2021/04/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアンジェラさんが現れました。
■アンジェラ > 陽も落ち、夜の進む時間。
明りの灯されたカフェのテラス席でぼんやりと通りを眺めている。
今日は通りには商人が多い様子。
キャラバンでも入ったかな?と考えながら行き交う人を眺めている。
くぁ、と小さくあくびをかみ殺したのは退屈だからか。
実際暇を持て余した少女はそのまま帰るか河岸を移すかを悩んでいた。
河岸を移すならお酒でも飲もうかな、と考える事少し。
できれば綺麗なお姉さんと一緒ならなぁ…と思いはするのだが。
「―――……。」
と、思っていれば視線が誰かを追う。あぁ、あの人綺麗だなぁ…という視線だ。
さて、その人物が視線に気づくのか。それともそれを傍から見た人がその様子に気づくのか…?
■アンジェラ > 「はぁ。」
とため息をついて席を立つ。
やってきた給仕にお勘定と言って硬貨を手渡し、カフェを出て行った。
さて、と思いながら夜の街並へと消えていった…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアンジェラさんが去りました。
ご案内:「平民地区 広場」にギデオンさんが現れました。
■ギデオン > 立ち並ぶ露天商は、この時刻になっても店をたたむ気配を見せるものは少ない。
魔都マグメール。
まだまだ夜はこれからであり、稼ぎ時もこれからということか。
そんな賑わいをみせる広場の一画、いくつか流石に店じまいした露天商による隙間のできた一画に、その男は腰を下ろしていた。
今は水を噴き上げることを止めている噴水のへりに、その男は座している。
フードを払い、銀色に流れる髪が風に晒され揺れていた。
さて、人に混じってしばし暮らしてみようと思い立ってみたはよいが。
いざ、こうして人の街に入ってみても、何をどうしたものだろうかと、戸惑いを隠せぬというのが正直なところ。
眠る必要も無ければ食べねば生きられぬ身体でもない。
そして今や、吸血の欲求すら克服し、陽の光にすら灼かれぬ身体となったのだ。
「さて…」
思わず、という態で独り言つも、それで何かせねばならぬことの当てがみつかるわけでなし。
いたずらに剣の柄尻を指で叩き、そのままあてどなく街の上、どこか曇った星空をただ見上げ…。
ご案内:「平民地区 広場」にレネットさんが現れました。
■レネット > 帳が落ち、闇が深まろうとも魔都マグメールま賑わいを見せていた。
響く喧騒、酒で気が大きくなった人々の弾けるような笑い声。
そんな夜の露天商をを覗くのは、自由で奔放な女の数ある趣味の一つであったりする。
お金は大切だとわかっている。けれどここでの無駄遣いは、なんだか特別な感じがしてどうしてもやめられないのだった。
先ほど買ったばかりの両手に収まるほどの小さな果実を頬張りながら、女は視線を巡らせて。
そうして噴水の減りに腰掛ける男性の姿を見つけたのだった。
露天の鈍い光を浴びて、透き通るような輝きを纏うその銀髪はあまりに麗しく女の目を奪うに十分であったけれど。
でも、それよりも───
「ねえ、あなた大丈夫?ひどい顔してる。もしかして具合が悪い?」
女は貴方に歩み寄ると、かぶったフードをほんの僅かに浮かせて貴方の顔を覗き込まんとするだろう。
貴方のうすらと赤らんだ頬に比べて、貴方の頬は随分と青白く見えたから。
女の深い紫の瞳が、じ、と貴方の真紅の瞳を見つめた。
■ギデオン > 己に近づく気配に、この騎士が気づかぬということはない。
だが、しかし。
近寄る兎を警戒する獅子など、いるはずもない。
この騎士が女の気配に気づくのが遅れたように見えたとしたら、それだけのことであった。
傍らから告げられたその言葉が、己に向けてのものであると気づくのに、ほんの一瞬、騎士は遅れた。
それは、それだけ人と言葉を交わすということを、この騎士が忘れていたということであった。
「…気遣い、痛み入る。が…そうだな、生まれつきさ。別段、病というわけでもない」
おれはいたって健康だ、と。そう苦笑しつつ男は告げて。そして、ゆるりと向けられる紫水晶のような瞳を見上げたのだった。
真紅の瞳。
この魔都では、このような光彩の瞳は珍しくないのだろうか。
それとも。
この魔都であってもその光彩は、やはり禍々しいほどに美しく、女には見えてしまうのだろうか…。
■レネット > 貴方の口元に浮かぶ苦い笑い。
ぱちぱち、と女は金のまつげで縁取られた紫を瞬かせたことだろう。
それから小さく肩をすくめて、真っ赤に彩られた唇の端を持ち上げて気恥ずかしげにその面持ちを崩して見せた。
なんだ、どうやら自分の勘違いであったらしい。
「そうなの、ごめんなさい。失礼なこと言っちゃった。
───歩き疲れちゃったの。隣、失礼するわね。」
こちらを見上げる真紅に怖気付くことなく。まっすぐに見つめ返して、から女は軽やかに言葉を。
そうして貴方の隣に許可を取ることなく、腰掛けたことだろう。
フードを浅くかぶりなおしながら、自分よりも高い位置にある貴方の顔を見上げんと。
網膜に焼き付くような、深く鮮やかな貴方の真紅の瞳。
それを見て、珍しい色だなあ。なんて、何にも縛られることのない自由な女は呑気に考えていたのだった。
「あなた、ひとり?もしそうなら、お話相手になってくれない?
仲間はみいんな娼館だとか、遊び相手のところに行ってしまったの。
私だけ仲間はずれよ、ひどいと思わない?」
芸を披露しながら、各地を旅して回る根無し草の集団。
一座に所属する面々は、やはり男性の方が多い。こういう時に女であるレネットは当然、置いていかれることとなる。
女は頬をわざとらしく膨らませてから、軽く目を伏せて。
そうして貴方を再び仰ぎみた。唇にちいさく弧をのせて、かるく小首をかしげる。
フードからこぼれた金の一房が、女の頬をすべり落ち、流れていく。