2021/06/21 のログ
■シロナ > 「は!」
そして、思い出したかのように顔をあげた。実際に思い出したのである。
最近、実家に言っていた―――トゥルネソルの方の実家に出ていた母親の嫁である、ラミス女史が帰って来た。
彼女とリスの間にも娘が居て。
しかし。
「……ルミスとリミスだっけ……。」
また、双子であるのだけど、片方は何というか、既に大人、なのである。確か25歳程度の外見だったか。
それはいいのだけども、新しい妹と言うのも問題はない。
歓迎してあげなければいけないだろうし、あと、フリフリの可愛い服装を着せたりとかどうだろうか。
想像してみる、外見ではあるが、年上の女性を着せ替える自分。
可愛らしい服を着る、外見は大きいが、妹。
「……あり、……よりの、あり……?なし?」
うむむむ、次女は、思い悩む。
実際に当人が目の前にいれば、もう少しいろいろ考えられただろうが。
実はまだあって居ない、なので、何とも言えないのだ。
ただ、こっちに来ている、だけど、学校には通わないらしいし、さて、如何接触したものか、と。
■シロナ > 「………どのみち、お小遣い……っ。」
そう、お小遣いが足りない、絶望的に足りない。理由は簡単に、着せ替えを考える相手が多すぎる。
それもこれも、誰のせいかと言えば、リスと言う名のドラゴンである、節操なしだ。
未だ増えるとか、思うと、正直どうすればいいのだろう、と言っても、それをシロナが悩んでもリスが辞めるとは思えない。
あれは、恋に、生きる雌なのだ。
取り合えず、お小遣いを何とかしなければいけないと、思うのだ。
「ラファルちゃんのように……こう、自分で依頼を受けられるような冒険者に成るのが良いのだろうか。」
今は、コクマー・ラジエルで学生をしてはいるが、叔母のように冒険者をするというのも。
と言っても、姉も、母も冒険者をしている。
商売か、冒険者か、という家族になって居るような気がしなくもない。
お金が欲しい、可愛い服を買ってあげたい。
「……むぅ。」
ただ、安易に冒険者、と言うのはと思うのだ。
と言っても商人になるのもと、少女は思うのであり、お金が欲しいが何をするべきだろうか。
うーん、うーん、と腕を組んで悩む。
お小遣いが欲しいし、服を買いたいし、しかし、冒険者は……。
「でも、何で、冒険者?」
そこに一番最初に出るのだろうか、と。
■シロナ > 「とりあえず……っ。」
それでも、諦めきれないのか、ショーケースの中の可愛らしい服とか、綺麗な服、とか。
そう言ったものを、もう一度視界に入れて、じっと見つめてしまう。
こういう物を、もっと見て居たい、と少女は思う。ほしいと思う、着せたいと思う。
着たいとは―――思わない。
美少女は、もっと美少女であるべきなのだ、とそれが、シロナの考え。
自分を美少女の枠に入れるつもりはないのだ。
「堪能したし、帰ろう、かな。」
ふう、と満足そうに軽く息を吐き出してから、シロナは周囲を見回す。
知り合いとか友達とかはいないことを確認してから。
其のまま、商店街を去っていくのだった―――
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からシロナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 加盟している商人組合の会合を終えた帰り道。すっかり夜も更けていて、大通りの雰囲気も昼とは違ったものになっている。すれ違う人からお酒の匂いが漂ってくる事が多く、客らしい男性を連れてどこかへ消えていく娼婦のような女性の姿も、ときどき見受けられた。
同性の目にも色香を纏っているように感じられる女性たちを見ていると、すこしだけ羨ましくなる事もあった。豊かな肉付きを強調するようなものだったり、煌びやかな装飾が施されたものだったり、そんなドレスを身につけて堂々と夜の街を歩く姿には憧れをおぼえる。
「いいなあ…」
娼婦になりたいわけではないけれど、自分にももうすこし、ああいう大人びた雰囲気が備わってくれないかと思う。それでも自分の胸元を見下ろしてみたら寂しくなるだけだから、溜息を吐いて、儚い願いを切り捨てるようにかぶりを振った。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 夜も更けて、目抜き通りの雰囲気もその時間に適したものにすっかりなっている。
このあたりはどうも娼婦が多いのか、きらびやかな衣装が目を引く。男を連れ歩くもの。
