2021/05/23 のログ
ティアフェル >  その職業特有の白衣ではあったがヒーラーとバレていないのはむしろありがたい。
 このままできるところまで黙っていようとしみじみ思う。

「いやー……判った。自力でも魔法でも忘れてくれそうにないっていうのはようっく、判った。
 ……諦めたよ……忘却は偉大なる時に委ねよう。
 ………ううん、この状態も回復魔法でも薬でも……だめなのよ」

 そういうものなの、と上手い説明もできないままに曖昧に笑って肩を竦め。
 微熱を発する額を抑えて、まだ晴れない顔色なので、お茶の相手には辛気臭いし嫌がられるかも知れない、と思ったが……、相手は軽口交じりに応じてくれた。
 ほ、と安堵して表情を緩めながら、

「っふふ、姫か……いいねえ、にやけちゃうわ。くふふ。姫ぇー……
 そういうあなただって抜群に美人さんだよ」

 どちらかと云えば日常は姫どころか対照的にゴリラと称されること多数。
 そのような呼ばれ方はこんな体調にも関わらず気分上昇効果があってにやけていた。
 姫、と確かめるように口にして弛緩したツラは微塵も姫じゃなかったが。

「えへへ……恐縮ですわ。では参りましょ」

 蒼白気味なから緩んだ表情で差し出された手を取り、背の高い女性にエスコートしてもらうのはふらつきがちな足取りでは素直にありがたくて軽く握り。
 繁華街の裏路地から細い道とも云えない建物の隙間と隙間を抜けて表通りに出ようか。

エストレーラ > 何で知らないか。答えは―今日未明明け方にこの国に入国したばかり。
冒険者ギルドとか―ギルドに登録してその辺をうろついたくらいで、全部が全部の知識を仕入れていなかったからだった。
その内気づくかもしれないが今は彼女がヒーラーなのは分からなかった。よかったね。

「魔法はしょせん魔法だからな 魔力によって媒介を通して発動する時点で、
 人には使えるだけで恐ろしいものなんだ、忘却魔法、全てを忘れたら廃人まっしぐらでは。
 そうか。そうなのか」

そうなのか、と言った後は特に何も突っ込むことをやめた。
フードを被ったまま胡散臭い何者になっていたけどそろそろ外してもいいかとフードをぬぐい下ろす。
ばさりとツインの髪の房を下ろし首と頭をほぐすようにこきこきとしてから、

「男なら殿だった。女ならお姫にしてる。
 そうかな?そうだといいな、ただな、あまり興奮すると弛緩しているから鼻血出るらしいぞ?」

はっきり一言多いのが痛かった、ふらつく様子に立って移動するのがダメかそうかなら―!
ひらりと彼女をお姫様抱っこを仕出かしてそのまま繁華街の裏路地から表通りの人の中へと
一種の晒しプレイ(笑)の様に手近な店へと直行し暫く茶を楽しんだとか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエストレーラさんが去りました。
ティアフェル > 「そ。じゃあ問題ないわ。わたしはそんな魔法は使えないから」

 忘却魔法は、だが。
 魔法に関しては否定的な考えを持っているのだな、とくらい認識して軽く首肯し。
 それから、姫と呼ばれただけで浮かれ気味だったか的確に速やかに水を差してもらったので、

「っふ……今日は水をもらってばっかりのようだわ。ぜひともお返ししとかなきゃね……」

 などとシニカルな笑みを浮かべて呟いていれば、急に横抱きで運ばれ、うわわ、と慌てていたが。
 人目はともかく楽だな、とそこに得心したように無抵抗であった。
 遅い時間でも開けている店を見つけると水のお礼としてお茶などを勧め、そうしている内に体調も大分落ち着いてきて。頃合いとなると適当なところでお別れを云うのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレイさんが現れました。
レイ > 「んー……やっぱりこういうのは持ってると箔が付くよね」

見回りという地味な仕事の最中に通りかかった一軒の鍛冶屋。
店頭に展示された魔法金属製の剣を見ればつい目を奪われて足を止めてしまう。
実家を頼れば簡単に買えるだろうがそれで意味はなく、自分で買うならば何時になるか。
しかし目標としては丁度いい物でもあり。

「今の調子なら年内に手が届くかもしれないし……うん、頑張る目的にはなるよね」

予算が溜る頃には売れてしまってないと思う剣。
例え買えなくても頑張る目標には良いと決めれば前向きになれ。
目標が決まれば即行動…とはいかず、仕事中だがもう少し見ていたいと剣を眺めて。

レイ > 「あ、そろそろ仕事に戻らないとね」

剣というのは見ていればずっと見ていることが出来る。
ただそれで仕事を忘れてはいけないと我に返り。
続きも頑張るぞー!と歩いて去っていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレイさんが去りました。