2021/05/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区・冒険者ギルド」にルインさんが現れました。
■ルイン > 本業を行い、ギルドで仕事を受け、そしてプライベートでは気まぐれにあちらこちらにと散策をしたりする日々。
今日はギルドで簡単な仕事でも探そうと足を運んでは早速に仕事を探そうと掲示板へと向かい。
「簡単な仕事はありませんね。出払うなんて珍しいです」
普段ならば新人向けといった仕事はそれなりに残ってはいる。
しかし今日は不思議とそういう仕事はなく、代わりに中堅や熟練向けの仕事が目立つ。
中堅向けならば受けれなくもないが単独では面倒だったり日帰りが難しそうなものばかりとなれば選びたくはない。
なのでその日に終わらせることが出来る新人向けを探していたのだが今日に限り見かけれず。
「困りましたね。後から出てくるといいんですけど…」
最近はあまり遠出はしたくなく、新しい仕事が出てくれば…そう考えて少しわきによけて掲示板を眺め続ける。
ご案内:「王都マグメール 平民地区・冒険者ギルド」からルインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > ざわざわ
がやがや
繁華街の喧噪が程近く響く細い裏路地。
ぺた、と店舗の裏手となっている右手の壁に手をついて、ふらつき気味の足を止めた。
そして深いため息。
「………だめだ……身体が……」
我知らず零れる独語は疲労感が滲んで小さく掠れ、宵を照らす薄明かりにほんのりと浮かぶ顔色は蒼褪めていた。
支えるように手をついていた壁に、やがて肩を預けるように凭れながら俯き加減に額を抑え。
「魔法……使い過ぎか……」
指先が冷たい癖に額が熱を持っていた。
滅多にないことだが数日に亘って魔法を行使し過ぎると貧血のような症状と頭痛、発熱が起こることがある。
他の魔法使いはどうかは良く知らないが、時折そうなる体質であってそれは月の満ち欠けや生活リズムにも起因しているのかも知れない。
はっきりとはしないが、ともかくそれは回復魔法や薬の類ではどうにもならなくて、一度なってしまえばいつ回復するのかは自分にも読めない。
郊外を探索中の際ではなく街中、ででまだ良かったかも知れないが……こんな人気のない小路でとなると……、
「――ちょっと……やばい、かな……」
心無い者に出来心を抱かせそうではなったし暴漢の類には手頃な状態である自覚に、くずおれそうになる足を辛うじて肩に持たせた壁で支え。
はあ、はあ……と乱れた呼吸、額からは薄っすらと汗を滲ませ。
■ティアフェル > 大人しくして刻が行き過ぎるのを待っていれば少しは落ち着いてくるかと思ったが……。
「っふ……は、ぁ……」
眩暈がする。立っているだけでも辛い。
呼吸も苦し気に乱れて状態は悪化の兆ししか見せなかった。
「……やっぱ、だめ……」
ついに立っていられなくなり、耐え切れなくなったように震える膝が折れ、路地裏の途中で蹲ってしまう。
元来小柄な上背をさらに縮めるように小さくしてぐるぐると渦を巻く霞んだ視界から逃れるようにぐ、と瞼を閉ざし。
「はあ……、やだ……どうしよ……」
熱を持たない冷たい指先を裏腹に熱く火照った額に当てて途方に暮れた声で呟く。
二日酔いの後みたいに自棄に喉が渇いて、水筒のひとつも持ち合わせのないことが悔やまれる。
カラカラになって唾液も出ずに乾いて空気を吸い込んだだけで口の中がさらに乾燥していくように感じた。
水が欲しい、できることなら買いに行きたいが全身から血の気が失せたように力が入らず立ち上がることも困難に思える。
いっそ、溜まった雨水でも…と思えるくらい逼迫し、霞んだ視界でどんよりと暗い路地を探した。
「水……」
零れ落ちる渇いた声は、まるで砂漠の遭難者さながらで。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエストレーラさんが現れました。
■エストレーラ > 薄暗い路地裏の奥から襤褸布を頭から被った胡散臭い人影が通り掛る。
その人影はとある丸まったように蹲る人に気づくと興味本位に近づき少し屈んで見下ろす。
こんなところで腹痛でも空腹のあまり倒れてしまったかとそれとも違う理由?
