ちのお金を差し出す最悪な出来事があった仕事を引き合いにだして文句を言う紅一点のリーダー。
旅の行商人が好みの外見をした女だったから選び、リーダーも可愛い女だから良いとその行商の腹黒さを知らず調べず察せずまんまと売り飛ばされた事は事実である為しどろもどろに小男は揉み手をしながらゴーグル越しに視線を彷徨わせ。
元々森暮らしが長かった事もあり別に野宿でも全く問題ない巨漢はぼーっと二人のやり取りを眺めて話が終わるのを待って。
受付嬢は話が脱線し内輪揉めをする三人組、内二人へ依頼を請けないなら他の冒険者が並んでいるから早く退いてくれとしっしと追い払う仕草。

その態度がまた機嫌が悪い紅装束の女の癪に障り、折角仕事を請けてやるってのになんだその態度はといちゃもんをつけ始め、暫くして他の冒険者に摘まみだされ負け惜しみと共にギルドを後にすることになって。仕事を請けられなかった三人組は明日からこのままだと野宿、夕飯抜きだという現実に冷静になって向き合い二人は溜息を吐き反省し、一人は相変わらずのほほんと気ままに振る舞って。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からトリオロールさんが去りました。