2020/12/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にカルヴァさんが現れました。
カルヴァ > 「はい、―――わかりました。神父様も良いお年を
 それと、これを教会に来る子どもたちに」

少年は、神父に大きめの袋を渡す。中にはお菓子が詰まってる。この教会は孤児院への寄付を行っているのも知っているがゆえの贈り物だ。
神父は袋を受け取り、握手の手をのばすが――少年はその手を恭しく頭を下げ、断る

「ご存知の通り、わたくしの手は悪しき吸血鬼の手で穢れておりますゆえ……その菓子も、あくまで教会からの寄付ということでお願いします」

踵を返し、教会を後にする。神父は少年の背中を見おくり、苦笑しながら肩をすくめる。少年ほどに敬虔に職務を全うする者が神父と握手すらしないのも、おかしな話だと。


―――新たな年を迎える。その準備もそろそろ終わるだろう。新年の備蓄も済ませたせいか、街路を歩く人は少ない、商店地区や酒を出す酒場街などは別だろうが、住宅地区やその他の地区はほとんど閑散としている。
白い息を吐く。空は青くはない、冬によくある、薄い曇天だ。曇天を見上げながら、少年は次の仕事を考える
鉄板のはいった軍靴だが、音がならないように細工のされたそれは、石畳を歩いても足音はしない。

目星のついている獲物――吸血鬼もいる。強力な吸血鬼でもあるので、真っ向からしかけず暗殺をする手はずもできあがりつつある。
だが、新しい年になれば、街はお祭り騒ぎだ。当然富裕層も貧困層も、王城も変わらない。ならばそこに貴族のふりをした吸血鬼も見つかるかもしれない。吸血鬼は貴族階層になりすますものもそれなりにいる。
この期間は非常に大事だ。お祭り気分でで心の緩んだ吸血鬼を狙うか、新たな吸血鬼を見つけておくか、判断が難しい。

「はぁ………忙しい、のか、難しい、のか。 どちらを選ぶのも間違ってはいないのかもしれないけど。それに、大きなチャンスではあるからなぁ」

白い息がまた、空気に漏れて、消える。こういう機会はそうは無いのは分かってる。魔族が人間界に溶け込んでるからこそ、こういう行事には参加し、気が緩む。強力な使い魔にもこういう行事だからこそ自由を与える者もいる
こちらからすればこれ以上無いビッグチャンスなのだ。
確実に仕留めるのも、長い期間をつかって、吸血鬼をさがしだすのにも使いたいからこそに、悩んでしまう

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からカルヴァさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にファリエルさんが現れました。
ファリエル > 王都マグメールの中で最も賑わう大通り
年の暮れも押し迫った頃合いとなれば、ただでさえ賑わう市場には新年を彩る大量の品が入荷され、また同時に出荷されて行く。
慌ただしく行き交う人々は、誰も彼もが年の瀬に追い立てられているかのよう。

そんな雑踏の片隅で、メモを片手にぽつんと佇む少女がひとり。
どこか困った表情を浮かべる少女が、この辺りに慣れてはいないだろうというのは身に纏う雰囲気で即断できる。
そうでなくとも、着ている服も使用人のものであっても、上等な生地だというのは一目で分かるもの。

「あの、ちょっと道をお尋ねしたいのですけれど……」

何度か誰かに道を尋ねようとする様子が見えるけれど、先を急ぐ商人や買い出し客にそんな相手をする暇があるはずもなく。
結果、その度に玉砕して、人の流れの邪魔にならない路地の入り口で、誰か話を聞いてくれそうな人をきょろきょろと探すばかりに。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルインさんが現れました。
ルイン > 年の暮れともなれば人が多いところほど何かしらの揉め事も起きるもの。
そんな事もあり衛兵に交じり街中、大通りを見回る。
普段から賑わっている大通りはもうすぐ年を越す事もあり更に賑やかとなっていて。

「これだけ人が多いと何かしら起きるのですよね。
起きないのが一番いいのですけど……あれ?」

行き交う人々の間で問題は起きていないか、引ったくり等はいないかと注意しながら歩き。
そんな途中でふと一つの路地の入口できょろきょろと何かを探しているような少女を見つける。
迷子か探し物かはわからないが、今はそのままに出来ないと近寄っていき。

「どうしました、迷子ですか?」

近くまで行けば笑みを浮かべて声をかけていく。