2021/05/30 のログ
ラファル > 「ん、判ったよ?じゃあ、ボクが乗せてあげる。」

 夕食の時間に近しい今時分、そして、姪の運動神経は、悲しいかな母親のリス譲りな所もある。
 それなら、と、帰る事を伝えてくれた彼女に笑いかけて、幼女は黒猫から離れた所に降り立って。
 そして―――変化する。

 人の姿ではない。人竜の姿でもない。
 其処に有るのは、緑色の鱗を身に纏った、ドラゴンパピー。
 それでも、十分に空を飛ぶことの出来る、竜である。

 姪だから、家族だから。
 竜は背中に滅多に熨せないと言うが、特別な関係の子だからこそ。
 彼女を背に乗せて、夕飯に間に合うように帰る。
 流石に、全力の超音速は出さないし、出さなくても間に合うので。

 家に帰れば、久しぶりの家の中、竜になった事で裸のままに食堂に行って。
 プリシアちゃんと食事をして、それが終われば部屋に戻って寝るのだった。

 たぶん、見てれば、黒猫と同じような動きだったことが、判るだろう。
 そんな性格なのだ、と―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からラファルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からプリシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアリシエルさんが現れました。
アリシエル >  平民地区の冒険者ギルドを訪れた。まずはカウンターで登録。笑顔の素敵なお姉さんが登録してくれた。わたしを見て微笑みながら両手を添えて仮の登録証になる身分証を渡してもらう。

 受付のお姉さんには笑顔を返したものの、緊張した固い顔のままわたしは待合部屋の依頼を見ている。薬草の採取とか、簡単なものがないか見ながらわたしの顔は曇っていく。今は結構危険な依頼や、パーティでの討伐のようなものが多いようで、ソロの治癒士でできるようなものはない。すこしため息をつきながら横の壁に目を移す。そこには、冒険者というよりも臨時雇いの募集が並んでいた。

 十代の女性というのは募集が多くて、これなら当分は王都での臨時雇いとして働いていけば、そのうちパーティに誘ってもらえれば、治癒士の仕事もできるようになるかな。と淡い期待を持ちながら眺めている。

アリシエル >  一人で掲示板の前に佇むわたしにギルド職員のの方が話しかけてくれた。初心者用の訓練などもしてくれるそうで、今夜は無料にしてくれるということなので二階の宿泊部屋に泊まらせてもらえることになった。

 男の職員の人の後ろをついていく。階段を上るときに、前の人の足音の響きに比べて、わたしの足音はほとんど響かない。ギルドは体力のある人が多そうだし、喧嘩の強そうな人も多かったからだろうか。階段や壁、廊下の作りが頑丈にできているように見える。小柄なわたしはなんだか、ここの雰囲気の中でわたしの存在は軽いような気持ちに思える。案内された部屋は簡素だった。なにもない。ベッドだけしかない。床に置いている籠に服なんかはいれるんだろうか。

 コンコンと壁を職員の男がたたく、ほとんど音が響かない。ニコリと笑顔を向けてもらって隣に音が漏れないからプレイべートも大丈夫だよと言われると、なんだか赤面してしまう。別に大きな音を立てたりすることはないはずだけど。男が出ていったあとはわたしはベッドに座ってぼっとしている

アリシエル >  バッグの中を見て、所持金が少ないのを確認して心細くなる。

 「早く、仕事見つけなきゃいけないなぁ。」

 自分に言い聞かせるようにしながら、今日はもう疲れをとることにした。王都への旅では結構無理したりもしたし、到着してすぐにギルドに来たせいもあったからか、ベッドに座ってるだでもう体が動かないような気持ち。

 立ち上がって、ローブを外し、ブラウスやスカートを脱いで全部畳んで籠に入れた。下着姿のそのまま固いベッドの布団の中にもぐりこんだ。

 だれに言うのでもないけれど小さな声で

 「おやすみなさい」

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアリシエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 王都に幾つか存在する冒険者ギルドの支部の一つ。
とは言うものの、その実態は冒険者が客として集まる酒場兼宿屋であり、
申し訳ない程度に店内の掲示板に日銭を稼ぐための依頼文が貼られているに過ぎない。
それでも、1階の酒場では冒険者を始めとした荒くれ者や、彼らを相手に春を鬻ぐ娼婦、
その他にも飲食の為に訪れた一般客達にて相応の賑わいを見せていた。

