2021/10/31 のログ
■ボブ > (長椅子に座り、腿の上に片肘を突きながら日差しが射す芝生の方を眺めている男)
「ああ~~~ぁ、どう考えても気持ち良さそう…。
しかしそれに負けて寝転がっちまったら寝入っちまって、夕方の冷え込みで風邪を引くっていうトラップだよな、これって」
(別にトラップという訳でもないのだが、昼寝に向いていそうな芝生の方を恨めしそうに眺めていって)
「ダメだな、これは。 ここで一休みしてたら芝生の誘惑に負けちまう。
公園を出て、街中をぶらついていた方がまだ健康的に時間が潰せそうだ」
(長椅子から重い腰を持ち上げていけば四阿から出て沿道に戻れば、改めて芝生の方に目をやり)
「また暖かくなったら昼寝しに戻ってきてやっからな。 覚えてやがれ」
(なぜか負け台詞を口から洩らしながら、男は公園を後にしていった)
ご案内:「王都マグメール 平民地区 公園」からボブさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にロゼさんが現れました。
■ロゼ > 太陽真南に高く、だが季節は秋も深まり木枯らしの荒ぶ頃とくれば肌寒い。
町を行く町人達も皆肌を隠して外套を羽織り、寒い寒いと口々にぼやいていた。
女もまた例外でなく、涼やかに過ぎる秋風を厭うて外套に身を包んだ。
広場から家への近道である路地裏は、いつも選ぶ帰路だ。
右手に抱く紙袋には焼き立てのバケットが二本と、日持ちのしそうなパンが少し。
女が歩くたび散る薫香が路地裏を流れていく。
―――――ふと、
「 ……。」
横合いの路地で何かが揺れた。
猫か何かか。興味本位で近づいてみよう。
寄り道したって良い―――買い物だって、朝早くに出て今の今まで掛かったんだ。
少しくらい予定を狂わせても構わない。
一歩、二歩、歩を詰めて暫し。
ふっと現れたシルエットに、細い紫をまあるくさせて瞬いた。
小さな子供だ。それも身なりの貧しい。
女を見上げる窮鼠のようなまなざしが、香ばしい匂いで満ちる紙袋と、女とを交互に射ている。
嗚呼、なるほど。
■ロゼ > 徐に右手を差し込み紙袋を漁る。小麦の焼けた香ばしい空気がまた散った。
手ごろなものはないかと弄ってみるが、バケットも食パンも、その後の一手間を経なければ美味しくなかろう。
悩むように紙袋を見つめたが、――分からなくなってやめた。
代わりに、膝を折って紙袋の中身をこどもへ見せてやる。
覗いてみろと言わんばかりに抱き捧げて待った。
「 ううん。 …これ――なんかどう ?」
と、まあるい白パンを差し出してみる。
飢餓と期待に瞳を輝かせる少年の首は、手は、足は、見るも明らかに細かった。
おずと近づいてくる少年をせかすことはせず、受け取ってくれるのを待ってパンを差し伸べていたい。
だが、少年の両腕は選んだのは、パンの方ではなかった。
―――― ガサッと紙袋を抱きとめ、そのまま、がむしゃらに剥ぎ取るようにして女から奪い、向こうへと駆け出していく。
「 ッぁ、―――― …! 」
あっという間だった。
まだ年端も行かぬだろう少年の、懸命に走り去る後ろ姿にぱちくりと瞬く。
残されたのはまるいパン一つ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にイーヴィアさんが現れました。
■イーヴィア > (――ふと、道端で見かけるには珍しい相手
割合遠くからでも目立つその容姿に、視線を留めたのは致し方あるまい
小さな子供と向き合って、何を話して居るのかと暫し眺めていたが
――次の瞬間、子供が紙袋を抱えて、脱兎する。
あ、と、口を開けて、子供が掛けてゆく様を、その場で立ちすくみ見送っては
