2020/09/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジェイクさんが現れました。
ジェイク > 王都マグメールの平民地区。
富裕層でも、貧民層でもない、文字通り、平民の多くが生活する街は、
王都の中でも最も面積も広く、人口も多い賑やかな場所である。

上下の身分、多種多様な種族が往来する街並みは貧民街に比べれば、
一見すれば治安が良く、住みやすさを感じさせる事だろう。
衛兵の詰め所が存在する平民地区では必然的に街中を警邏する兵士の数も多く、
行き交う人々に彼等が目を光らせている。
だが、それが必ずしも治安維持のために輝いているとは限らない訳で。

「――――其処のアンタ、少し良いか?」

なめし革の胸甲を身に纏い、腰に剣を佩いた警邏中の兵士風の男が
道を行き交う女の後ろ姿へと声を掛ける。
ちらりと覗いた横顔が好みであったのか、或いは、顔見知りだったのか。
口端に滲んだ嗤みは、この後、彼女に降り掛かる災厄を象徴しているかのようであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にカーレルさんが現れました。
カーレル > 午睡から目覚めるとすっかり日は暮れていて時間を無駄にしたような気分になった
暗い室内に明かりを灯そうと手探りで照明を探し、火を灯せばついでに煙草に火を付けて
ベッドの縁に腰を下ろし上半身を目いっぱいに伸ばせば吐いた紫煙を外に逃そうと窓を開ける
窓から入ってくる冷たい夜気に思わず身体を震わせながら、寝癖の付いた髪に手櫛を入れる

「………あー…ご飯、忘れてた」

咥え煙草のまま立ち上がり、愛猫の名前を呼びながら食事を用意し、給餌用の皿の上に出してやれば、
何処にいたのか黒い影がひょい、と姿を表して餌をがっつき始める
床に腰を下ろししばらくその背中の毛並みを撫でていたが、自分の空腹に気がつけば、
薄手のコートをコート掛けから手に取り部屋を後にした


平民地区の繁華街まで来ると人の往来は徐々に減りつつあって、酒場や食事を提供する店はどこも満員なのか、
店内の喧騒が店の外にまで聞こえてくる
これはどうも、食事にありつくのに苦労しそうだ、と思いつつ店舗での食事を半ば諦め、
ふらふらと屋台の立ち並ぶ屋台街までやってきた…
けれども、どの店もピンとくるものがなく、仕方なく炒った豆に糖蜜を掛けた豆菓子を一袋買い求めれば、
適当な場所に陣取りぽりぽりと豆菓子を口へと運び出す
そのうちに何か食いたい料理が思い浮かぶであろうと思ったけれども、
この辺りの屋台はどこも立ち寄った事があるせいか、どうにも思い浮かばず…
そのうちに豆菓子で腹が膨らんできて、なんだかなあ、と思いつつ屋台を巡り歩く人々の行き交うに視線を向けていた

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアリエル・ウォールウェンさんが現れました。
アリエル・ウォールウェン > 平民地区の繁華街はとても良い。
気軽に安全に肉が食べられて、そして安い。
貧民地区の肉も安くておいしいのだが、気を抜いて食べられるこちらの肉もおいしいのだ。

そんな感じで串焼きの肉を何十も抱え、ベンチに座る。
隣には豆菓子を大量に食べる男性がいた。
甘そうだ。豆菓子が好きなのだろうか。

「こんばんは。豆菓子好きなのですか?」

肉を食べながら聞く。

カーレル > 多種多様な露店が立ち並ぶにも関わらず不思議なもんで漂ってくる匂いはそう多くはない
元より鼻が効くわけではないけれど、これがミレーであったりすれば違ったりするのだろうか
人の気配が近づいてくれば、自然と少しベンチの端にずれて袋の中に手を入れて、
板状に固められた豆菓子を手に取りあんぐりと口を開いた刹那、隣りに座った人物に声を掛けられ、
視線だけをそちらへ向けた

「…こんばんは…いや、別に特別好きってわけでも…
 そっちは……言っちゃなんだが、身体の割りによく食うね」

小さな体躯と彼女の抱えた何十もの串焼き
一体、何処に消えていくのだろうか、と不思議に思いつつ豆菓子を齧る
辺りを漂っていた匂いが濃くなり、香ばしい焼けた肉の香りが鼻先を掠め、
どうやら串焼きの匂いが漂っていたのだと判る
残った豆菓子をひょい、と口に放り込めば、指先についた固まった蜜を舐め取り

「…そちらが肉が好きなのは見りゃ判るけれど…ホント、その小さい体の何処に入ってくんだか不思議だわ」

再び彼女に顔を向けて、頭の先からつま先まで何となく視線を送り
ああこの辺か、と冗談交じりに己の胸元を指差して、へらりと笑みを浮かべた

アリエル・ウォールウェン > 「なんです? どこに入っているか気になるんですか? えっち♡」

そんなことを言いながら楽しそうに肉を食べていく。
袋からは牛、鳥、豚、謎肉、いろいろな串焼きが出てくるだろう。
そうして一本、二本、と一口で食べ、串を袋に戻していく。
そうして六本目を半分食べたところで

「おひとついかがですか? あーん」

そういいながら食べかけの串を差し出す。
いたずらな笑みを浮かべながらである。

「それとも口移しがよかったりします?」

ニコニコしながらそんな挑発じみたこともいったりして。

カーレル > 「そりゃあ、ちんまいのによく食ってるからなあ…不思議にゃ思うよ」

ぱっと見た所、小柄な彼女が眺めているうちに、一本、二本と次々に平らげていくのだから、
小気味良いのと同時に自分の空腹も満たされていくような気さえしてくる
六本目の串に彼女が手を掛け、健啖っぷりに感心しているとピタリ、と手が止まりこちらに串を差し出されれば、
ベンチの間、彼女との距離を少し詰めて、差し出された串に顔を寄せて

「んじゃ、一欠だけ、ご相伴させてもらうかな…
 …え、ヤだよ、ひな鳥じゃあ、あるまいし…普通でいいよ」

挑発じみた彼女の言葉に真顔でそんなふうに返せば、かぷ、と肉を歯と唇とで捕まえて、
ぐい、と顔を動かし串から肉を引き抜いて咀嚼する
どの部位かははっきりとは判らぬが、甘辛いタレと香ばしい肉の味が口に広がる

「ん…確かに美味いけど、隣であんだけ食ってる所見せられるとこれで十分って気がするわ…
 ほら、お返しに俺の豆菓子残りは全部やる…デザートにでもしてくれ」

入れ替わりに袋に入った豆菓子を彼女の方へ押しやり
普段であればこんな風にならないのだが彼女の手にした串から肉に齧りついたものだから、
己の口の周りに少々タレが付いて残り、それを親指で拭うようにすれば、ん、と拭った指を舐めて

アリエル・ウォールウェン > 「わーい、豆菓子―」

袋を受け取り、マメを取り出す。
ポリポリと食べてみる。素朴に甘い。
そこそこおいしかった。
しかしたれと蜜で手がべとべとになってしまう。

「…… 舐めますか?」

謎に手を出してみる。
えへへ、と笑いながら、なぜか非常に楽しそうである。

「そういえばお兄さん、こんなところでどうしたんです?」

豆菓子片手に黄昏ているのは珍しい気がして、そう尋ねる。