客を探し誘いをかけるもの。そして、ただただ待つように立つもの。
そのあり方は様々ではあるが、大通りらしく、だれしもが衣装にもこだわっている。
そんな中で、ひときわ目立たない人影。こんな夜の雰囲気にはおおよそ不釣り合いな少女の姿が見えた。
「なにがいいんだ?」
歩み寄った少女は、何かを羨むような声を上げたところだった。
見知った少女だったため、気安く声でもかけようとしたのだが
なにやらため息を付く姿。
思わず首を傾げてしまう。
■ミンティ > あらためて前を向き直し、これ以上遅くなってしまう前に先を急ごうと足を踏み出したのと同時に、背後から声がかかる。振り払ったばかりの思考について問いかけられたから、そんなに大きな声で独り言を言ってしまっていたのかと思い、あわてて振り返る。
見知った顔の少年が首をかしげているのが目に入り、あ、と小さい声をこぼして。
「……こん、ばんは。…ええ、と。……その、大人っぽくて、…いいなあ…って」
ちゃんと相手の方へ振り向いてから、ぺこりと頭を下げる。
自分がなにを羨んで見ていたのかを明かすのはすこし恥ずかしく思えて、眉を下げた。けれど隠すほどの事でもないから、また娼婦らしい女性の方を見てから、小さな声で先ほどまで考えていた事を伝えて。
■ブレイド > 振り返った少女は慌てた様子。
驚いて声を上げる姿には笑ってひらりと手をふる。
久しぶりに出会った少女は、以前と変わらない様子のようで、大人しげ。
過剰に驚かれなくなっただけでも、精神が太くなったと言えるかもしれないが。
「よう。ん?ああ、なるほどな」
挨拶を返しつつも、ミンティの言葉に視線を巡らせる。
娼婦たちの姿をみれば誰も彼も、メリハリのあるからだに派手な衣装。
夜の蝶とはよく言ったもので、その姿を羨んでいたらしい。
「ミンティもああいう服着てみるか?意外と大人っぽくみられるかもしれねーぜ?」
少女は小柄で線も細い…いや、胸が控えめなだけで下半身はどちらかと言えば大きい方なのだが。
自分が言うのも何だが童顔なあたりもあって、彼女自身もあのような服が似合わないのはわかって
先程のようなため息交じりのつぶやきが漏れたのだろう。
しかしながら、素質は悪くはない。着飾ってみれば割と似合うかもしれない。
■ミンティ > 目元を強調して、唇を赤く染めたメイク。暗い夜道でも存在感のある華美で煽情的なドレス。大人の女性の色香を強調した姿は、背も低く顔からもまだ幼さが抜けきらない自分にとっては、とても手が届きそうにないものだった。
努力だけではどうにもならなさそうな部分が多いから、諦めの気持ちになっても、あまり落ちこみはしなかった。
「……もう。ひとごとだと思って。…似合いませんし、おかしくなるだけです」
自分には似合わないだろうと早々に結論を出したのに、少年の口から挑戦を促されて、困ったように眉を寄せる。他人からそう言われると、もしかしたらという部分に希望を持ちそうになってしまうけれど、もう一度先ほどの女性に目を向けてみても、あのドレスを着こなせる自分はやっぱり想像できなかった。
そもそも着飾る自信がないから、何着も同じ服ばかり買って、毎日同じような装いばかり続けている。そんな自分が違った服装をしている様子事態が、想像しづらいものだった。
「背も、ぜんぜん足りないですし……」
ああいう女性と並んで立つと、胸元以外にもいろんな部分で見劣りしてしまうだろう。彼女たちはヒールが高い靴を履いているから、より背が高く見えているのだろうけれど。
■ブレイド > 言ってはみたものの、似合わないしおかしくなるだけという彼女の言葉もなんとなく頷ける。
幼い少女が背伸びをしてみたという空気が抜けないだろう。
小柄な自分よりもいくらか背が低い少女は可愛らしいという印象。
大人っぽいとか妖艶だとかそういった雰囲気をまとう姿は流石に自分にも想像が難しかった。
「はは、まぁミンティにゃミンティで、似合う服くらいあるだろ」
娼婦のようなきらびやかなドレスは似合わなくとも、可愛らしさを強調するような服装や
下半身のラインを魅力的に見せるパンツルックなど。顔はいいのだからそんな卑屈になる必要もないというのに。
自信がないのはいつもどおりではあるが。
「背のことを言われるとオレもなんとも言えねぇがな…」
自分も小柄で、舐められることが多いことを思えば、ないものねだりをしてしまう気持ちもわからなくはない。
だが小柄なミンティは、女性。
女性であれば、小柄な方が魅力的であると思うものも多いだろう。自分も含め。