…ゆっくりと、可笑しそうに込み上げる笑いと共に、女の元へと近付いて行き。)
「―――――……見事に掻っ攫われちまったな?」
(響かせる、声。
少しばかり揶揄う様に、そう声を掛けては、其の肩にぽむと掌を乗せようか。
追いかければ、きっと簡単に捕まえる事は出来るだろう。
けれど、あの子供の様相を見る以上、そうする気は起きなかった。
王都の中でも、未だに貧富の差は大きく存在する。
女にしてみれば、至極運の悪い事であったろうが)。
■ロゼ > (右手のパンはまだ温かい。沢山買ったが、結局これしか残らなかった。
はふりと浅広くため息をつき、膝を持ち上げて裾の土埃を払った。)
「 んもう、いいわよ。 また買うから。 」
(小さく悪態をついたが、本心から怒っているわけではない。
だってまた店へ寄れば良いのだ―――それが出来ぬあの子が全て平らげてくれるなら、パンの方も本望だろう。
丁度その時だ。
真上から降ってくる聞き覚えのある声と、肩に落ちた岩みたいな触感の掌。
瞬きを伴って見仰ぐと、いつかの閨で出遭った男がいる。名は確か―――…、)
「 ……イーヴィア。 ……ううん、いいのよ。 あれは"あげた"んだから。 」
(そういう事にしてしまえばよい。
盗人の汚名を着るにはあの少年はまだ幼すぎる。
かぶりを振って静かに立ち上がり、これ一つ持ち帰るのも何だかしまりが悪くって ―――はむ、と白パンを食みしめた。)
■イーヴィア > 「……そうか、なら、腹いっぱい食えて、あのチビも本望だろうさ。」
(――少なくとも、今日一日は。 空腹に苛まれる事は無い筈だ。
女の方に、さほど憤りめいた感情を感じなければ
パンを食む姿を見下ろしつつ、ふむ、と少年が姿を消した方を見やって。)
「――――買い物に行くなら、付き合うぜ?
見逃しちまった詫びに、な。」
(――また、買い直しに行くのなら。
捕まえようと思えば出来たろう、けど、そうしなかった代わりに
用事があれば付き合うと、そんな提案を声掛けながら。
相手の肩から手をのけた後、辺りを見回し。)
「……この辺りでも、まだ物取りは多いからな。
分かっちゃ居るとは思うが、気を付けな。」
■ロゼ > (ほのかに温かい白パンの、ふわりとした触感がたまらない。
丁度小腹も空いていたしと、もう一口。
立ち食いなんてお行儀の悪いこも全然平気でする。
指の腹に着いた小麦の粉をぺろと舐めとり、おいしいとはにかんだ。
子供が逃げ去っていく方角を二人して眺め、視線を切り上げるタイミングも同じだったように思う。
見上げてしばし、太陽を逆光に遮る男を見つめる間。――思慮。)
「 っふふ、(破顔、) 確かに、貴方が横にいたら誰も襲ってこれないでしょうね。」
(戦いに疎い女とて分かる。
この男を相手取るにはよほどの手練れでないと難しいと。
可笑しそうに笑いながら、あと二口ほどになったパンをそっと持ち上げてみよう。
彼の口元へ、である。 )
「 じゃあ、買い物に付き合ってもらう駄賃よ、―――口を開けてちょうだい。」
食べかけを喰わせるなんて不躾だが、これも冗談の延長だ。
もし唇を開けてくれたなら、えい、と食みこませて合意のショッピングだ。 )
生地が白いせいで、女の唇紅が食み口に少しだけ移っている。
■イーヴィア > (用心棒代わり、と言う意味も勿論有るだろう
子供なら兎角、そうでない物取りも少なくはない
酔っ払いが昼間から絡んでくる事だって有るだろう
パンをかじりながら、機嫌良く笑う女に、此方も口元へ弧を描き。
――其の口元に、其のパンの欠片を向けられれば。 一寸瞳を瞬かせ。)
「――――……駄賃、ね。」
(ふ、と、可笑しそうに笑ってから。了承めいて口を開く。
相手が其処にパンを押し込むなら、其れを舌で受け取りつつ
