2021/01/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にイディオさんが現れました。
イディオ > (酒場は盛況で、色々な冒険者が酒を酌み交わし、飲んで騒いで、楽しんでいる。吟遊詩人が英雄の歌を歌っている。
何処にでもある冒険者ギルドの光景で、その中に溶け込んでいるモブ冒険者Aと言える男。
イディオは何時ものように冒険を終わらせて、報酬をもらい、その金で、酒を飲む。
ギルドの酒場のカウンター席の隅に一人、椅子に腰かけて、幾つかの摘まみとエール酒を前に、飲んでいる。
他の冒険者と変わりのない、動きだ、冒険者の同期などの軽い挨拶を受けて、奢れよ、とか、そんな軽口を聞き流して、エールを呷る。
何時ものように、目に光は無く、変わることの無い、男の雰囲気。
今回の依頼では、ゴブリンが多く発生したとの事でそのゴブリンの胎児の依頼を受けて、臨時のチームを組んで出かけていた。
掃討の数が巣の中に居て、数人攫われたらしい村人もいた。

そんな報告が無かった、とチームは嘆きながらもなんとかゴブリンから村人を救出し、村へと連れ帰って。
多めの報酬をもらったから、今回は酒、となった。)

「――――。」

(それで、何故、男は今、一人で飲んでいるのかと言うと。臨時パーティと言うのもあったが、終わったら、後衛の魔術師は魔法の研究だとさっさと離脱。
前衛の剣士と神官は、二人そろって、じゃ、と、手を繋いで去っていった。ああ、そういう中なのね、と納得。
という事で、寂しい男の一人酒、という事と相成った。
悔しくは……ない、とおもう。
自覚してないのかもしれない、強がりなのかもしれない、第三者から見たらどう見えるのだろうか。
煤けた背中に見えるんだろうか。

マスターの視線が生易しい方が、男にとっては、辛かったりするが、其処で暴れるほど自分は、頭おかしくない、と思いたい。)

イディオ > 「マスター……。」

(屹度効果は薄いと思うが、マスターに一応でも、文句を言ってみることにする。そんな目で見られるほうが、惨めになるんだ、と。
そう、マスターに言ってみようとしたところ、何も言わずに、エールのお変わりが来た。何も言うな、判ってる、と言わんばかりの雰囲気だ。
それは、なんというか、とても、とても――――)

「ぐふぅ。」

(心にダメージが来る、こう、お前は負け犬なんだ、と言われているような、そんな気がしてならないのだ。そういう積りは無いのだと思う。
単に慰めなのかもしれないし、気分がいいから奢ってくれた、と言う考え方もできる。
が。今この現状、先程の現状を考えると、ダメージを受けてしまう、自分が悪いのだろうか。
何と言えばいいのかわからない今現状、テーブルに頭を突っ伏すしかできなかった。ごズン、と良い音が響いたが気にならない。
肉体的なダメージよりも精神的なダメージの方がきついんだ。)

「―――ちくしょう。」

(どうしたものだろうか、と思考を這わせる。今このままではよくないのは間違いないが。
と言っても、何かいい手があるかと言えばないし、仲の良い相手が居るかどうかと言えば。

いなくはないが、今この場にはいない。
あ、詰んだ。そう、男は思うのだった。)

イディオ > (そんな風にしてるなら、マスターはじゃあ、酒は飲まないのか、と言うので、飲むとそのジョッキを手元に引く。
どんな時でもただ酒はうまい物だ、マスターの善意でもあるのだし、それを残すなど勿体ない。
という事で、男は、お代わりとして差し出された酒を、グイ、と呷り始めることにする。)

「と、言っても酒だけじゃなぁ……、串焼き肉を、三本と、マスターお任せでおつまみ追加よろしく頼む。」

(酒だけで飲めるほど、のんべぇではないつもりだ、なので、追加でつまみを注文して、それを肴に飲むことにする。
ただ、これだけ頼んだのだから、そうなると酒もいっぱいでは足りない、まあ、飲み干したら追加注文すればいいか。
そんな風に考えて男は酒を呷ることにする。
キンキンに冷えたエールが、喉に心地よい。酒精の混じると息を、ぶはぁ、と吐き出して。)

「―――?」

(そんな所、背後が何やら騒がしい、酒に酔った冒険者の喧嘩だろうか、にしては、吟遊詩人は相変わらず歌っている。
マスターも別に何事かあった、とかそんな雰囲気でもなく通常営業だ。
何か有ったのだろうか?と気になる、さて、どうしたものか、と考えて、ウーム、と軽く悩んで。
まあ、いいか、と流すことにするのだが。

少しずつ、歓声が、騒ぎが、大きくなっていくのである。
いよいよ気になったので、男は、ちらりと、歓声の大きい方に視線を向けてみた。)

イディオ > 「―――――。」

(言葉を失った、何と言えばいいのかわからない状態である、喧嘩ではないし、さりとて、盛り上がっているという訳ではない。
さて、どういう事と問いかけるのもなんか憚られる状態でもある。
酒を飲んで酔っ払い過ぎなのだろうか、マスターも放置してるし、寧ろ吟遊詩人もネタだとばかりに眺めている模様だ。
手元にある酒を呷り、摘まみを齧り、何と言えばいいのかわからないその現状を眺めることにする。
酒がいけない所に回ったのだろうか、幻覚を見ているのかもしれない。

そういう風に思ってしまえば、見ているのもなんかだるくなってくる。)

「ねよ。」

(思考が固まり、こう、もういいや、と言う感じになって来たので、男は酒を飲み干した。
つまみを齧り終えて、最後まで酒を飲み干して。)

「マスター、お疲れ。」

(代金を支払い、男は立ち上がり、そのまま、階段をのぼり、去っていくのだった。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からイディオさんが去りました。