2020/11/24 のログ
テンタ >  
そうして触手の世話をしていれば、何やらこちらに走ってくる男。
触手を撫でながらその男の話を聞けば、どうやらレンタルしている触手の調子が良くないらしい。

「はぁ、寒いから風邪でも引いたっすかね」

とりあえず触手を鞄に詰めて、シートを片付ける。
そのまま男に付いて公園を後にした。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 公園」からテンタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にフラッドさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にイナニスさんが現れました。
フラッド > 平民地区の大通りにある酒場の一つ。
それなりに込み合った店内のテーブル席で軽い飲酒と食事を楽しむ。
見た目な年齢では酒の類は断られそうだがテーブルには酒と軽食があって。

「人間の食は飽きが来ないな」

時折に足を運んではこうし、この日も食事を楽しんでいたが少しだけいつもとは違い。
それは食事中に新たに現れた客に視線を向けてはなぜか気になり。

「そこの、よければ共に飲まないか?」

そう唐突に今やってきた金髪の少女に声をかけて酒への誘いをかける。

イナニス > 少年に声をかけられたのは、金髪碧眼の少女。
整った身なりと何処となく優雅な身のこなしは、どこか高貴な血筋を思わせる。
そこはかとなく感じる魔力からは、
分かる者には、まだ若いのにそれなりの魔法使いである事が察せられるだろう。
彼女の名はイナニス、つい最近この街で冒険者として活動し始めた少女だ。

最初は声をかけられた事に気づかぬ様子だったが、少年の視線の先には自分しかいない。

「えーと。
 『そこの』、というのはこの私の事かな?」
少し困惑した様子で少年に言葉を返す。

「……んー。
 いいでしょう、相席失礼するよ。」
受ける理由は無いが、しかし断る理由もない。
名も知らぬ少年と盃を交わすのも一興、と少女はフラッドの正面の席に着いた。

フラッド > 少女が目に付いたのは酒場に来るには不似合いに思える優雅な着こなした姿。
そして判る者には判る魔力。
そこから初見ではあるが興味を覚えたという理由。
ただ名も知らぬ相手に声をかけても最初は気が付かれていないが視線で気が付いた様子。

「そうだ、貴君だ。俺と酒を飲め」

困惑した様子も全く気にせずにお前だと告げればもう一度用件を告げる。
一度目は誘い、二度目は命じるように告げたが悪びれた様子は全くなく。
少女が向かいに座ればそれでいいと満足そうにして。

「貴君からは何故か面白そうな匂いがしてな。それで声をかけた」

声をかけた理由を簡潔に告げれば隣のテーブルからグラスを勝手にとり。
少女の前に置いては酒を注ぎ、次には自分のグラスに注いではグラスをもって乾杯をしようと軽く掲げてみせる。

イナニス > 「あはは。
 偉そうだな、君は。
 いや、実際偉いのかな?」
店員を呼び止めて酒とつまみを注文しようとすると、少年から一杯注がれる。

「では、乾杯。」
グラスを受け取り、軽くグラスを掲げると、
優雅に唇をつけ、くいっと一気に飲み干した。

「ふむ。案外美味しいものだね。
 よければ御代わりを頂けるかな?」
にこりと微笑みグラスを少年に差し出す。
と、同時に店員につまみを数点注文。

「さて。
 君は私を面白そう、と言ったけど。
 具体的に、どのあたりがそう思わせたのだろう?」
つまみが来るまでの間、首を傾げて疑問を率直に問う。

「隠し切れぬ私の知性を感じとったのだろうか?
 それともタダ事では無い秘められた実力を?
 あるいは……この美貌に惹かれてしまったとか?」
ニヤニヤと悪戯っぽく笑いながら恥ずかし気も無く述べるこの少女、
結構な性格をしている様である。

フラッド > 偉いのかと問われると当然というように笑みを見せ。
軽くグラスを掲げ合うとグラスの中身を一気に飲み干し、同じように飲み干した少女を見ては面白そうに笑って。

「この店でも良いと言える酒だ。
酒の味が判るのなら誘った甲斐もあるぞ。
構わんぞ、飲むと良い」

差しだされたグラスに遠慮はいらないと二杯目を注ぎ。
少女が店員に注文をしたのに合わせてもう一瓶追加を頼む。

「面白いと思った理由か?
つまらんことを気にするのだな」

己のグラスにも酒を注ぎ、今度は舐めるように飲んでは視線を向け。

「先ずは身のこなしがこういう酒場には不似合いという事だ。
次には貴君の魔力は中々の物だ、そこも目を引いたな。
美貌か…そうだな、俺の財宝にしてもよいと思えるレベルではあるな」

