2021/04/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイルルゥさんが現れました。
イルルゥ > 「……………、…薬師、か…魔法使い…」

とぼとぼと、平民地区を歩く小柄なフード姿
呟く言葉は、今探しているものだ

探索に出た際に…酷い、いや、気持ちいい目にあった
そしてしばらく監禁され、子を孕まされ、出産まで経験し
胎が犯される感覚にも、慣れてきてしまった

けれど…まだ、少女は諦めていない
何か、この種族から来る発情を抑える手段があるはずと。
そうすれば、やってくる者たちを蹴り飛ばし、冒険者だと胸を張って言えるだろう

そのためには、まず該当の店や人物を捜さなければならない
ただ、あまり有名なところは避けたい
できれば裏路地や、少しさびれたところに居る者の方がありがたいが
そう贅沢も言っていられないため…ため息を付きつつ
辺りをきょろきょろと見回しながら、歩いている…

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルースさんが現れました。
ルース > 普段のように依頼を終え、適当にぶらつくかと平民地区を歩く。
時折にすれ違う人にぶつからないように気を付けて歩いては露店や店を眺め、真面目な兵士やどう見ても禄でもないという一番を見たりと。
そんな事を繰り返し歩けば視線の先にある意味ね脱と言えるフード姿の小柄な人影を見つけ。
そういう格好の知り合いが一人思い浮かべべば駆け足になり。

「よう、イルルゥ。久しぶりだな」

もし違えば謝ればいい、そう考えて軽い声を掛けて後ろから肩を叩いて行こうとする。

イルルゥ > 「…っ」

歩いていると不意に、声をかけられる
振り返り、フードの中から相手を見れば、少し下がる
その相手は以前、事故で発情し…はしたない姿をこれでもかと見られた相手
数少ないいい人ではあるのだけれど、少し気まずい

「久しぶり、です…。その、以前は…失礼を…」

ぺこ、と軽く頭を下げて
これ以上何か因縁を付けられたり付け込まれたりするわけにはいかない
軽く挨拶をするだけして、先に謝罪をしよう

ルース > 声を掛ければ振り返る相手。
顔こそは見えないが人間違いはしていない事に安堵し。
軽い挨拶のように片手を揺らして。

「久しぶりだな。元気そうで何よりだよ、無事かも心配だったしな。
以前……あぁ、あれは仕方ないだろ。気にしてないって言うか…俺の方が得しかなかったしな…」

何やら以前にあった時と雰囲気が違う気がするがそんな時もあるかと聞いたりはせず。
いきなりの謝罪に少ししてその意味を察すればこっちこそ悪かったと軽く頭を下げて。
理由は判っているがそれに付け込んだみたいで悪かったと。

イルルゥ > 「何とか、無事です。生きていますから」

くすり、と笑う。
普通に笑えたのは少しぶりだ

「…その、ええと、あの時話した…と思うんですが。
あんまり近寄られると、またああなってしまうので…ちょっと、このくらいで」

下がった位置で申し訳なさそうに
発情も強まっているから、少し離れないと…知っている雄であるというだけで発情しかねない

「……ルースさん。聞いてみたいのですが…腕のいい薬師か、魔術師を知りませんか」

それから、不躾であることはわかっているものの
せっかく出会えたから、ダメもとで聞いてみようと

ルース > 「それもそうか。生きてるってことは無事な証だな」

それもそうだと笑い。
少女の正体を知るだけに別な意味でも心配であったがこうして街中で会えたので問題はなかったのだろうと考えて。

「そうだったな、悪い悪い。
俺的には良いんだがイルルゥが困るか」

近づきすぎると拙かったなと思い出すと少女が下がった位置から更に一歩下がり。
自分としては問題はないが困らせて楽しむ趣味もないのでそうした方がいいだろうと。

「薬師か魔術師か……何人か知ってるが……困り事か?」

唐突な言葉にその条件に当てはまる知り合いを頭に浮かべ。
貴族関連、冒険者関連、その他と…浮かぶには浮かぶがどれも癖が強いよ思えば眉間に皺が寄り。
どういう要件で探しているのか、それで紹介するかどうかを決めるために、困り事かと問い返して。

