2020/12/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にしずくさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からしずくさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 平民地区の居住区の隅――簡素な公園
花壇、灰色の石畳、ベンチ―――たったそれだけの小さな公園である
そこに、小柄な、軍服を着た少年がやってくる。整った顔立ちだが、非常に目付きが悪く、纏う空気もすこし鋭い。
本人に悪気があるわけではない、素である。別に睨んでるわけでも殺気を出してるわけでもないが、普段からこんなもの―――まあ、少年からしたら一人のほうが都合がいい。妙な声がかかるよりはマシだ。

公園につくと、ベンチに向かう。どし、と腰をおろして、右手にぶら下げた紙袋から、干し肉を取り出し、ガジガジと齧る。 コショウや香料の効いた安物の干し肉、まあこのぐらいジャンキーな方が少年は好きだ
干し肉という昼食をガジガジかじってると、花壇からもそ、もそ、と野良猫が出てくる。この居住区の住民から餌でも貰ってるのか、ずいぶんとでっぷりとして、なんというか――愛想が良いかんじではなくふてぶてしい感じの野良猫だ。少年の方に、ゆっくり、ゆっくりと近寄って、ひょい、っとベンチに飛び乗る。
少年は野良猫の存在には気づきつつも、無視するように気にしない。
野良猫は、袋をじっと見て、右手を伸ばし、ふくろに引っ掛ける。

「糞猫、てめーのじゃねえよ」

ぺい、と野良猫の手を払う。野良猫はやめない、媚びない、手を出す
少年は手を払いながら、ポケットから小さな紙袋を出して

「うっぜーな、お前のはこっちなんだよ。ほれ」

小さく刻まれた干し肉、牛と鶏のだ
こちらは味付けも塩もない、ただの燻製である。人間には味気のないものだ。

野良猫は、スンスンと、干し肉をかいで、齧りだす。
少年は、もう野良猫を無視して、のんびりと自分の干し肉をかじって

グラスシエル > ゆっくりと齧って、ごくんと飲み込む。辛くなった喉を、水で洗い流すように水を流し込んで飲み干す。

――今度、水飲み皿でも持ってくるか

なんて思いながら。野良猫も、干し肉を食べ終えて満足そうに顔を洗ってる。少年にすりよったりしない、媚は一切売らないし、愛想もよくない。ただ、この少年は餌をもってきたり、良い布団になる程度の認識かのように、膝に、のそのそと上がって、丸まる。
少年は、撫でるわけでもなく、無視して水を喉に流し込んで、雲の多い空を見上げる

「ああ、腐っちまうな。平和で、なーんもない世界だ。
 戦いも必要ない場所に俺が居てもなんも意味がねえ」

天界は、どうなってるだろう――戦は起こってないと思いたい。
戦いも、コロシアイも碌なものじゃない、椅子に座った偉い天使の命令で、死ぬのは弱くて真面目な天使だ。ほんとうに碌なものじゃない
だから、戦天使として『造られた』事を後悔や、嘆く事はない。その天使の代わりに戦って、護ってやれるなら、十分だろう。

ふと
珍しくも、野良猫が少年の顔を見上げていた。会いからわずふてぶてしい表情である。じっと、見つめるだけ
くしゃ、と頭を一度だけ撫でる。猫は、さっきの通り丸まって、もう、興味もなくしたように

「なんでもねえよ、ちょっと考え事してただけだ」

グラスシエル > 腹も膨れた、空を眺めるのも飽きた。
野良猫を持ち上げ、地面に下ろす。自分は、ふわりと宙にういて、空へ

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグラスシエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセラフィさんが現れました。
セラフィ > すっかり日も暮れてしまった平民地区の一角。
日も高い時には商店が開き賑わってもいたが暮れてしまった今では人影もほとんどなく。
そんな道を一人で歩いて。

「宿はどっちだったかしら。確かこっちの道を…」

昼間ならば誰かに聞くなりすればよいが日が暮れてしまえばそれも出来ず。
まだ慣れない街中では迷えば知った場所に行くまでは今の居場所もはっきりとわからず。
この店は知ってるから…と記憶を頼りに宿への道を探し歩いて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセラフィさんが去りました。