2021/05/08 のログ
プリシア > 「あのね、出来る事がね、出来てくのが、嬉しいの。
いっぱいお勉強して、出来る事がいっぱいになったら、おかーさんをお手伝いするの。
だからね、プリシア、頑張るよ?」

確りと抱きついた侭、顔を上げてそう答える。
其の時だけ真剣な表情を浮かべているものの。
母からも抱き締められれば、其の表情は如何しても緩むようで。

そうして、到着したお店の中へと案内をされるのだが。
お店の中に入る時からテーブルの椅子に座る迄、物珍しそうにキョロキョロと周りへと何度も目を向けるのだった。

「うん、分かったの、おかーさん。
あのね、あのね、ちょっと待ってね?」

当然だ、普通の席に座ってるから自然と足は付かない訳で。
プラプラと両足を揺らし乍、差し出されたメニューに目を通すのだが。

メニューに指を当てて、其処に書かれた文字を読んではゆくも。
理解出来るのがパンとかシチューとか、そうした家庭でも普通に出る料理の名前だけ。
こうしたお店でよく出る様な、何かを捩った様な料理名では、其れが何なのか判断出来ないのだ。
其の様子は、横で見ている母親にはよく伝わるかもしれない。
ちゃんと読んではいるも、首を傾げたりしているから。

リス > 「うん、プリシア、嬉しいわ。とても、嬉しいわ。
 出来ることがいっぱい増えていって、母さんを手伝ってくれるなら、お母さんもっとがんばれちゃう。」

 無邪気な言葉、そして、娘なりに助けてくれるという意思が嬉しくて、有難う、と母親は娘に頬ずりを。
 たぶん、人から見れば親ばかになるんだろうなぁ、と思いながらも、この愛おしさには、勝てない。
 凄く素直でいい子、ああ、メイド長の様に素直な子になるのだろうなぁなんて。
 それでも、目の前でこの可愛らしい子がふにゃふにゃ蕩ける表情なのは、とても、嬉しくて。

「ええ、貴女の速度で良いからゆっくりと読んでね?
 もし、判らないことがあったら、訊く、それは大事な事だから、ね。」

 店の中に入り、給仕に差し出されたメニューを手にして読む娘。
 自分から、未知のものに挑む度胸もまた、評価していいと思うのだ。
 判らないなら、判らないという事もまた勉強になるはずで。
 
 だから、敢えて母親は何も言わずに娘の状況を見ている。
 読めているのは判るので、其処に関して手を出すことはなく。
 困って、助けを求めるまでは、何もしない。
 助けを求めると言うのはとても大事、だと思うから。

 脇から見ながら、自分はメニューを決めているちゃっかりさんでもある。

プリシア > 「おかーさん、嬉しいなら、プリシアもね、嬉しいの。
プリシアもね、おかーさんもね、頑張るの」

周囲からはどれだけ仲睦まじい母娘に見えるのだろうか。
向けられるだろう視線も気にする様子無く、仲良し母娘はそんな抱擁を続けるのだろう。

「う~…」

分かった、と母の言葉に頷きはするものの。
中々聞く事に踏み出せないのは、解らない事が悔しいからなのか。
小さく唸る声を洩らし乍、料理名の側に書かれているだろう料理の説明を読むも、やっぱり解らない部分が在るんだろう。
チラッと横に在る母の顔を見遣ると。

「あ、あのね、おかーさん。
これとか、これとか、よくわからないの」

何処か申し訳なさそうな感じで質問をする。
指を差すのは、自家製の材料等を使った普通に出る様なものでない料理。
食べたい料理が直ぐに決まらなかったのは、其れ等が気に為るからだったのだろう。

リス > 「いっぱいできるようになるのが、楽しみ。」

 可愛らしい娘、けなげな言葉にもう、感動さえしてしまう。
 とは言え、彼女能勢町は彼女のモノだから、自分の手伝いだけではないままで、居て欲しいとも考えて。
 まあ、後継者になってくれると言うのならば、それはとても嬉しいのだけども。

