2021/01/02 のログ
アンネリーゼ > 「えぇ、素敵なこと。暴力を振るわなければ、その子を一晩、貴方達の好きにしていいわ。
 守って欲しいのは、私の目の前から居なくならないこと。一晩経ったらその子を解放すること。
 とは言え、男の子を嬲るのは好みに合わないかもしれないし、今から女の子にしてあげる」

男達に告げるのは、少年を娘に変えてやるから、この場で陵辱しろという内容。
無論、今宵一晩のみの魔法であるが故に、夜が明ければ魅了は解けるし、少年も男に戻る。
殴る蹴ると言った直接的な暴力からは助けるが、彼らの暴挙を止めるつもりはない。
男としてではなく、女として男達に従え。それが、少年に課した援助の対価だった。

「――ん、えぇ、ちゃんと飲んでくれたのね。偉いわ。
 そうしたら、今から一晩だけ、貴方は可愛らしい女の子になるの。
 男の子の名残で、大きめのクリトリスが残ったり、胸は膨らまなかったりするかもだけれど。
 それ以外は、理想の女の子になれるわ。さぁ、可愛い貴方を思い浮かべて――レイプされて、ね?」

ぱきん、と指を弾く。同時に、少女と化した少年――"彼女"の座る地面に魔法陣が浮かぶ。
次の瞬間、するりと現れる人形めいた無数の腕が"彼女"の身嗜みを整えていく。
髪を梳かし、服を脱がして、肌を拭き清め、女らしさのある下着を履かせて。
それから、尻を男達の前に突き出す姿勢で"彼女"を固定し、身動き取れなくしてしまう。

「……さて、貴方はこれから一晩の間、彼らの雌になるのだからご挨拶をなさい?
 私を楽しませられたなら、綺麗な服の他にお捻りをあげる。だから、精々励むことね」

"彼女"に告げると、少女はどこからか作り出した柔らかそうな椅子に腰掛け、その様子を眺める。
男達の責めがあまりに不甲斐なく単調だったなら、魅了を強めてその意識すら奪うつもりで居た。

アンネリーゼ > 【継続致します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」からアンネリーゼさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」からジーゴさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にマクシーンさんが現れました。
マクシーン > 平民地区の一角に存在する冒険者ギルド。
それなりに込み合うギルドなのカウンターで薬草の入った袋を手渡し報酬を受け取る。
それほど多い収入ではないが騎士の給与以外の収入は馬鹿に出来ず定期的に引き受けている。
今日もその仕事を終えて受け取った報酬を懐にしまえば向かうのは掲示板。

「何か簡単でいい仕事があればいいですけど」

どうしても長期の仕事はできないので受けるのならば簡単な討伐か採取。
良い物がないだろうかと他の冒険者に交じり仕事を探して。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 冒険者ギルドの掲示板の前。
羊皮紙に書き連ねられた依頼文を眺めながらぼさぼさの髪を掻く中年男の姿がある。
金ぴかに磨かれた鎧や、派手な魔法の杖を抱える冒険者達が、
オークの群れだのワイバーンだのの華々しい討伐の依頼を前に、
自身の武勇伝を誇らしげに豪語し合う中、彼が眺めるのは如何にも初心者向けのしょぼい依頼。

地下街の鼠退治、キノコの採取、薬草集め、……等々。

見た目、貧相な装備に身を包む彼には似付かわしいかも知れない、
どれもこれも危険度が低く、拘束時間も短い代わりに報酬もそこそこの代物で。
その依頼文を一枚一枚、吟味するように読み込めば、その内の一枚に手を伸ばし掛ける。

マクシーン > 掲示板で仕事を探していれば、如何にも熟練者と言える冒険者たちが難易度が高いオークの群れや飛竜の討伐の仕事を選んでいく。
ああいう仕事も興味はなくはないが出向くだけの時間はなく簡単な仕事を重点的に眺める。
並ぶ仕事はどれもこれもが初心者向けではあるが期間が短いのでありがたいものばかり。

「簡単で人が選ばない…このあたりでしょうか…」

薬草やキノコ集めなどは新人が野外活動を覚える意味では大事な仕事。
連続して受けるには少々罪悪感がある。
ならばと嫌われる仕事の代名詞な鼠退治にしようと手を伸ばし。