イルルゥ > 「…良いとか、言わないでください。思い返したら、死にたくなってきます、から」

恥ずかしさなどはもう捨ててきたけれど
それでも、あの状態は記憶や、痕跡だけ残る
自分が言った事、されたこと…そういったものだけが
少し拗ねたように言葉を返し

「…ルースさんも、見た…私の発情を、抑えたいんです。
媚薬とかがあるなら…その逆もあると思って。
…種族的なものですから難しいかもしれません、けど…」

ぽつりとうつむきながら理由を言う
金銭もあまり無いことを告げつつ、労働力なら提供できるとも。

ルース > 「あー……男としては得でも女としてはそうじゃないよな」

あの時を思い出すと自分としてはいい思い出ではある。
しかし少女にとっては逆だろう。
何と言うか自分ばかり得をしていて申し訳なくなり、自然と頭を下げてしまう。

「あれを抑える方法って訳か。
探せばあるだろうけど……あいつらにそれが用意できるかだよな。
判ってると思うがこの国じゃ媚薬は飛ぶように売れるが逆は売れるかだしな…
それは間違っても言うなよ?薬があったとして…イルルゥなら何を要求されるかは判るだろ」

理由を聞けばすぐに納得をしてしまい。
金ではなく労働と聞けば…まず求められるのは一つだろうと。

「紹介するなら…女のだな…」

男は駄目だと思えば女だが…作れそうな奴はいたかと考え込んで。

イルルゥ > 「…はい。
でも、…嫌じゃないのが、またもやもやして」

いくら心で拒否しても身体が、本能が求めてしまう
それに気持ちが引きずられて拒否もしにくい
本当なら、街を出て世捨て人にでもなれるだろうに
そうしないのは…期待してしまっている部分も、確かにあるから

「ありがとう、ございます
…少しでも、情報があればいいんです。後は自分で捜しますから
ルースさんは、貴族、ですし」

わざわざ自分のような…冒険者ギルドでは売女などと呼ばれることも増えてきた自分の相手をすることもない
考えてくれている相手に、簡単な情報でもいいと念を押して

ルース > 「種族的なのは仕方ないと思うぞ、俺は…。
イルルゥが嫌じゃないなら俺でよければ発散に付き合うぞ?」

薬や魔術でのものでない本能的なものならば仕方がないと。
もし迷惑でなければ発散に付き合う事も告げて。

「いや、知り合いが困ってるなら俺は助けるようにしてるんだよ。面倒な奴は別だけどな。
そこまで言われて放っておくほど薄情じゃないつもりだぞ。
情報を扱うのは本職だしな……女でその手のが出来そうなのがいないか探しておくよ。
貴族は貴族でも5男で家を継ぐ予定もないから変な事は気にするなよ」

ギルドで耳に挟むよくない話、異性を遠ざけている少女には無縁な事だろうと思い。
身分を気にしている事に気にしなくていいと告げ、情報を集めておくと。

イルルゥ > 「…えっと。
…あはは、そのー…もし、これがずっと続いて。酷くなって…
いつでも発情しているような状態になったら…
よければ、かくまってください。その時はきっと何でもしますから」

そうならないように、努力はするつもりだけれど
本当に、ただの売女に成り下がったのなら、好きなだけ付き合ってもらおうと
良い人に囲われるなら、それはそれでいいだろうと

「…本当に、良いヒト。…親切にしてくれた、おじいちゃんみたい。
ん。ありがと、ございます。夜は大抵…平民地区の宿に居ると思いますから」

情報の受取先を告げ、深く、頭を下げる

「情報料はきちんと稼いで払いますから。よろしく、お願いします」

ルース > 「そんな事になったりする可能性もある訳か…。
判った、その時は遠慮なく頼ってくれていいぞ。
一人暮らしだからいくらでも居てくれていいしな」

そこまで酷くなるものかと、知らなかったとは言え言いにくい事を言わせてしまってすまないと告げ。
貴族とはいえ実家を離れての一人暮らし、来るならいつでも来いと今の住処を伝え。

「俺もそれなりには悪人だぞ?おっさんだとは思うがおじいちゃんって年じゃない…はずだ。
本当に気にしなくていいって。わかった、俺が直接か信頼できる奴に情報をもっていかせる」

