2021/08/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にライツさんが現れました。
ライツ > 「お疲れさまっしたー」

と、一声を残して冒険者ギルドを後にしたのは、一人の少年。
少年は以来の報酬が入った布袋を頭上に放り上げ、頭のてっぺんで受け止める。中身の貨幣が涼しげな音をたてた。
数多に布袋を乗せ、瞳を受けに向けたままだというのに、通行人とぶつかりそうになることもない。
人と人の間を縫うようにすいすいと歩き、宿への近道である路地裏に入った。
頭を軽く振って、差し出した手の平の上に布袋を落とす。

「今回のシゴトは、まあまあ儲かったっすね。ちょっとばかし贅沢してもバチはあたらないかも」

人通りの絶えた路地裏で、独りごちる。
贅沢と言って思い付くのは、この後の遅い夕食を少し豪勢にする程度だったが。