――叶うなら其の瞬間、はく、と相手の指先まで捉え
その指の、表面にまぶされた粉までも舐め取る様に、舌を這わせ様か、と
合意の買い物には何の問題も無いが――そんな悪戯まで含めて
駄賃変わりだとでも、言うかに)。
■ロゼ > (唇に押し当てるようにしたパンが、男の口が緩む隙間に潜り込んでゆく。
瞬く男も置いてけぼりにして、下限からにこと笑った。
やがて観念したよう口を開けられると、迎え撃つ舌に指の節まで啜られる。
これには女の方も驚いて、ぱりくりと瞬き。
くすぐったくて、手の先をやや力ませながら動物じみた舐めとりに鼻から息を抜く。)
「 ッふ、ふ、擽ったい。 悪い舌ね、――全然おりこうさんじゃないわ。」
(粉まで綺麗にぬめ取られると、粗相を叱るような唇で彼の舌鋒をかりと掻いた。
そのまま側面を爪先でこそぎ、唾液腺のある舌の付け根に差し込んでみよう。
えづかれても構わないといった無遠慮さで、まるで喘いでみろと言わんばかりだ。)
「 駄賃におつりがきちゃうわね、 」
(にこり、見上げながらやや嗜虐的に微笑んで見せる。女の悪い癖。)
■イーヴィア > (おりこうさん、と言う表現が、何処か可笑しい
生憎ながら、そんな言葉に当て嵌まる様な男では無いと思うが故に
相手がくすぐったがる反応見せたなら、少しばかり悪戯っぽく口端を吊り上げるが
反撃めいて、その指先が舌の根まで押し当てられるなら
僅か双眸が細まり、ほんのわずかに、舌が引っ込められるような反射を見せてから。)
「―――――…っ、……ふ…。」
(指先に、舌を絡ませ、指の根元までを擦り上げる、負けず嫌い
柔く、居たくない程度に歯を押し当て、柔く吸いながら
女を見下ろす瞳が、まるで挑む様に。)
「――――……あのなぁ。」
(最中、少しばかり発音はあやふやであったろうが。
するりと片掌が持ち上げられ、女の目元を、親指で緩く撫ぜ乍ら。)
「……パンじゃなくて、御前さんを攫いたくなっちまうだろ。」
(買い物ついでに、なんて。 ――戯言めいて。
けれど、もう半分は――本気、めいて)。
■ロゼ > (太い舌が女の指をさも当然とばかり擽った仕返しに、彼が苦しむのさえどこかうっそりと満足げに見つめる。
舌の根、ぬめり唾液の泉が湧く其処を泡立たせ、――ぬ、――ぬと押す。
嗚咽や噎せの反射も愉しく見守ってやろうという魂胆である。)
「 …ん、……あたしね、」
(下から上へ見仰ぐ紫の目は、穏やかにまろみ、少しだけ炯々と輝いている。
世間話でも繰り出すような口調だが、指は大の男の口腔を弄っていた。
抵抗とばかり指の腹に歯列が押し当てられると、其れも言いつけを守らない犬を叱るみたいに、爪の先でがりと掻いてやる。
男は女に加減をしてくれているというのに、女の方にその様子はない。
やがて――ぬらりと抜き取ってやる。
唾蜜の糸がたらふく男の唇を穢したが、ぬめつき光るその様はどこか嗜虐を煽る色っぽさがある。
目元へ落ちた指節に、うやうやしく頬を寄せて小奇麗に咲った。)
「 さっきのあなたの顔、すごく素敵に見えた。
私、今は娼婦をお休みしてるの ―――でも、あなたが、
(その先は、小声過ぎて空気を孕み、男にしか聞こえないだろう) 」
■イーヴィア > (――散々に、指と舌とで、押し合いを繰り返し。
指先が僅か舌の根、深い所を押し遣るなら、其の時は
多少なりとも、呼吸がつかえ、眉根が寄せられるかもしれない。
女への抗議、と言う訳では無い、単純な反射。
犬としては、叱られたとて一向に反省する様子は無いけれど、も。)
「……物好きなこった。 ……休業中とは知らなかったが…。
……そうだな。 ……」
(――どんな答えを、期待されて居るだろう。
そして己は、どう答えるべきだろう。