受け取り先を聞くと分かったと頷き。
金はある時でいいと告げ、冗談でも身体でと言える雰囲気ではなく冗談は押さえて。

イルルゥ > 「嬉しいです。…あはは、その時はきっと、こんなに落ち着いてお話とか、出来無さそうですけれど」

あの状態がずっと続くのなら
それはもう性奴隷にでもなった方が幸せだ
酷くならない可能性もあるが、逆に酷くなる可能性もある
せっかく普通に話せる相手と会えたのだから、逃げ道は造っておきたい

「…それなりに、ですよね
あ、おじいちゃんっていうのは…昔、私が助けてもらった人です。
ルースさんが優しいから、その人と重なって。…ルースさんは、まだ若いですよ?」

少しだが、元気が出た
こうして普通に会話して、普通に答えてくれることが嬉しく
つい、からかうように言ってから

「…気遣ってくださって、ありがとうございます。
じゃあ、その…私、宿に戻りますね」

ふー、と深呼吸をして頭をもう1度下げる。
こうして話しているだけでも少し、下腹が疼くから
ゆっくりと、礼を尽くしつつその場を去っていこうと

ルース > 「知り合いが大変な目に合うのを見たくないだけのお節介だよ。
その時はまあ…その時だ」

あの時の様子がずっと続くのかと思うと大丈夫なのかと思い。
頭の隅では悪くはないかもと考え頭を振り。
頼られているのに流石になと自分の最近枯れだした欲に呆れ。

「この国ではそれなりにだ。詳しくは話せないけどな。
そういう意味か、てっきり枯れてるように見えるのかとな…。
俺はそんなにできた奴じゃないが…ありがとうな」

若いと言われて安心したと笑みを見せ。
最初よりも元気になった様子の少女の姿をみればよあったというように頷き。

「ただの気まぐれだよ。知り合いにはそれが大きいんだ。
あぁ、気をつけてな……と、もし今、あれがきついなら発散に付き合うが?」

頭を下げ去っていこうとする少女を見送ろうとし。
ふと思い出したように必要ならと声を掛け、大丈夫ならそのまま見送る事となるだろう。

イルルゥ > 「どうしてお礼を言うんですか?おかしなルースさん
…枯れてるんだったら、私があんな風にはなりませんよ

小さな肩を震わせて口元に手をやって微笑み

「…大丈夫です。…まずは、私自身が…我慢しないといけませんから
溺れてばかりじゃ、だめ、でしょうし。ルースさんのおかげで、疼きはマシです、から…
今のうちに、帰ります」

クスリや魔法に頼る以外にも、自分の意思をしっかり持とうとしていて
優しい相手の言葉のおかげで…少し折れかけていた気持ちに力が入った
だから、お礼を言いながらそのまま、その場を後にしよう――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイルルゥさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からルースさんが去りました。
ご案内:「平民地区 酒場」にギデオンさんが現れました。
ギデオン > 吟遊詩人の奏でるリュートの旋律と歌声が、酔漢達のだみ声の隙間から時折漏れて聞こえてくる。
酒場の、比較的奥まった一画だった。
他の席に比して灯もあまり届かない。
テーブルの上の燭台の灯も心もとないほど細い。
が、そのテーブルに着いた客は、さほどに気にはならぬらしい。
サーヴされた冷えた酒を、時折思い出したように口許へと運んでいた。
先夜のように、今宵もその客は前払いで十分な酒手を亭主に払ったようだ。亭主の、客への態度は悪くない。
サーヴされた酒も、この店のものにしては上物であったと言ってよい。
グラスに満たされたのは、白いワインだった。
やや辛口であるのが、気に入った。もっとよくきりりと冷えていたならば言うことはなかったろうが、場末の酒場でありつける代物としては十二分に上物であったろう。

立ち昇る香気の色合いは、供された時からまた変わっている。

辛口に感じていた味わいが、空気に触れてほんの少し果実のような爽やかな甘みをみせていた。薫りが、開いたのだ。
騎士風の男は、それを確かめてまた、一口を口許へと。

悪くない。そう、感じたのだろう。
口の端に穏やかな…けれど幽かな笑みが刻まれて、その男は本当に僅か、頷いた。

美味なるものを美味と、そう感じ始める感覚を、己は取り戻しているだろうか。

けれど、そんな自問が既にして、生きることの悦を忘れて久しい身ならではの感慨なのだと、男は気づいてその笑みの色を苦くする…。