「あ、すみません。大丈夫ですか?」

丁度近くにいた年上の男性の手に手をぶつけてしまい、慌てて手を引っ込めるとすぐに頭を下げてしまう。

トーラス > ギルドに掲示される依頼は危険度や拘束日数の高いものから報酬が付けられる。
熟練の冒険者達は、華々しい功績にもなる依頼に群がり、瞬く間に依頼への引受人が現れるも、
内容が地味で報酬も低いような依頼はいつまでも掲示板に貼り続けられる事になる。
彼が手を伸ばしたのも、一週間前から貼り出されて誰も手を出さないような人気のない依頼。
その依頼文に手を伸ばし掛けた所、横から同じ紙に手を伸ばそうとした女性とぶつかり、
掲示板の依頼文を手に取るも、彼女と羊皮紙を交互に見ながら、小首を傾げて見せる。

「ああ、いや、こっちこそ悪かったねぇ。……でも、君も、これを?」

その貌から足許まで、彼女の肢体を一瞥するように視線を巡らせる。
手にした依頼は地下街の鼠退治。水路が整備されていると言っても、
下水が流れ込む不衛生な地下での鼠の駆除は倦厭される依頼である事は疑いようもない。
特に彼女のような女性冒険者が好き好んで引き受けるようなものでは有り得ず。

「これ、地下の鼠退治だけど、……他の依頼文だったかな?」

流石に此の依頼を女性の彼女が選ぶまい、と誤解を抱き、
ならば、ついでに彼女の依頼も取ってやろう、と並ぶ他の依頼文と相手を交互に見比べる。

マクシーン > 「鼠退治でしたらそうです。誰も受けないみたいでしたので」

男性が手にしている依頼は自分が受けようとしていたもの。
長く残っている仕事はそれだけ人気がないか大変、もしくは報酬が安いかだがそういう仕事ほど受けやすいもの。
なので男性がそういう仕事を選んだ琴似驚き、視線には気が付かなく。

「わかっています。でも…そういう仕事ほど困ってるって事ですから」

男性の問いかけにそれであっていると笑みを見せ、その仕事を受けようとしていたと告げていく。

トーラス > 「成る程……、誰も受けない仕事程、困ってる、か。
 いやはや、俺みたいな奴とは違って、ちゃんと考えて偉いんだな、お嬢ちゃんは」

彼が嫌われている筈の鼠退治を選んだ理由は単純に一番近場である事に過ぎない。
この掲示板に貼られている依頼文の、殆どが街の外での活動であり、
逆に彼が手にした鼠退治は地下道であるが、街の中であるのだから、移動距離が少ないという理由に過ぎず。
依頼文と相手を交互に見遣れば、軽く唇の端を吊り上げて、表情を綻ばせて見せる。

「俺の名前はトーラスだ。この依頼、譲っても構わないんだが、
 出来高制の依頼のようだから、一緒に引き受けるというのは、どうだろう?」

地下街の鼠を全て退治する事ができるとは依頼主も考えてはおらず、
逆に報酬の基準がなければ、冒険者に成果を騙される可能性も存在する。
故に依頼の報酬条件は薬草採集等と同様の出来高成果払い。
即ち、何匹退治したかに応じて報酬が支払われる為に、複数人で受けても然程に問題ない代物で。

マクシーン > 「そんな事は全くありません。私は冒険者もやっていますが本業は騎士です。
こういう仕事は大事だって思っているだけですから」

偉いという男性にそんな事はないと首を振るが表情にはテレが混じり。
依頼内容だけでなく地下道という近場は遠出できない身には助かる場所。
少しは打算もあるだけに威張れないと思っていて。

「トーラスさんですね。私はマクシーンと言います。
私としては助かりますが、出来高払いですから報酬が下がりませんか?」

男性の申し出に目を丸くして驚く。
出来高払いの報酬ほど人数が増えれば儲けが少なくなってしまう。
それなのに一緒にと言う事に本当にと問うように見てしまって。

トーラス > 「へぇ、騎士か……、でも、だったら、猶更だろう。
 こう言っちゃ悪いが、俺の騎士様の印象じゃこんな仕事をやりたがらないぞ」

彼女の素性が明かされると双眸を瞬かせて、感心の色を益々強める。
と言うのも、ピンからキリまでいるだろうが、彼の騎士への印象はあまり良くはない。
冒険者や傭兵を自分達よりも下に見て横柄な態度に出るような輩は少なくなく、
自尊心の高い彼らが好き好んで汚れるような仕事を引き受けるとは到底思えず。

「マクシーン、か。あんた、この街の地下街の鼠の数を知っているか?
 冒険者が全員で赴いても狩り尽くせはしないさ。
 それに美人と一緒の仕事だと思えば、汚いドブ掃除もやる気が湧いてくるってもんだ」