悪戯っぽい笑みを浮かべる少女を見つめたまま少し考えるしぐさを見せ。
最初は褒めているように聞こえない言葉を口にし、次にはその魔力は素直に目を引いたこと。
そしてその容姿は持ち帰り愛でるのも悪くはないと意地の悪い笑みを浮かべてグラスに口をつける。

イナニス > 「ふーん、確かにそこそこ……
 ……いや、なかなかの味だ。」
最初に『そこそこ』と評したのを、
慌てて訂正しながら御代わりを受け、もう一口。
喉を抜ける爽やかな味わい。
アルコールが身体に回り始め、身体が浮つく感覚。
ふむ、庶民の酒も悪くはない。

「あはっ!
 趣味が良いね君は。」
美貌を褒められ、素直に嬉しそうに笑顔を見せる。

「お褒めに預かり光栄。
 とは言え私は、ありふれた冒険者の一人にすぎないのだよ。
 まだまだ新米のね。」
つまみが運ばれてくると、
ナイフとフォークを手に取り優雅に切り分けながら……

「さてそれでは。
 そんな君は、どういう人なのかな?
 偉そうだけど貴族……という訳では無さそう。」
彼の姿を上からじろじろと見つめ回す。
灰色の髪に、自分と同じ碧眼が美しい。
衣服からは流れの旅人と言った風情。
その気配は、何処か人間離れした威を仄かに感じる。

フラッド > 「言い直さんでもいいぞ。
酒の好みは十人十色と言うのだろう?」

言い直した様子に合わなかったかとグラスに口をつけては見返し。
良い酒ではあるが爽やかな味の割に度数はあるからと付け加え。
人間には強めという酒ではあるがそれを水のように飲んで3杯目を手酌をして。

「貴君は俺から見ても美しく思うのは事実だ。
何だ、本気で財宝に加えて欲しいのか?」

素直に嬉しそうに笑う顔を見てはなるか?と挑発的に笑みを返し。

「ほう、新米の冒険者か。その割には魔力は多いようだな。
貴君ならば驕りさえ持たなければ大成するであろうな。
しかし……ただの冒険者には思えんな」

届いたつまみを優雅に切り分ける姿は貴族のそれ。
ありふれたという言葉に疑いの視線を向けて。

「俺か?貴君も何者かというならば聞かせてもよいぞ。
貴族ではないな。俺はドラゴン、名はフラッドだ」

何も恥じるものはないと正体を軽い事のように明かし。
貴君は何者だと問いかけるように見つめ、嘘は許さんという色を瞳に浮かべて。

イナニス > 「君の財宝に?
 あはは、面白い事を言うね、君は。」
からからと笑って、冗談と受け流す。

「いえいえ、一介の冒険者ですよ。
 ただ、僕は天才なので。
 魔力に秀でているのも当然なのです。」
けろりと声色も変えず、自賛の言葉を述べる。
驕りさえなければ、という言葉は耳に入らなかった様だ。

「へぇ。ドラゴン。」
初めて目にする竜族に、好奇の眼差しが刺さる。
それは書物でしか知り得なかった存在だ。

竜が、人に姿を変えて浮世に現れているのか。
まったく、この界隈は面白い。

「私の名はイナニス。
 んー……そんな目で見ないで欲しいなぁ。
 この名は仮の名だし、
 私のこの身体もまた仮初の物……
 ……と、言うくらいで、勘弁してくれないかな?」
嘘をつけば竜の息吹で焼き払われそう、そんな圧を感じる。
……彼が火竜かどうかまでは知らないが。
正体は明かさないが、正体を隠しているという事は明かして茶を濁した。

フラッド > 冗談と流されても気にした様子はなく酒を口に運び。
空になったグラスに次を注いでは、どうだ?と勧め。

「そういう事にしておいてやろう。
自分で天才という貴君は自信家だな、本当に面白い」

自賛しそれが当然という態度は見ていて面白く。
ここまで面白く感じるとは声をかけて正解だったと考え。

「俺は己の事には嘘はつかん」

好奇の視線を受けると疑うのかと視線を向け。
その視線が信じていないというように感じ、軽く頭に手を寄せれば幻術の一部を解除し生える角を見えるようにして。

「名も身体も仮初の物か。
なるほどな……だからこそ興味が惹かれた訳か。
隠さずに素直に答えたのだ、許そう」

隠して濁そうとしたならば何かしようと思ってはいたが、素直に答えた事に許すと告げ。
ただ仮初の身体がどこまでの物かという新たな興味が沸き起こり。
確かめさせろと言わんばかりに隣の席を叩いて見せて。

