2021/07/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 奴隷市場」にロブームさんが現れました。
ロブーム > 王都にも、奴隷市場はある。
規模こそ小さいものの、かといって人気がない訳ではない。
寧ろ、堂々とバフートに行けない者達が、お忍びで王都の奴隷市場に顔を出すなどということは、決して珍しいものではない。
まして、その奴隷が"違法"であるならば、入手のための旅行は短時間で済ませたいのは当然の事である。

『腕自慢から床上手まで、数は少ないが質は確か
奴隷商ロブームの奴隷売り』

そんな立て看板を前に出し、黒いローブの男が店前で売り込みをしている。
その前には、サンプルらしき幾つかの男女が店の前に整列している。

彼らの表情は様々だが、少なくとも幸せそうな者は一人もいない。
それは、勿論奴隷という自らの境遇もさることながら、その境遇に陥った原因が、魔族たちの奴隷になったという、理不尽極まりない理由に依るものだろう。

「さあ、皆さんどうか見ていってくだされ。
どれもこれも、中々の上物ですぞ――」

彼は、戦争や襲撃で魔族達が捕虜にした者たちを魔族たちから買い取り、それを王都の人間に奴隷として売りつけるという方法で金を稼いでいる。

表にこそ、出していないが、彼に一言声をかければ、どこぞの国のお姫様だとか、或いは軍人だとか、そういう要人さえ取り揃えている。
もしも、彼らの知り合いが此処を突き止めれば、或いは男は検挙されてしまう恐れさえあるが、彼はそれは気にしていない。
どころか――その大胆不敵な笑みは、何処かそれを望んでいるようですらあった。