2021/08/29 のログ
ティアフェル > 「見えることは見えるなら是非視てちょーだいよ。
 よく知らない教会の人に視てもらうよかそっちの方が安心よ」

 腕を組んで小首をかしげてみる。
 云ったことには責任をもってちょうだい、と迫る女。
 面倒な奴に面倒なことを云ったものである。

「……あなた、心底魔王とかもう辞めた方がいいよ……強く辞職を勧めたい……。
 そんな、知ってる人が困ってるところを助けてくれる魔王ってもはやどこが魔なのか問いたい。
 こう、通りすがってスルーする町人よりよっぽど自然に善行積んじゃってんじゃん……」

 多分割と騒いでいたので気づいた者もいるだろう。けれど実際に手を貸してくれたのが魔王とか、どういう治安なのか混乱する。
 頭の上で弾む手を見上げ、

「あら、そ? わたしも暇なもんで。
 ま、無理にとは云わないけど、若い娘の誘いには乗っとかないと『空気読めなぁ~い』とか、あとで七面倒くさいのよ~お気をつけ遊ばせ~」

 違うジャンルで面倒くさいムスメは軽くのたまって肩を揺らし。
 そういえば、犬から逃げ回ってたんでどこをどう走ったのか覚えていないが、ここはどこらへんだろう、ときょろきょろ見回して帰り道から探さねばなおとぼけ状態。

ムメイ > あー……俺からはそういうのは見えん。
つまり、なんだ。 俺としても、こう、非常に言いづらいんだが
お前さんは――そういうトラブルを引き込む星の元に生まれてる可能性が高い、諦めろ

(言葉を濁して察しないので、最早直截に言うしかなくなった。
本当に偶にいるのだ、そういう奴が。
そしてそういう奴程、自覚が無かったりするのだ。
自覚してもどうにもならない問題ではあるのだが)

辞職出来るもんじゃねぇんだよなぁ
……つか、単純に強いからなっちまったようなもんだぞ?
ま、そんなもんに拘りがある訳でも無いんだがな

(魔王ではある、あるのだが元々自我があってないようなものの取り纏め。
それも単純に強過ぎてそうなった、ただそれだけ。
基本的には気のいい奴、と言う感じである。
それだけに、不似合いなのかもしれないが)

おいおい、空気は読むんじゃなくて吸うもんだぞ?
それに酒はあんまり好かねぇんだ。
酒精は勘を鈍らせるからな、代わりに酒以外に何か頼むさ。

(そこまで言ってから、見回す様子に一方向を示した。
何処か判ってないな、と判断して)

あっちが大通りだ、次は迷子になるなよ?

(首をぐるりと回すと、彼女から離れて。
背を向けてから緩く手を振って、歩き出す。
騒がしいのも悪くは無いし、縁があればまたどっかで顔を合わせるだろう。
足早と言う訳ではないが、ゆるりとそのまま去っていく)

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からムメイさんが去りました。
ティアフェル > 「じゃあなんで教会で視てもらえなんて云ったのよぉぉお?!
 そもそも魔王に云われたかないのよー!」

 自分でも概ね察していたところをわざわざ指摘された。
 邪悪なところはあんまりないと思っていたが、変なところで邪悪な人だ。
 
「少なくとも魔王です、とか名乗るのよしなよ……。単に変な人だと思われるでしょ。
 ――はいはい、ほんじゃまた、機会があればー」

 酒は飲めない、自然に徳は積むはで魔王の片隅にも置けない魔王の示す指先を追ってこくりと首肯し、あっちか、と了解して。

「迷った先に何かあるなら迷うのも悪かないわよ。それじゃおやすみー」

 ひらひら、と手を振ってマイペースに帰路を探して辿る。
 宵が深まる街で行き交う酔客に紛れる軽い足取り。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からティアフェルさんが去りました。