2021/07/17 のログ
エインセル > 見上げる視線は、感情を含まない平坦なもの。こうした目を向けるのも慣れた。
甘えれば悪意を呼ぶし、疑えば怒りを買う。そんな環境で過ごしたが故のもの。
更に言えば、相手が何者だろうと少女からすれば関係ない。重要なのは、夜を凌ぐ術のみだ。
それ故、彼女の言葉には首を小さく傾げてみせつつ、コホンと一つ咳払いをして。

「ん、別に。不思議なことをする人もいるものだ、と思っただけ。
 何に納得したのかは知らないけど、懐が冷たい、と言うだけの話。

 それなら、食事と宿のどちらかを望む。もう片方はどうにか出来るから」

何が目的なのかは分からないが、相談に乗ってくれるならば、素直に話す。
特に隠す必要もないし、様子を観察すればどうせバレることだろうから。
なにせ、腹はきゅぅきゅぅ鳴っているし、こんな時間に着の身着のまま彷徨っているのだ。
ならば、単刀直入に要求を述べるのみ。条件次第では、喜んで取引することだろう。

エデン > 少女の複雑な思い、それを理解する術は無い。
ただ、少女は小首を傾げ咳払いをした後、現状の説明をしてくれた。
納得は確信となり、間違ってなくて良かった、とニッコリと笑顔を向けるのだ。
そして、改めたように、その少女の眼を真っ直ぐに見詰め。

「何か大きな買い物でもしたのかしら?
それとも、なかなか上手く稼げない?
何にしても、それはとても大変そうね?

良いわ、とっても可愛らしいお腹の音を聞かせて貰っちゃったもの、まずはご飯でも奢ってあげるわね?
お宿の方も、私と同じベッドで良いなら、私のお部屋にご案内するけど、どうしましょうか?
こうした出会いも何かの縁、せっかくだもの、色々と貴女のお話とかも聞いてみたいけど、どう?」

少し身を低くして、視線を合わせるようにしてそう聞いてみる。
此方は仕事を終えたばかりで懐は温かい。
元々お金を使う事も多くないのだから、少女を十分満足させても余裕はあるだろう。
例え、その少女がとんでもない大食らいであろうとも、だ。

エインセル > 彼女に自分の不運を打ち明けるつもりはない。
不運は最早少女にとって日常であるし、憐憫を買う趣味もない。
とは言え、使える手が差し伸べられた時に躊躇する程、間抜けでもない。
まっすぐと見つめ返してくる彼女には、せめて視線を逸らさぬことで誠意として。

「ん、その中だと、上手く稼げないのが合ってるかも。
 沢山稼いでも、いつもどこかに行ってしまうから……。
 
 ――私はとても大食らいだけれど、それでも大丈夫?
 寝床は、馬小屋よりマシならどこでも平気。部屋の床でも。
 楽しい話があるかは分からないけど、構わないなら甘える」

視線を合わせる子供扱いも慣れたもの。実際小さいのだから仕方ない。
彼女が是としてくれるならば、少女は素直についていくことだろう。
元より、収入源は冒険稼業。それでも足りなきゃ一晩に値を付ける身だ。
万が一彼女とそういう仲になろうが、それはその時。むしろタダより気分が楽だ。

エデン > 視線を合わせれば、少女は真っ直ぐに見詰め返してくる。
変わらない笑顔を浮かべたまま、彼女の返答に耳を傾けて。

「そう、それは大変そう。
機会があったら、お仕事ご一緒しましょうね?
それなら稼ぎは多いに越した事はないもの。

ふふっ、こんな申し出をしてるんだもの、そんな事を気にしなくてもね?
好きなだけ食べて、明日の力にでもしてくれたら私は嬉しいわ?
それからでも、どこで寝るかとかはお部屋で相談しましょう。
えぇ、たっぷりと甘えてね?」

こんな拙い会話でも、此方はとても楽しそうに話しているだろう。
こうして誰かと言葉を交わす事も、とても好きな事だから。
そして、そうしていけば、彼女がオトモダチになってくれる時も近付くのだから。

彼女の了承を得たならば、その手を取って自分の泊まる宿へと向かうだろう。
もっともっと、彼女と一緒に居たいし、お話をしたい。
もちろん、その後も…だけど、それはまだ先の話だし考えるには早いだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」からエインセルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」からエデンさんが去りました。