「――――」

 意地っ張りと言うべきなのだろうか?
 必死で頑張る娘の姿を眺めて、待っている。
 読んでいるのだから、そして、読めない者の質問を待っていて。

「それは、シーザーサラダ……野菜の上に、ドレッシングが掛かったものよ。
 こっちは、ケーキ、甘くておいしいデザート、よ。」

 聞きに来てくれたから、母親は大事に説明する。
 全部説明できても、かのzyの成長に貢献する為に、一つずつだ。
 申し訳なさそうにするよので。
 読めて偉いね、ありがとう、とお礼を。

プリシア > 「おかーさん、おかーさん。
プリシア、頑張るから、待っててね?」

自分にとって一番身近に居る存在。
自分にとって一番甘えられる存在。
そんな母に近付ける事を目標に、頑張るのだ。
其れがずっと続くのか、何れ変化が訪れるのかは分からないが。
だが今此の時は、まだまだ甘えたい盛りで母の側に居るのが一番なのだ。

頑張って考えて、其れでも駄目で。
聞いてみればちゃんと答えは返って来る。
母の言葉に次いで、其れを復唱するのだが。
ピコンッとある言葉に翼と尻尾が小さく跳ねた。

「甘くて美味しいの?けーき…ケーキ?
あのね、おかーさん、プリシア、ケーキ食べたいの」

其れは片親の影響を余程強く受け継いだ事を思わせる仕草で。
かなりの食い付き様で其れを伝えるのだ。
只、家での食事を一緒にした事が在る筈なので其れは解るだろうが。
大食らいな訳でない為、ケーキを頼むと食べられる夕食の量も減ると云う考えに至るか。

リス > 「ええ。プリシアが、ちゃんとお勉強とかできるようになるの、待っているわ。
 大丈夫、判らないことあれば、教えてあげるから、ね?」

 素直で可愛らしい娘、自分に甘えてくれる娘。
 彼女はとてもかわいらしく、いけないと判って居ても贔屓にしてしまいそうだ。
 努力してくれるという幼い約束も又、母親は、うんと、頷いて、お願いする。
 娘がどんな風に成長していくのかそれが、楽しみで仕方がない。

「あら?」

 あれや、これや、判らない所を聞いてくれて、それを応える。
 ものによっては答えではなくヒントになるのだろうけれど、今回は答だ。
 そしたら、娘が何やら様子が変わった。
 どうしたのだろうとみて居たら、目を輝かせて、尻尾が跳ねている。

「ふふ、プリシアは、甘い物が大好きね、良いわ?これにしましょう。」

 年相応に、普通の人間の様に、お腹の小さい娘。
 それでも、矢張り母親の影響なのだろう、とても、甘い物が好きだった。
 だから、プチケーキ、という、小さなケーキを頼んで。
 食事の後に、食べましょうね?と。
 食事も、ケーキも、出来るように、と。
 それに、小さなケーキだったら、シェアしていくのも、在りだから。

プリシア > 「うん、わかったの。
わからない事があったら、おかーさんにも聞くの」

母の言葉に素直に頷く。
とは云っても学院では教師が居るのだから、家で解らない事に限るとは思われるが。
其れでも、聞ける人が一人増えたのは何処か安心出来るものを感じれる訳で。

メニューの遣り取りの中、此方の反応に確りと気付いた様で。
立てていた翼と尻尾をパタパタと小さく揺らし乍。
興味が向いたケーキを頼む了承を得られれば、見上げる其の目は輝かせていて。

「あのねあのね、甘いの大好き、おかーさん、ありがと。
ケーキ、楽しみなの。

えっとね、後はね、これと、これ?」

ケーキの注文を横目に嬉しそうな笑顔を浮かべた侭。
流石にデザートだけでは夕食にならないと、ちゃんとした注文を選ぶ。
きっと家でも確りとしたバランスを考えた食事をとってるからだろう。
選んだのは自分でも解る肉入りシチューと、其れに合わせたパンを指で示していた。