幸い、地下に降りれば標的に困るような事は然程にあるまい。
何しろ、不人気トップクラスの依頼である為に鼠達は地下に自分達の王国を我が物顔で築いている位だ。
そもそも、真っ当に稼ごうとするならば、好き好んで選ぶような依頼ではなく、
冗談めいた言葉も交えながら、彼女に如何か、と笑いながら問い掛けて見せた。

マクシーン > 「それは否定できないです。でも私は例外と言う事で」

そうでなければ冒険者などをやっていることもないと笑い。
この国で騎士への印象が悪いのは所属しているからこそわかる事。
なので自分はそんな仲間になりたくは無いとこうしている訳だがそこは説明はしない。

「流石に分かりません。ですが街中の鼠がいる訳ですから数はすごいでしょうね。
そんな事を言っても何も出ませんよ?ですけど、やる気があるのはいい事です。
ぜひ一緒に行きましょう、よろしくお願いします」

男性の言葉に地下道に入ればどれだけ居るか判らない、だから人数が多い方が稼げる。
野外の害獣駆除とは勝手が違うのだったと恥ずかしそうに笑みを見せ。
それに稼ぐなら鼠よりも採取の方がまだ稼げるものが多い。
そんな冗談交じりな言葉によろしくお願いしますと頭を下げて。

トーラス > 「ん? 街中の鼠とは……、まぁ、いいか。
 じゃ、此方こそ宜しく頼むよ。マクシーン。」

一瞬、彼女の言葉に僅かばかりに認識の齟齬を感じて小首を傾げるも、
その説明をする事はなく、軽く握手でも交わしたならば、
依頼文を受付に持ち込んだ後、ギルドを後にする。
向かう先は街中を流れる水路の出入口から通じる地下街。

街の排水溝から流れ込む下水道が縦横無尽に走る地下街は昏くじめじめと湿気に満ちる。
松明を片手に足を踏み込んだその場所でまず感じるのは、余り長居したくないと思える異臭だ。
水路の脇に設けられた狭い通路を歩きながら、一時的な相棒に振り返り。

「……相変わらず、酷い匂いだな。騎士様に耐えられるかい?」

丸盾を持つ手に松明を掲げ、利き手は空けた侭で周囲の様子を窺う。
住み着いているのは何も鼠に限らず、ならず者や盗賊の輩も住処にする事のある場所。
警戒するように周囲を見廻している間、路の端から鼠に鳴き声が聞こえてきて。

マクシーン > 「地下に行けば普通に鼠だけでなく色々な物があったり居たりしますから」

男性と握手をし、まるで地下に行き慣れているように呟き。
そして依頼文を持ち込み二人で受けることを告げて男性と共にギルドを後に。
準備は既に出来ていたので真っ直ぐに現地へと向かい。

一歩足を踏み入れればそこは湿気に満ちた空間。
灯りがなければ先も見えない場所で長居をしたくない悪臭に思わず鼻元をハンカチで抑え。

「大丈夫です。来たのは初めてではないですから…。
それよりも落ちないように気を付けないと」

水路の脇の通路は細いの一言、二人で並んで歩くのは難しい。
なので男性に先をお願いをしてランタンを手に後ろを警戒しながら続き。

「早速居るようですね」

聞こえる鼠の鳴き声にもう近くに居ると分かると何処から手を付けます?と男性を居る。

トーラス > 悪臭蔓延る下水道が流れる地下街にて、ハンカチで口を覆い貌を顰める美人の相棒に口端を緩める。
それでも、マグメールは腐っても一王国の都であり、衛生面でも優れていると言わざるを得ない。
ある程度の大きさの都市でも、糞尿が垂れ流しの街は多く、下水道が整備されているのは珍しい。

「そいつは心強いな。
 あぁ、落ちたら直ぐにでも湯で洗わないと、一週間は匂いが落ちないぞ」

茶化したように告げるものの、ただでさえ、悪臭の元凶たる水路に落下すれば、
その匂いを落とすのに難儀するのは間違いない。
警戒しつつ通路を進み、周囲から聞こえてくる鼠の鳴き声に口端を吊り上げると、
徐ろに腰に佩いた剣の柄に手を掛けて刃を引き抜けば、彼女へと剣先を向けて。

「手当たり次第、……まずは其処だな」

地面を蹴り、女との距離を詰めるように走れば、その剣閃を走らせる。
次の瞬間、彼女の頭上、天井に張り付くように獲物を狙っていた、ソレが甲高い悲鳴と共に地面に落下する。
大型犬、或いは、猪ほどはあろうかという大きさの巨大鼠(ジャイアントラット)。
周囲をランタンや松明で照らし上げれば、その巨大鼠の紅い瞳があちらこちらで煌々と輝いている。