イナニス > 「へぇ、角だ!」
秘匿されていた姿の一部が開示される。
それは正に、書物で見た竜の頭に聳えていた角。
その角の形状、感じる魔力から察するに、水龍の一種だろうか。

「そう、仮初の身体。
 いや、仮初というのは少々不適切かな?
 何人かいる私のうちの、一人。
 ……なんて、ついつい喋ってしまったけど、
 なるべく他の人には秘密にしておいて欲しいな。」
聞かれてないから、喋る必要は無かった秘密の情報。
秘密ではあるが、時として秘密は誰かに漏らしたくなるものである。

「ん?
 身体検査……?
 外見も中身も、紛れも無く私自身。
 我ながら、よくできていると思うよ。」
そう言いながら、フラッドの隣へと席を移す。

フラッド > 角だけで信じる様子にそれだけの知識は持っているとみる。
珍しいという驚き方とはどこか違うように感じた事もあって。

「何人かだと?全く自分と違う身体ではなく、まったく同じものという事か?
それは面白いな、魔法で作っているのか?
安心しろ、誰にも言いはせん」

聞かされた内容に興味を覚えたのか瞳を輝かせ。
もし魔法であるならば覚えてみたいという欲求、そしてそんな面白い事を誰にも漏らさなと誓って。

「似たようなものだ。
どこまで再現できているか興味が起きた」

己の隣の席に移ってきた少女の肩を抱きいきなりに引き寄せようとし。
抵抗がなければそのまま首筋に顔を埋め匂いを確かめ、服の上から胸を掴み人目を気にせずに確かめようとしていく。

イナニス > 「その通り。
 だから、どれが偽物という訳でも無いし、どれが本物という訳でも無い。
 魔法、とは少し違う様だね。
 これは私に生まれつき備わった、特殊な力みたいだよ。」
得意気に、秘密を語る少女。
つまりは、彼女は完全なる分身を生み出せると言う。
そしてこれは他人が真似るのは非常に難しいのだと。

「おっと?」
いきなり肩を抱き寄せられ。

「わ……っとと。」
身体を検められていく。
乙女の匂いを嗅がれたかと思えば、
ふっくらとした双丘に手の平が埋もれる。
その様を、目を白黒されながらされるがまま。

「ど、どうかな?
 特に違和感は無かったかな?」
身体に走る浮ついた感覚は、酒のせいだけではあるまい。
表情に戸惑いの色を交えつつも、なるべく平静を保つ少女。

フラッド > 「ここにいるイナニスは貴君本人であり、違うという事か。
ほう、魔法ではなく生まれついた力か。
増々興味深いな」

聞けば聞くほど興味深い存在になっていく少女。
魔法ではない力で完全な分身を生み出せる。
それだけで財宝として手に入れたくなる魅力を覚えて。

そうして抱き寄せて感じた感触は人間と全く同じ。
首筋から吸い込んだ匂いは乙女と言える初々しい匂いがする。

「匂いも感触も違いが判らんほどだ。
味も……悪くないな」

掴んだふっくらとした感触も本物と全く同じな事にはさすがに驚き。
首筋を舐め上げ味まで確かめていき。
違和感がないかと双丘を捏ねるように揉み上げていくも違和感を感じる事はなく。

「感触も違和感はないぞ。
素晴らしい出来だぞ。本当に俺のモノにしたくなるな」

見た目、匂い、味に感触と確かめれば己のモノにしたいという欲をにじませて。

イナニス > 「興味深いでしょ?
 私もこの力に目覚めたのはつい最近。
 だから、自分でも分かって無い事も多々あって……。
 ま、実践しながら慣れていく最中って所だよ。」
説明しながら顔を赤らめ、
その際もフラッドの手が自分の胸に埋もれ……

「お、おぉ。」
首筋に少し冷たい、ぬるぬるした感触。
それが這い上がり、少女の背筋にぞくぞくとした感覚が走る。

「ちょ、ちょっとだけ待ってくれ。」
ふと我に返り、少年の傍から一旦距離を取った。

「フラッド君。
 私の美貌に興味があるのは解るが、
 ちょ、ちょっと、急が過ぎないかね?
 ……せめて、心の準備をだね。」
私の身体に興味がある、というのは、そういう意味だったか。