リス > 「ええ、ええ。プリシア。
 お母さんに判らないこともあるけれど、その時は一緒に悩みましょう。」

 何でもかんでもわかるわけではないけれど、判らないときは、判らないなら位に。
 娘の期待に応えないといけないから、母親は大変ね、なんて思いながらも。
 一緒に悩むことを約束していくことにする。

 小さなしっぽが、翼が、とてもかわいらしく元気に動いている。
 娘の性格、感情がとても分かりやすい一端であろう。 
 感情を隠すなどは未だ、教えてないから。

「ふふ、プリシアが、良い子だったら、また連れてきてあげるから。」

 ケーキを悦んでいる娘に笑いかけて。
 ただ、ちゃんと普通のご飯も食べましょうね、と言いながら注文を聞く。
 パンと、肉入りシチューを頼むので。
 少女も、手をあげて、注文をする。
 自分の分としては、白パンと、サラダと、ステーキ。
 それらを注文して、楽しみね、と笑いかけて見せる。

リス > 【中断致します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からプリシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」にセルフィアさんが現れました。
セルフィア > 長くなってきた陽も落ちた頃、少女は一人、平民地区の大通りを歩く。
王立学院での勉強を終えて、一人で暮らす借家に向けての帰路である。
少し遠回りにはなるが、人通りが少ない道は危ないから、と人気の多い場所を伝って。
そのついでに、軒を連ねる飲食店で美味しいお夕飯を勝って帰れればなお良しだ。
自炊も出来なくはないが、日暮れの後で帰る日はおサボりするのが少女の日常。
今日は何を食べようかしら。ぽわぽわと呑気な考え事をしながら、靴底で石畳を鳴らした。

「んー、まだ夜は涼しいですから、温かいものがいいですねー?」

温かいものとなると、まず浮かぶのは汁物。煮込み料理の類。
とは言え、汁物や煮込み料理は、器がないから持ち帰るのは大変そうだ。
次に浮かぶのは、手軽に食べられて暖かなサンドイッチや包子の類。
あれは確か、シェンヤン料理だったか。ティルヒア料理かもしれない。
ともあれ、不思議で美味しい異国の料理だ。特に、エビ入りが好きだったり。
どうしようかなー。きょろきょろと幾つもの店の店頭に目移りしながら、進んでいく。、

ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」にロブームさんが現れました。
ロブーム > 彼女が歩いていると、向こうから太った男が歩いてくる。
タキシード服を着た、一見すると紳士風の男だ。
金時計を見ながら、街路の真ん中を足早に歩いていると……

「おっと」

余所見をしていた男は、彼女にぶつかってしまった。
真正面から衝突してしまった男は、ぶつかった際に帽子を落としてしまった。
男は、どうやらそれに気づかなかった様で、彼女をちらと見ると、「失礼した」と言って彼女に背を向けて歩いていってしまう。

シルク製の黒い生地に、嫌味にならない程度に金刺繍の模様が施されている。
随分と高そうで、売ればそれなりの金になりそうだが……?

セルフィア > 飯時ともなれば行き交う人の数も多く、人垣を縫いながら進むのも中々に難しい。
それ故だろうか。居酒屋に入る人を避けようとした際、ぱすん、とぶつかってしまったのだ。
相手の男性――整った身なりのふくよかな紳士は、少女を一瞥すると謝罪を残して足早に立ち去る。

「いえ、こちらこそ失礼致しました」

元よりおっとりとした少女は、恐縮した様子で同じ様に謝罪を述べる。
そしてふと、足元に視線を落とした所、視線の先には瀟洒な金刺繍の帽子があった。
拾い上げれば、艷やかな生地の心地よい手触り。明らかな高級品である。

「わ、とと……あの、落としましたよっ!帽子!」

慌てて振り返って声をかけるが、果たしてこの人の群れの中で届くだろうか。
ともあれ、落とし主はきっと落胆する筈だから、とお人好しな少女は先の男性を探し始める。
後を追うようにして、少しだけ足早に。何度か周りに聞こえる様、帽子の事を知らせながら。