その賑わいの中心、客達がそれぞれの卓にて同席の身内や仲間と思い思いの
時間や食事を愉しんでいる中で、独り、周囲の卓の客にちょっかいを掛ける中年男の影が一つ。
本来であれば、嫌われそうな行為であるが、誰も文句を言わず、また、店主も黙認する理由は至極単純で。

「いやぁ、運が良かったぜぇ。冒険の最中にコカトリスの卵を見付けてよぉ。
 貴族の美食家が高値で買ってくれたぜ。アレは鶏と蛇のどっちの卵なんだろうな?
 と、んん?グラスが空じゃないか? マスター、こっちの人に俺の奢りで同じのもう一杯。ほら、乾~杯~♪」

等と、傍迷惑ながらも、明快にて、周囲の客達に見境なくも奢りを振る舞う故。
奢られた方は多少困惑するも、ただで酒が飲めるとあって強く文句を口にする事もできず、
店主も彼のお陰で儲かる上に支払い許容額も抑えている為に、この行為を見て見ぬ振りをする始末。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアリシエルさんが現れました。
アリシエル >  少し日が暮れてから部屋に戻ってきた。昼間は花屋の臨時雇いで配達にも行って疲労感もある。だけど今朝、ギルド職員の人との話で夜の酒場を手伝えば、二階の部屋は当分無料で使っていいことになっているため、すぐに準備をする。白ブラウスと黒のスカートに着かえて、どたばたと階段を降りて、ギルド職員にあいさつすると、厨房に行くように指示された。

 「これを着て」

 渡されたエプロンを頭から被る。エプロンの布の襞がまっすぐになるように手ではたいて、髪が乱れていないか、両手でツインテールの根元を掴んでそっと流していく。ホッペをパンパンと叩いて


 「がんばります」
 「何すればいいんですか」

 ドンと大きな音がしてカウンターの上に数杯の大ジョッキのエールが乗ったプレート。これをテーブルに運べばいいらしい。

 「あの大声を出しているテーブルだ」
 「それとプレートは片手でバランスを取りながらもっていくんだ」

 いわれる通りに大ジョッキの乗ったプレートを片手で持つとたどたどしくふらつきながら、後ろから見るとお尻を振っているような感じになりながら、わたしはテーブルまで運んでいく。

 「お待たせしました。ご注文のエールです」

 テーブルの人たちに笑顔を向ける。
 

トーラス > スタイルの良い少女が酒を運んでくれば、荒くれ者達の注目を浴び、
冷やかしの声や口笛が吹き鳴らされて店内の盛り上がりに拍車を掛ける事だろう。
それはお捻りやら更なる追加注文を呼び込み、売上に多大な貢献を与えるに違いない。
そういう意味では彼女の事を宿代を引き換えに雇い入れたギルド職員は慧眼で。

「おう、有り難うな。お嬢ちゃん。こいつはチップだ。
 そら、乾杯乾杯ー♪」

運ばれてきたエールを受け取れば女に礼を述べて、ジョッキを受け取り、
憐れにも付き合わされる事になった男性と何回目になるのか分からない乾杯を交わす。
賑やかを超えて、騒々しい彼等の宴は未だ終わる気配を見せず――――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からトーラスさんが去りました。
アリシエル > 「わぁっい」

 人生初めてのチップをもらって、コインをぎゅっと握りしめたまま、その場で飛び跳ねる。ふと視線の端に入ったのはテーブルの端でグラスを振り回している男。右腕に包帯を巻いているけれど、すこし腕が歪んでいる。

