2021/04/10 のログ
ギデオン > こんなにも至近に人の体温を感じるということは、この騎士にはどこか戸惑いすら覚えさせるほど、永い刻の果てに埋もれた記憶だった。
それがゆえ、だろうか。躊躇いもなく腰かける女を一瞬まじまじと見つめた後に、もう一度その口の端に薄く苦笑が過って消えた。
今度のそれは、このような己に対する苦笑の色。
そして騎士は、弄んでいた剣の柄尻を握り直し、ゆっくりと己の左に立てかけなおす…。

「さて、おれが話し相手とやらに向いているものかはわからんが…そうだな、その申し出は、おれには嬉しいお言葉、かもしれんよ?」

そう告げる騎士の言葉と声。その響きにあるのは、随分と古めかしい響きであるけれど。もしかするとそれは、多少の訛りと聞こえてしまうかもしれない。どんなに短くとも、百を超える歳月の向こうから、この騎士は現れたと言っても過言ではない。それだけの歳月の隔たりは、千里万里の距離とは言わずとも、遠国の言葉の響きに聞こえたとて不思議はあるまい…。

「おいてけぼりは、ひどいな。
 楽しみというものはやはり、誰かと分かち合うのが一番だ…」

分かち合う者もいない歳月を、永く永く重ねてきただけに。
騎士のその慨嘆には、ひどくしみじみとしたものが溢れていたことだろう…。

レネット > 耳慣れない、どこか一風変わった話し方。
やはりこのあたりに住む人ではないのかもしれないと、女は思った。
星の煌めきのような銀髪に、混ざり気のない鮮烈な赤の瞳。
そんな色を持つ人は今まであったことがなかったから。
この国はすごく、すごく大きな国だ。けれど一座の皆と旅をしてきた女はこの世界の広さをよく知っていた。
探してみたら、貴方とよく似た容貌をした人々が住まう国もあるのかもしれない。
女はそう胸中で結論づけて、口を開く。

「そう言ってもらえると私も嬉しい。
 あなた、お名前は?私はレネット。
 一座のみんなと旅をしながら、いろんなところで芸を披露しているの。」

食べかけの果実をころころと両手の中で転がしながら、女は楽しげに紫の瞳を細めて言葉を。
貴方のその口ぶりと、表情。
貴方のその心の機微を拾いあげたのか一瞬だけ女の顔はその鮮やかな精彩を損なって、不思議そうな表情を。
だがそれも数回の瞬きの後にはすっかりと姿を消して、楽しげな笑みをその口元に浮かべたのだけれど。

「そのとおり、ひとりは寂しいわ。特に、こんな騒がしい夜は。
 だからあなたは今晩、私と楽しみを分かち合うべき。そうでしょ?」

女は身を乗り出して、貴方のかんばせに自身のそれを寄せたことだろう。
淡くあたりを照らす灯りは、女の顔に柔らかな影を落とす。
自信に満ちた物言いと、受け入れられることを疑わぬよな微笑みは自身の容姿が優れていることを十分に知ってる者のそれだ。
女の白く細い左の指は、貴方の右手へと伸ばされる。

ギデオン > 「ギデオン…と」

問われた言葉に騎士は短く名乗りを返す。
名を問われることもまた、久しくなかった。己の舌が転がす己の名の響きが、どこか遠いものに感じられる。それもまた、奇妙な慨嘆だ。

やれやれ。会話というものも、永く絶えれば錆びるものか。

そのような、自嘲めいた嘆息を騎士が、胸中密かに漏らした時。騎士の指に温かく柔い熱が触れ、そして…星空を見上げていた騎士が視線を地上におろした時。
いつしか寄せられていた女のかんばせに騎士は、不思議そうに真紅の瞳を瞬かせた。

「…このようなおれが、どのような楽しみを分かち合えるかはさて…わからんが…」

試してみる気は、おありかな、という問いを。果たして騎士は紡ぎ切れたのだろうか?
何故なら、二人の唇はもう、限りなく近づいていたのだから。もしかしたら、問いを紡ぐ騎士の唇のその動きは、徒に女の唇を甘く啄む動きにしか、なっていなかったかもしれない…。

ギデオン > 中断。後日継続
ご案内:「平民地区 広場」からギデオンさんが去りました。
ご案内:「平民地区 広場」からレネットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロロイさんが現れました。
ロロイ > 「おーおー、飲んでくれー!今日は俺のおごりだ!」

冒険者ギルド内、昼間にも関わらず併設された酒場で騒ぐ男
周りに居た者に酒を奢っている

今日はたまたま、探索した遺跡で良いお宝が見つかり
あぶく銭だからとぱーっと酒と飯に使っている
訓練に、冒険と苦労しているからこそ、こういった時には気前よく騒いでおくに限る

なにせ、いつ命を落とすとも知れないのだ
彼に関しての暗黙の了解が伝わっている冒険者は、盃を掲げるだけで礼を示しつつ
まだ時間の早い酒場は彼の奢り祭りでとても賑わっていて

「ん?酒が無いんじゃねーのか?飯でもいいぞー」

などと言いながら誰にでも声をかけていく男
ギルド内に居れば漏れなく誰でも絡まれることだろう

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からロロイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にイディオさんが現れました。
イディオ > 「ただいま、戻りましたよ、と。」