マクシーン > 「…思い出させないでくださいよ。できれば落ちずに終わらせたいです」

もう経験していますというように肩を落とし、もし落ちれば男性の言う通りなので落ちたくはなく。
周囲だけでなく足元もにも気を配って進めばいよいよ鼠退治の時間。
ハンカチをしまい剣を手にすればこちらに切っ先を向けられ動きを止めてしまい。

そして一気に近づいてきたと思えばの一閃に思わず目を閉じてしまい。
しかし痛みはなく頭上からの甲高い悲鳴に狙ったのは自分でないと分かり。

「せめて一言言ってください。驚きますから」

そういえばランタンや松明に照らされる周囲に輝く紅い瞳。
向かってくる巨大鼠に剣を振るい一匹を切り裂き下水へと落として。

トーラス > 冒険者の最初の難敵とも呼ばれるゴブリン退治にまだ早い新人の時分、
比較的安全な街中の依頼で地下街の掃除を請け負い、下水に落ちるのは誰もが通る道。
当然、女同様に彼自身も経験済みであれば、呵々と笑い声を通路内に響かせる。
そんな声を洩らしていれば自分達の居場所を周囲に宣伝しているようなもので、
集まってきた巨大鼠の一匹を一刀の下に切り臥せると苦情を告げる女に口端を歪め。

「悪い悪い。もしかして、只の鼠と勘違いしているんじゃないか、と思ってな。
 まぁ、その分だと、本当にドブ掃除を騎士様が担ってたんだな。感心感心。」

普通のサイズよりも遥かに大きな異形の鼠にも怯まず、
果敢に切り裂く女騎士に囃し立てるように口笛を吹き鳴らす。
そんな合間に松明を鼠の群れに向けて投げ付けると、その灯りを目星に通路を駆けて、
左右へと無造作に剣を振るえば、虚を突かれた鼠達に断末魔の悲鳴を上げさせる。

「あ、……言い忘れていたが、後で耳を回収してギルドに提出する必要があるから、
 下水よりも通路に落とした方がいいぞ」

今更ながらにその様な注意事項を意地悪く告げつつ、話ながらも鼠の死骸を量産していく。

マクシーン > 「笑わないでください!」

笑い声を上げる男性に思わず声を大きくしてしまい。
その笑い声や自分の声、そして灯りに巨大鼠が集まる音や鳴き声に気持ちを切り替え。

「何度も来ているので大丈夫です。それより私が勘違いをして切りかかったらどうするつもりだったんです。
ここで間違ったりはしません」

人や妖魔を斬るよりもやりやすい大鼠を切り捨てては次に視線を向け。
松明を投げ豪快に戦う男性とは違い、ランタンを手に堅実に一匹ずつ倒していく。

「…あとで回収できるのは引き揚げます。それよりも減らさないと大変ですよ」

はっとしたような顔になればわかっていると慌てて告げて。
何匹目からば大鼠を通路に転がすようにして確実に駆除をして減らしていく。

トーラス > 「マクシーンみたいな美人に斬られるならば、それはそれで男冥利に尽きるってもんだろ」

冗談交じりに笑い飛ばして見せるも、彼女が誤って斬り掛かってきても対処できるという自信の顕れ。
うだつの上がらぬ風貌に、使い込まれてボロが来ている装備品、彼女と一回り以上も離れた冴えない中年。
外見から感じられる、それらの印象に反して、鼠を切り臥せる男の動きは熟練された代物。
女の言葉に頷き、並み居る巨大鼠の大群に向かい、瞬く間に数を減らし続ける。

尤も、所詮はゴブリンよりも新人向けと位置付けられる野獣の類。
栄養が豊富なのか、何処ぞの研究者の愛玩動物が逃げたのかは不明だが、幾ら巨大な躰を持っていても所詮は獣。
碌な連携も見せなければ彼と彼女の敵にはならずに駆除は問題なく進む事だろう。

だが、窮鼠猫を噛むの喩えもある。
冒険者達の油断か、追い詰められた鼠の意地か。

「っ!? ――――マクシーンっ!」

切り臥せたと思い込んでいた最初の一匹が起き上がると、彼女の身体に体当たりを敢行する。
彼女の反応が遅れて避け切れなければ、その直線上には男の姿と下水路が存在しており。