 「あっ怪我してるじゃないですか」

 血の滲んだ包帯を巻きつけている男の腕をとると、歪みの中心の関節部分を力強くつかんだ。顔を歪める男。掴んだ部分から魔法陣が球状になって次第に大きくなっていく。腕そのものを包み込むぐらいな緑の光が次第に黄色から白に変わる。わたしはじっと彼の腕を掴んだまま、正常な腕の形と今の異常な状態、怪我をした状態の違いを感じるように、そして、正常な腕の状態へと戻るように力を流す。わたしのお腹の下あたりからこみあげてくるものを腕を通して、男の体に流して戻ってきた流れの違和感をすこしづつなくしていく。この流れは数年前までは時間がかかって、いたけれど今の私には数秒の出来事でしかない。

 光の色が変わって、粒子が跳ねるように光が消えた。怪我がまるでなかったかのような腕を表裏見比べるような仕草を男がしている。目を見開いて驚いている。

 変だな、王都の冒険者ギルドなら、このくらいの治癒なら結構だれでもできると思ったのに。

 ぎゅっと男に抱き着かれて、頬ずりされながら感謝されて、わたしは顔を歪めながら後ずさっていく。

 「あの、お礼なんて、結構です。別に普通のことなんで」

 マスターの呼ぶ声だ。

 「はーい、すぐに戻ります」

 

アリシエル > 「はーい、おまたせー」

 カウンターからテーブルへ往復していく。次第にプレートを持つコツのようなものがわかってきて、指に力を入れると結構バランスよく持てるようになった。ただ、歩くのは別でやっぱりふらついてしまう。

 「おーい、こっち、こっち、こっちも持って来いよ」

 お客さんの声に返事をしながら、注文のテーブルにジョッキやグラスを置いていく。グラスを全部テーブルに置いたとき、そばのお兄さんに腕を掴まれる。ビクンと体全体を震わせれば、すこし目の回りだけ赤い顔になっているお兄さんはジョッキをグイと差し出す。

 「俺の奢りだから飲めよ」

 「無理、あたし無理なんです。本当に」

 回りが一斉に手拍子を始めてしまう。どうしよう。こんなの。本当に飲めないのにすぐ酔ってしまうのに、でも気持ちを固めて、ぎゅっと胸の前にこぶしを固めて、ジョッキを持つ。

 「じゃ、いきます。アリシエル飲みます」

 一気に喉に流し込んだつもりが逆流するみたいで入らない。三度目、四度目でなんとか流し込むことができた。すこし息をついて、溜息みたいに長く息を吐きだす。

 「戻らなきゃ」

 すこしふらつきながらカウンターに戻っていく。後ろの男たちの声が大きくなっていた。

アリシエル >  お酒を飲まされて、ふらついている私をマスターは苦い顔しながら見た。今日はいいから、と言ってくれて、わたしはエプロンをするりと外して、カウンターに置くと、ふらつきながら部屋へと階段を昇って行った。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアリシエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にトリシアさんが現れました。
トリシア > 長く街道を歩いた末にようやくたどり着いた街。
入り口の門で話を聞いた限りではここは王都と言っていたのだが到着した時間は少々遅く。
日中ならば人で込み合っていたと思われる通りの人も疎ら。

「この時間から観光は無理だし……先ずは宿探しか食事になるかな」

出来れば先に街中を見てみたかったのだがこの時間ではほとんど見る場所はないと考え。
それならば観光は明日にするとしてやる事は宿探しと食事が最優先。
しかし勝手の分からない街なので何処が良いかなどは全く分からない。
もう一度門に戻って尋ねる事も考えたが、兵士の職務の邪魔をするのも悪いと考え、
明かりのついた店ならば酒場か宿だろうと考えて少しでも人の多い場所を目指して歩き始める。

トリシア > 「あの店は…酒場だね。よし」

流石に見知らずの者が話しかけても不振がられるだけと自分の足を頼りに歩き。
何軒か見つけた明かりのついている店の一軒に近づきそこが酒場だと判れば安堵の息。
ここで食事をとってから宿を探そうと扉を開け中へと入って…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からトリシアさんが去りました。