(様々な冒険者が集まり、依頼を受けて生活費を貰うための相互補助の場所、冒険者ギルド。戦士や魔法使い盗賊にレンジャー。
様々な職の人間が集まっている場所に、一人の男が戻る。
この冒険者ギルドに所属をしている冒険者、中堅のベテランといって良いだろう男で、名前をイディオという。
一人で依頼を受けることが多く、パーティに参加している事は余り無いのが冒険者としての特徴。
男個人の特徴で言うならば、一番最初にあげられるのは。死んだ魚の様な眼だ。
ゾンビのように光が無く、虚ろで、光さえ吸収してしまうようにも思える、蒼い目だが、深淵といって良いだろう。
簡単に言えば、不気味な目をしている。
本人と喋れば、別に好きで不気味なわけではないし、コミュニケーション能力もそれなりに在ったりもする。
そんな男は、今日も依頼を受けてこなし、戻って来た。)

「査定を、頼みます。今回の依頼は、薬草を5束納品と、鹿と、猪の肉の納品で。」

(どさり、どさり、と依頼の品をカウンターに取り出して、係員に渡していく男は手慣れた様子、鑑定の時間があるので少し待つように言われ、何時ものように、掲示板の方へ。
鑑定待ちの間に次の依頼を確認して、良いものがあれば受ける、という流れを何時もしている。
あれば受けるし、なければ、其のまま、酒場の方へと言って酒を飲む事にしている。)

「――――さて?」

(何かいい依頼でも、無いだろうか、男は、ぼんやり、と依頼の紙を眺めまわし始めた)

イディオ > 「依頼に、良さそうなのは、……ないかな、また後で、薬草採取の依頼でも受けることにするか。」

(余り大きな依頼がないという事は平和な事、という証拠でもあるから、それはそれで食い扶持手的にはどうなんだとは思うが良い事だと思うしかない。
大事の場合は基本的にギルドの方から、高位冒険者に依頼がきたりするし、更に大事ならばギルド全体的に全体参加とされる筈だ。
間違っても、薬草採取を専門にしているような冒険者に依頼が来るようなことは、無いだろう。
そんな折に、鑑定が完了したとの声が聞こえた。)

「はいよ、と。」

(呼ばれればすぐに行かねば、受付も暇ではないので、直ぐ次にされてしまう、それはそれで査定に響きそうなので、直ぐに戻る。
薬草の状態など、肉の鮮度や量、それらを加味した報酬が成功報酬に上乗せされて渡される。といっても、まあ、驚くほどの学ではない。
なので、今回はご飯に一品付けても問題はない程度、という事になった。
まあ、それはそれで嬉しい事なので、感謝することに。
報酬を受け取りながら、パーティ募集の掲示板も眺める。
最近は、アスピダ攻略の依頼の所為か、怪我をして引退などで、パーティの入れ替わりも激しいようだ。
知ってる人が募集でもかけてないだろうか、と眺めてみる。)

イディオ > (特に、そう言った募集もなさそうだ、取り合えず特に何かしらはなさそうだ、ということが判る。それなら後は酒場に移動するか、と、移動する。
といっても同じ屋内で、酒場部分に移動するだけ、という事、数歩移動すればすぐという所でしかない。
狂も酒場部分は盛況だ、様々な冒険者が酒をかっくらって楽しそうに騒いでいる。
男は軽く知り合いの冒険者に挨拶をしながら適当に席を探し、見つけた所に腰を掛ける。
マスターにエール酒と幾つかの酒を注文してから、冒険者たちを眺める。
知り合いは多く、だから、あまり変わったことはなさそうだと思う、それはいい事だ、依頼で大怪我をしたとかはなさそうだ。
直ぐにエールが出てきて男はそれを一口煽り、摘まみを齧る。
ピリリとしている香辛料の刺激を感じながら、それを肴に酒を呷り、ふぅ、吐息を吐き出して見せた。)

「明日は……そうだなぁ。」

(武器や防具等、一度メンテナンスをした方が良いだろう、盾と。アレは兎も角、剣や鎧は定期的に直さねばなるまい。
それなりに草臥れて来たし、ある程度金もたまって来たので、行うか、と言う思考になる。
他に、何かしらやる事はあっただろうかね、と天井に視線を向けてみる。
酒を呷りつつ、記憶を探る)

イディオ > 「―――――。」

(いろいろと、思考を整理する。酒を飲みながら、行うべきことを思い出し、それに順番を付けていく。
誰も声を掛けてこなければ、誰も近寄らなければそれは速やかに終わっていくものであり、ふぅ、と酒臭い息を吐き出す。
こんなものか、と思考を進めてから酒を呷り、飲み干して。)

「マスター。」

(マスターを呼んで、会計を済ませて、外に行かなくても手に入る消耗品を注文して置く。後で部屋に届けてもらう様に伝える。
それから男は、立ち上がり、最後に依頼のボードを眺めて見落としがないかを確認して。
其処から冒険者ギルドを出て、去っていく。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からイディオさんが去りました。