2021/03/14 のログ
タン・フィール > 「———…あれ…?」

人ごみをぬって、間の抜けた捜索者の視線を切り、路地を曲がり、また表通りに出た…
と思いきや、不意に見慣れぬ通りに迷い込んだ。

人の気配がさらにまばらになっり、
喧噪や嬌声ではなく、何かを取引したり、脅しつけているかのようなひそひそ声や、
時折路地の奥から聞こえる女性の悲鳴めいたもの以外は、
いまや遠くに感じる妖しい商店街の賑わいの音だけ。

「———…やばっ…このへんっ…」

これまた、危険を感じた六感に従って、あわてて踵を返した。
しかし今度は、慣れぬ路地であること、暗闇であること、
誰か、こわいおとなが追っかけてきているか…
それを確かめるために振り替えることも躊躇する焦燥から、
うまく賑わうあの場所に変えることができず、

路地を曲がるたびに、暗がりの路地裏へと迷い込んでいく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区  夜の商店街」からタン・フィールさんが去りました。