2021/07/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > 酔っぱらいも眠気に負けてテーブルに突っ伏す頃。
平民地区の裏通り、酒場や宿の勝手口や裏口が並ぶ比較的広い路地。
空の酒樽が脇に積まれ、建物と建物の間に渡されたロープに洗濯物が干されているような通路。
とある宿屋の2階部分から、褐色肌の冒険者が目元をこすりながら狭いベランダに出てくる。
まとった、素肌に一枚羽織るだけのリネンシャツの胸元を指でつかんではたはた、風を送りながら。
「あは……。王都の夏の夜は暑いなあ……。
んー……。夜風が涼しい……」
王都の熱帯夜に耐えかねて、夜風にあたりに来たのだった。
熱のこもった前髪をなでつけ、おでこに触れるわずかな冷気に頬緩め。
シャツの裾を腿のあたりではためかせ。
ぽつりぽつりと人通りのある、路地の様子を見下ろしながら涼をとっている。
■タピオカ > 「星がきれい。……いつの間にか夏の星座があんなに南に」
寝苦しいベッドの上でまとっていた薄汗が引いていくのを覚えながら、仰いだ屋根と軒先の間から見える夜空に星々が望める。
気づけば初夏から夏へ移ろっていた季節の輝きに、小さなベランダの質素な細い欄干に頬杖ついて瞳を細め。
「あといくつか依頼を受けたら、ダイラスに行こうかな。
夏は海辺で過ごすんだー。
……ふぁ……、眠くなってきた……かな……」
小さな未来の人生設計を思い浮かべていると、夜風が眠気まで運んできたか。
ほどよいまどろみを覚えて欠伸がひとつ。
裏路地のベランダから、宿部屋へと戻っていく細い背――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にナータさんが現れました。
■ナータ > 「あー……やばい、かも……」
長雨の夜。
平民地区の道を進む少女は俯きがちで。
幸か不幸か生地の薄いコートをレインコート代わりにして
濡れ鼠ではなかったが。
長雨の影響は、何も方策を願う農民たちばかりではない。
少女の仕事は日雇いの配達人。
つまりは定職ではなく、その日暮らし。
雨の影響か手紙などを送ろうとする者もおらず―――濡れては困るから―――ここ数日仕事がない。
コートのポケットに手を入れる。
チャリ、と質の悪い音が鳴る。
見なくても分かる。
宿代か、食事代。
どちらかを諦めなければならない状況。
少女はとぼとぼと歩き続ける。
そうして何が変わるわけでもなかったが、ともあれ時間をつぶしに、と。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にキルシュナさんが現れました。