2020/12/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 平民地区――居住区
その隅の方の、小さな公園
遊具などは無く、花壇と石畳とベンチ、これだけの小さく簡素な公園である。
そんな公園にふわりっと、外套をまとった少年が空から舞い降りる
キツ目の目つきの、細身の少年である。顔立ちは端正――まだ少年なこともあり中性にも見えるが、その目付きの悪さが台無しにしてる感じだ。 公園に舞い降りた少年は、まっすぐにベンチへと向かう
ここは、静かで人も来ない―――寝転がるには丁度よいのだ
まあ―――

「……またお前か」

ベンチには先客がいる。とはいっても人ではない、恐らくは此処を根城にしてる野良猫である。でっぷりした体格からして、居住区の住民から餌をもらってるのであろう。
野良猫は、少年を見上げて―――逃げるでもなく、尻尾を丸めてる
少年は今にも噛みつきそうな野犬のような目つきで睨む

「そこは俺の席だ――どけ糞猫」

少年の静かな威圧に、野良猫はくぁ、とあくびして、見上げる
静かな火花が野良猫と少年の間にバチバチと散って――すぐに野良猫は無視するように体を丸めてしまう

「―――っこの」

まあ、とはいえ――猫に乱暴するでもなく、仕方なく少年は猫の隣に座る。寝転がれないのは邪魔でしょうがないが、こういうのは早いもの勝ちなのだろう

―――と

野良猫は、のそ、と重そうな身体を起こし、堂々と少年の膝に乗り――暖かさと柔らかさを確認したようで、その上で丸まる
媚を売るわけでもなく、ただただ、都合のいい布団のように

―――ひきっ

少年の額に血管が浮く、右腕に魔力が籠もり、爪が具現化し

―――しかし、まあ、血みどろな展開にはならないのだ

少年も大概に甘い。殺し合い以外は比較的に、人と馴れ合わない程度ですます。野良猫を少し抱え、自分は寝転がり、腹の上に載せ、外套をかぶる。
野良猫は丁度いい敷布団を得たかのように、くるん、と丸まって
少年は猫の方はもう興味がないかのように、寝転がって、星空を見上げる。

グラスシエル > そのまま、少年は眠りにつく
外套を深くかぶって、野良猫を腹に乗せたまま
まあ、風邪は幸いひかないだろう――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグラスシエルさんが去りました。