色々と、逡巡する所は在るが、生憎ながら。 こういう時、最終的には
あまり深く考えずに、赴くままに答えを出すのが。 一番、後悔しない物だ。
耳元に寄せられた小さな声に対して、きっと、同じ様に小さく囁き返す
相手にだけ、聞こえるような声音で。)
■ロゼ > (余り微動しない眉間がしわがれた。
鍛えようのない箇所をこそがれたせいだろうか。
優越の熱だまりがふくよかな胸の内側で膨らんでいく。)
「 …物好きでもなきゃ、娼婦なんてやってらんないわ。」
(しれりと眉を持ち上げて軽口を叩いた。
何がしかの思慮を噛み潰す男の表情がうつろうを楽しそうに見つめながらだ。
白い肌に影を落とし落ちてくる唇に耳を寄せる、鼓膜を澄まして待つ数秒。
漏れ出た呼気はやはりくすぐったさから来るものだ。
先ほどより至近にある相手を見つめ、むと眉間に皺を寄せて、)
「 ―――あなたの方が力があるんだから、ずるいわ。」
(不貞腐れて胸板をとんと押し離そうとする。だが、完全な拒絶とはどこか気色が違うようだ。
踵を返しながら進む歩調はのどかで、男が後ろに続くのを待つような速度である。
繰り出す先は告げない。だって、ついてくればきっと分かる筈だから。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」からロゼさんが去りました。
■イーヴィア > (女の表情が、少々不満そうに変わる
相手が望んで、己が其れを無条件に受け入れなければ
きっと、女の望みは適わないだろうから――きっと、当然の反応、か
拗ねた様に踵を返すなら、微苦笑を零して
けれど、歩きだす相手の、其の歩調へ合わせる様に、ゆっくりとまた、己も歩みを進めれば。)
「なに、男ってのは、ズルい生き物さ。」
(仕方ない、と、そう言い含んだ後で。
其の後ろに続き、向かう先が何処であるとも問う事なく、ただ、ついて行くだろう――)
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」からイーヴィアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシルニアさんが現れました。
■シルニア > 冷たい風が吹き込む商店街。
青白く、冷たい月明かりを塗りつぶすかのような暖かい人工の光に照らされて。
私と同じように仕事終わりの者が多いのだろう、それらを客として引き込もうと、飯店の客引きがよく通る声で叫んでいる。
「んー、てきとーにパンでも買っていこうと思いましたが、お店で食べるのもいいですねえ。」
なんて独り言。あちこちから立ち込める良い香りに誘われふらふら。
だけれど私の足は、飯店ではなく、違うとある店の前で止まる。
「〜〜っ。いいなぁ。かわいいなぁ。
...でもでも、こんなものは私には合わないですよねえ。」
ショーケースにの中のマネキンを飾るのは、御伽噺に登場するような、少女趣味の小さなドレス。
爽やかな水色のドレスに、ふわふわフリルのあしらわれたエプロン。
それをじい、と見詰めたあと、飾り気のない自分のローブ姿を見下ろして、小さくため息をつく。
オシャレに興味はある。
けれど、衣服による自己表現をした事はなく、また色合いやデザイン合わせのセンス、なにより自身の容姿に自信がなくて、なかなか踏み出せないのだ。
「むう、いっそ買ってしまえば着るしかなくなるでしょうか。
でもでも...ヘンな目で見られたら嫌ですし...それに帽子も取るなら隠蔽魔法も...」
などと、ぶつぶつ、つぶやき立ちつくして。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシルニアさんが去りました。