余りが少ない路地裏ではフードに潜む顔は見にくく喜怒哀楽を映していない視線はまさしく無。
ぶちっと腰に下げていた防水加工の施された布袋を取り出すと徐に蹲っている人の前に置いて様子を見たい。
「水 飲む?」
ぽつりぽつりと言う様な声で砂漠の遭難者よろしくな人影へと問う。
■ティアフェル > 「……ぇ……?」
汚れた路地の濁った雨水すら啜りかねない有様で霞んだ眼差しとぺたぺたと這わせた掌で水溜まりを探していたが、不意にその前に置かれる水袋。
誰かが近くに来たことすら、まるで気づいていなかった。
袋を置いた手の先を見上げると屈んでいても女性にしてはすらりと長身に見える長い髪の女性……。
勿論見覚えはなかったが、彼女が口にした言葉を遅れて理解すると、こく、こくと首肯を繰り返して見せ。
お礼を先にゆう余裕もなくて、ぺこり、と声にする代わりに辛うじて会釈して、震える両手でたぷん、と不定形な液体を内包した袋を取り。
「んっ……」
急いた指先で蓋を取ると喉を鳴らしてごく、ごく、といきなり一息に飲むことはできなかったが、一口一口渇いた身体に染み渡らせるように嚥下し。
「っふ、は、ぁ……」
しばらくして半分ほど中身をいただくと大きく落ち着いたような疲労したような微妙な溜息を吐き出した。
■エストレーラ > 路地裏の水は飲みなれている者たちならまだしもそうじゃない者が飲んだら病気になるかその手前まで行く。
結論言えば路地裏のたまった雨水は飲んではいけない。降っている雨水は侵されていないので大丈夫。
見知らぬ女性に施しを与えてみた襤褸布を纏った女は、じっくりと飲んでいる女を見下ろして
どうしたのかとじっとフード下の眼で眺めてた。
「落ち着けばそれでよし」
街中なので大剣はなく、普段の服装にその上から襤褸布を被っている怪しい人風な今のミテクレ。
そんなのが水の入った布袋を施したというどこからどう見ても怪しい。
■ティアフェル > 渇いて渇いて、枯渇しきった状態特有の――後先もなりふりも構わず水を求める行為は、与えてもらった水袋ひとつで抑えられたけれど。
汚水すら、誰かも判らないし何を混入されていてもおかしくはない水ですらも構わず飲み込んでしまう。
人を見たら泥棒と思え、という程荒んではいないが、誰かれ構わず信用してしまうほど安全な街でもない。
だけど、
「……ぁ、りがとう……」
下から仰げばフードの中の表情は対面するよりもよく見て取れ、だからとて感情の読み取り難いようではあったが、彼女へと向けたのは素直に感謝の言葉だった。
何となく、他意も害意も感じられなくて、ほっとしたように肩から力を抜き、水分を摂ったことで体調も少し落ち着いたか、仄かに赤みの戻ってきた顔を上げて、口をつけてしまった袋の縁を余り意味はないかも知れないが指先で拭い。差し返して、
「喉が渇いてたの、すごくすごく乾いていたの。
だから、はあ……おいしかった……」
乾燥すら覚える程に乾いていた口内では甘露のようにすら思える水。表情を緩めて口にして。
■エストレーラ > 何か足りないのか、水水と言っていたから生命維持には不可欠な種族、大抵は人を筆頭にあれ、殆どでは?