王宮……彼女のオリジナルが暮らす世界では、
女性、しかも側室の王女で大きな力を持たない者など、
さらに身分が上の者の慰み物でしかない事は往々にある。

自分は目立たず平穏に暮らしてきていた甲斐もあり、
幸いにもそういう世界には縁が無かったが……

それは良いとして、この状況をどうしたものか。
天才的な頭脳も、酒のせいかうまく回らない。

フラッド > 「俺が知る限りは聞いた事のない力だ。
実に興味深いと言えるぞ。
つい最近扱えるようになったのか…なるほどな」

説明を聞きながらも確かめる事は止めず。
少女の顔が赤みを持っても気にもせずに手は動いて。

「どうした?何か不都合か」

味や舐めた肌の舌触りも悪くはなく、ここまでの再現度ならば少女の本体はどれほどあのかと興味は増えるばかり。
もっと色々と確かめていこうとすれば唐突に静止され距離が空くと何だと少々不機嫌になる。

「何を言っている?
イナニスの容姿は確かに目を引くのは認めよう。
だが今はその身体に興味がある。心の準備?」

興味を、好奇心を満たすという時間を静止されて告げられた言葉に何を言っているという顔を見せる。
そもそもに人間とは違う考え方をすることもあり、何を慌てているかがいまいちわかっていない様子を見せる。
こうして人の姿をして話してはいるが元は違う存在ゆえに急すぎると言われても気にしてもいなく。

何を慌てているのかと見返しながら考えて…行き当たり。

「場所が問題というならば上に部屋を取ろう。
それで問題はあるまい。隅々まで調べさせて貰おうではないか」

人目を気にしているのだろ取ってしまい、ならば場所を変えて続けるぞと言い切って。

イナニス > 「部屋を、取る……。」
この場合、それはつまりそういう事か。
この竜、私を部屋に連れ込み犯すつもりなのだ。
全く、王宮を出てもこの国はこんな事ばかりか。

断ってさっさと逃げてしまおう。
いくらこの少年が竜と言えど、
酒場の真ん中で暴れ出す事もあるまい。

(ふむ。だがしかし……。)
しかし、と少女は思い直す。
分身の力を使って街へ繰り出したのは、
庶民の世界を見て回り、見聞を広め興味を満たす為であった。
冒険者としての仕事をしてみて分かったが、
この世界は書物では知り得ぬ事ばかり、なんでも経験してみる事が大事だ。

つまり、色事のひとつもまた、経験してみなければ分からない。
幸いにも少年と接しているのは分身体、
貞操を失ったとしても、私の中の一人の経験に過ぎない。
それに、色事に全く興味が無い、という訳でも無いのだ。

などと長々と考える事数秒。

「……うん。
 そうですね、分かりました。
 それでは参りましょうか。」
一転、フラッドの申し出をあっさりと受け入れる。
事が決まると、てきぱきと会計を済ませ、
あまつさえ自分で上階の部屋を取りに店員に交渉し始めた。

「では。
 行きましょう、フラッド君。」
笑顔でフラッドに告げると、
先に階段を上がって行くのであった。

フラッド > オリジナルと変わらないという存在を全て確認をしたいというのは興味を持てば当然の事。
たださすがに人前でそれを確かめるほどの非道ではなく、むしろ一応の気遣い。

ただ断られれば抱きあげて連れて行こうとするだろうが暴れられるとあきらめざるを得ない。
人目がある場所で無理強いをすればこの店を使えなくなるというデメリットを一応は理解していて。

「どうした?もっと高級な宿がよいか?
それとも俺の寝床が良いというのではあるまいな」

金ならばとある理由から数日ならば豪遊できるほどの持ち合わせがあり。
少女がもっと上の宿を願うならそれでもかまわないとあっさりと告げる。
ただ己の巣に擦れて行けと言うのであれば少々の難色を示すという顔。

それはそれとして無駄な騒ぎを起こすつもりは今はなく、少女の答えを待ち。
その時間は長く感じたようでほんの数秒程度。

「覚悟は決まったか。
ならば行くとしよう。
店主、支払いだ」

少女が受け入れれば当然という自信にあふれた笑みを見せ。
少女に合わせて多めの代金を置いての支払い。

「様と呼べ。
では行くとしようか、案内せよ」

君ではなく様だとそこは訂正し。
少女が手配した部屋に案内せよと偉そうに告げては後を追うように階段を上がっていくのであった。