2020/12/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > リュートとアコーディオンの音色。
平民地区の広場は、冬至の祭りに夜も賑わっている。
通りでは蜂蜜酒が振る舞われ、露天にはあたたかいスープ。
肉汁著しい骨付き肉、焼き立ての酵母入りパン、山ほど果物が盛られたケーキ。

家々には魔力の明かりを伴った花壇が飾られ、
木製のメリーゴーランドに人だかり。

普段は外出を控える子供たちも、この日ばかりも例外とばかりに両親と連れ立って。
剣呑な目で遠征の馬車に乗り込む冒険者も、こぞって財布の紐を緩めている。

そんな賑わいの中を、目元を緩めながら歩く褐色肌の冒険者がいた。
左手に揚げたてのフライドポテトを、
右手にはソーダ水にチョコソースのかかったバナナを。
左右交互にぱくつきながら、人の背丈よりはるか高い位置に座って漕ぎまわる一輪車の大道芸がすぐ脇を通るのを楽しげに見送って。

一人満喫しつつ、誰かお暇な人や知り合いの姿がいればこの賑わいに巻き込もうと周囲を見回し。
バナナをぺろり。

タピオカ > 音楽が鳴り、人が集まるとどうなるか。
誰かが身体を揺らし始めたら、隣の人と手を取り踊り始めた。
その周囲で真似て腰を振る人が現れたら、
そのまわりでも見様見真似。
踊りの輪が勝手に広がると、冬至祭りの賑わいはいつしか舞踏会へ。

お酒に酔った勢いに踊るデタラメさも、
富裕区に出入りしていたらしい紳士の渋い足さばき。
流れる音楽は個々独立していたものが、自然と隣り合う音色と和音を奏で、大勢のステップのリズムをリードするものへ。

これなら、自分の腰にある得物を抜くしかあるまい。
両手の食べ物飲み物をすっかりたいらげた褐色肌の冒険者は、サッシュの脇に差し込んだ横笛を取り出して。
近くで爪弾くリュートのそばに、のどかなメロディ吹き鳴らし――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。