マクシーン > 男性は男冥利に尽きるというが斬る方はたまったものではない。
ただそう言うからには避ける自信があるのだろうと考える。
自分よりは年上で使い込まれた装備品、そして動きから腕が立つからこその言葉だろうと。

「頼りになりますね。本当に」

ゴブリンよりも倒しやすい大鼠とはいえこれほどに倒していく光景は頼りになる一言。
自分よりも多くを葬る姿は頼りになる一言、駆除も順調に進んでいき。

それゆえについ油断をしてしまい……。
男性の言葉に何事かと視線を向ければ向かってくる大鼠。
それに反射的に剣を突き立てるが避けることはできず…諸共に下水に落ちてしまい。

「……最悪です…。もう十分倒しましたから…帰りましょう」

上から下まで汚水に塗れてしまえば引き揚げたくなるのは女性としては仕方なく。
男性にもう十分でしょうとお願いするように告げて。

トーラス > 背後から迫りくる巨大鼠の生き残りに気付き、声を掛けた迄は良かった。
問題は彼女がその突進の餌食となった場合、どういう結果になるのかへの想像力が欠如していた事。
振るわれた剣が巨大鼠を仕留めるも、勢いは止まらずに彼女の身体を突き飛ばして、
そして、其の侭、己の胸の中へと飛び込んでくる形の彼女もろとも自分も通路から足を滑らせる。
二人と一匹を受け止めた下水は派手な音と共に水柱を上げて周囲に雫を巻き散らかして、
身に着けた装備から衣服まで、下水塗れの濡れ鼠となった結末が其処には存在した。

「……そうだな。耳を回収して帰還しよう」

彼女の提案に反対意見を述べる理由は何処にも見当たらず、
十分な成果と、残念な結末に眉根を詰め寄らせながらも頷きを返す。

「しかし、派手にやっちまったなぁ。
 ……ギルドに帰る前に公共浴場にでも寄っていくか?
 近場でいい場所を知っているし、此の侭、戻ったら文句を言われそうだ」

普段の数割増しの見すぼらしさと悪臭に塗れた自身の姿と同様の彼女を見つつ、苦笑しながら提案する。
いい場所の理由が混浴があるという事を伏せた儘、彼女にそんな誘いを投げ掛ければ、
回収した巨大鼠の耳を袋に詰めて、元来た道を引き返していき――――。

マクシーン > 今まで腰付近まで下水に入ってしまうことはあったが全身が汚水塗れは流石に直ぐに洗いたいレベル。
その為にもっと稼げるにも拘らず帰ろうと我儘を言ってしまい。

「助かります…。下水の中は私が回収します」

男性が反対しないことに安堵の息を吐き濡れた髪を掻き揚げ。
男性が通路の鼠の耳を集める間に落ちてしまったからと開き直り下水内の鼠の耳を集めて。

「派手ですんでません。
もちろんそうします…着替えは……諦めるしかないですけど」

男性の苦笑をしながらの提案にそうしましょうと頷き。
どんな浴場かはわからないが渡りに船と下水から通路へと上がり、男性と来た道を引き返して。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からマクシーンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に黒須さんが現れました。
黒須 > (凍えそうな冬の風が吹き続ける平民地区。
街を歩く人たちは、どうにか温かく過ごすために厚着をし、身支度を済ませようとしていた。)

「…普通に暮らしている奴は、どうやら大変みたいだな…。」

(そんな様子を一人屋根の上から眺める男が居た。
黒須、元貧民地区の住民であり、今は師団の一員として活動している獣人の男である。
季節が変わろうとも、いつも通りの革ジャンとズボンの姿に身を染めて過ごしていた。)

「…さてと、面倒だが…パトロールすっか…。」

(誰も迷惑にならないだろうと思い、咥えた煙草をしながら軽々しい足取りで屋根の上を歩く。
下を流れるように歩く住民を監視し、問題が無いかと確認する)

黒須 > (煙草が燃え尽き、灰が風に流れていくと同時に止まり、再度屋根の上に腰を下ろす。)

「ん、問題ねぇな…。
魔族の臭いも、事件の可能性がある奴も見当たらねぇ…。」

(臭いを嗅げば魔力や隠し持っている武器などを当てられるためにお見通しであった。
対して仕事はしていないが、休憩がてら煙草を一本吸い直し、また道歩く人を眺める。)

「…どっかに抱けそうな女はいねぇか…。」

(ここ最近、満足して夜を過ごす機会が少ないために溜まる物も溜まっていた。
丁度良く、直感に引っかかりそうな相手を探し、それらしいことを言ってまた夜を過ごそうかと軽く見回っていた。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区」から黒須さんが去りました。