水水と求める姿はまるで亡者宛らだったと後に感想を述べるとするなら―だった。
路地裏にいる人影は大抵怪しいから信頼はよくても信用するな、は正しい。
「うん。路地裏のたまった雨水はやめておけ。腹壊す」
此方はしゃがんでいてあちらは蹲っていたのなら視線が近いのも道理。
うん、と頷き半分まで減った布袋を受け取れば「気にするな」と呟き。
「体から水分が抜ければ意識が落ちる。そしてここは王都とはいえ何があっても自己責任な路地裏。
普段から水筒を持っている事を勧める。」
何か説教じみてしまったけど、こんなところで綺麗な女性が苦しんでいるのは
見ていられないという感情を含む目が訴える。
■ティアフェル > 「バレてたー……。うん、そりゃ濾過もしてない雨水なんて寄生虫の宝庫ですけど……」
云われるまでもなく、そんなことは理性的に考えれば判り切ったことだったが。雨水すら、と切迫していたのをきっちり見破られていたことに頭を抱えた。
は、恥ずかしい。両手で顔を抑えて赤みの差した耳だけが羞恥の様相を表し。
「そうなんだけど……急に…具合が悪くなってしまって……すみません、お見苦しい所を……できれば速やかに記憶の彼方へと。デリートデリート……」
忘れて、思い出さないで、と云われるまでもなく記憶に残しているようなことではないかも知れないが、今すぐお忘れをと請うように念じて。
まだ足元も覚束かず、すくっと立つこともできなかったので蹲って熱を持つ額を抑えたまま。
「お水代……払うわ……相場でいい?」
せめて、と水屋で売ってる額位の支払いはさせてもらおうと途切れがちに口にして。
■エストレーラ > 「どうしても飲みたい場合は濾せば良い。
水だけが漏れる程度の袋に砂、小石、砂利、中ぐらい石…どれもきれいなものな、を入れてその中に雨水を入れて濾せばいい。
それに魔法が使えたのなら火魔法で沸騰させて煮沸できればパーフェクト。
たいていの寄生虫はそれで死ぬ。それか闇魔法で消毒させててもいい。どちらにしろ汚いものには消毒だ。」
壁に寄りかかって徐々に震えてきて蹲り水水と亡者の様に動いているのを見ていたのだから当然だった。
「急なら仕方ないな…月ものなら猶更だ。うむ?忘却の魔法はお勧めしない。
あれ、前後の記憶さえあやふやになるから精神がおかしくなるらしいな。」
忘れられんな、初対面の出会いがこれじゃあ暫くは忘れられないと宣言したようなもの。
まだ何かと具合が悪そうな女の様子をじっと見て、ずいっと近づき額に手を当てようとする。
「熱あるのか?相場が分からないが、病人からせびろうとは思わんな。元気になってから出直してこい」
今支払いは頭が回っていないだろうから駄目だと支払いを保留を意見具申申請すべく、
彼女の額に当てようとする手とは逆の手のひらで今の状態での水代の拒否をしたい。
■ティアフェル > 「…………………………。そうだね」
冒険者であり、ヒーラーでもある己にとってはそんなに詳しく教えてもらわなくても、熟知してます……とは、雨水でもいいから飲みたい、と無様に這いつくばっていた立場ではとても口にできず。
一通り拝聴すると少し押し黙って肯いた。
すっかり、その辺の汚水を平気で飲んでしまいかねない路上のアホだと思い込まれているようだが。訂正する気力も体力もない。
「いや、そっちじゃないし、そういう意味じゃない……」
淡々と論ずる声に、思わず力なく唸ったがはっきり否定するほど力強くは、やっぱりなれずに。
うむむ……と悩むように唸っていたが、不意に切迫する彼女の顔と掌。反射的に顔を引きかけるが、結局は、ぺたり、とその小麦肌の掌は掌に当てられ。
じんわりと発熱する体温を伝えていた。
「う…ん……。でも、それじゃあ……あ、あの、だったら、お礼に、近くの店でお茶、とか…? 良かったら……だけど……」
ちょうど繁華街の裏手だ。深夜営業も終夜営業の店も多くはないがあるだろう。
金銭での返礼が難しいようならば、との代案。それはもう少し落ち着くまで、害のない人間に一緒にいてもらえれば安全だ、という裏を孕んだ申し出。
若干頼りなげに眉を下げて見上げるような視線になり。
■エストレーラ > 初対面で彼女がヒーラーだとか冒険者なのは分からない知らない存じない。
そこまで見破る奴がいたらそれは看破魔法を持っているか何かしらのスキル持ちだろうと思う。
「間が開いたな。そういう意味ではない?魔法に頼りきりになるのは生物としてどうだろうな、
退化してしまうぞ、生物退化は生物として終わりの始まりだ。
う、ん。熱あるな。暫く解熱剤、鎮静剤、安静薬とか飲んで安静に寝ていればいいんではあるまいか。」
じんわりと高熱でもないけど熱がある体温が手のひらを介して伝わってくる。
ヒーラーほどではないけど彼女の額から掌を下ろして指を折りながら市販されていそうな薬を口にしていく。
「深夜営業の店で見目麗しいお姫さんと茶を楽しむ。それで手を打つか。うん、そうしよう。」
繁華街から少し離れた路地だから出来るお話。
裏は敢えて読まないけど熱を出すと精神的に弱っているだろうから、
暫く様子を窺うという事でゆっくりとしゃがみ込みから腰を上げつつ片手を彼女の前に差し出し、
「お姫さん、どうぞ」
エスコートする気満々だった!