2021/06/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」にシロナさんが現れました。
シロナ > 商店街、様々なお店が連なっている、マグメール一番賑やかな場所。
 色々な人が行き交い、楽し気に買い物をしたり、恋人同士でプレゼントを買いあう人も居れば、本日の食事を買う奥様もいる。
 冒険の装備だ、と武器防具を買う精強な人もいれば、何やらきょろきょろと、周囲を気にしすぎるぐらいに気にしている人もいる。
 そんな色々な人が居る商店街の中、白い髪の少女が居た。
 髪の毛に、ちょこんとフェルト地のベレー帽をかぶり、緑色のワンピースを着て、腰に大きなショルダーバッグを付けている。
 ワンピースから除く肌は褐色で、快活さを連想する少女、服の上からでも判る、女として成長途中の肉体。
 少しずつ、少しずつ、色気という物を作り上げていく最中と言うべき少女。
 真剣な目で、深紅の眼で、目の前のショーウインドウを眺めていた。

「んー……。あれも、捨てがたいし、これも、良いし……お小遣い、足りない……。」

 そこに飾られているのは、可愛らしい服装に、其れを彩るアクセサリー。
 女の子が好きそうな、服飾店であった。
 実家と言うか、トゥルネソル商会で、買えばいいと思うだろうが、専門店には敵わない。
 リスは、母親は、祖母や祖父もそうだが、広く浅く、なので、矢張りいい物を探すとなると、商店街となる。
 そして、眼鏡に適う物が見つかるのだけども、お小遣いと言う壁。
 やりくりするけれど、買えるのは矢張り―――限度がある。
 あれを、プリシアに、これをフィリに、これをおねー様に……。
 どんなふうに、姉や妹を着飾らせるか、それが、次女のひそかな趣味だった。