2020/09/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区の通り」にアティさんが現れました。
アティ > 少々雲が多く、月明かりが降りそそいではまた隠れと繰り返していく空模様。
それはまるで様々なものが混ざり合う、この街の姿のようにも見えるかもしれない。
日が沈み、夜へと移り変わっても賑わう場所は大通りから、それに適した店が並ぶ通りへと変わるだけであり。
街からは喧騒が消えるということがない様である。

「確かにこれは…情報通りな賑わいだねぇ」

そんな夜でも賑わう通りへと、足を運んだ兎は人の流れの間を縫うようにして、辺りをキョロキョロと見回してはまた進んでいく。
酒場から溢れる喧騒は、店の外にまで響き渡り。
店の外に酒を持ち歩いて飲み歩いている人も珍しくない。
そして夜の目玉は酒場だけではない、とばかりに客引きをしている娼館も転々と立っていれば、昼間の大通りにも確かに負けない活気だろう。
食事ついでに夜の賑わいの情報を聞いた兎は、物見気分できたようだが。
その賑わいには中々驚かされたようである。

「ここまで賑やかなら、おすすめのお店でも聞いとけばよかったかな」

ポツリと目移りするほどに、客引きだらけのお店の並びに、苦笑交じりにそんなことを零してしまったようである。
とはいえ、折角来た以上気分は最低限味わっても罰は当たらないだろう。
兎は賑わっている酒場をのぞき込んでみたり、客引きをしている娼館の、客引きをしている男性や女性の姿に視線をやってはまた進み。
来る途中に買った野菜スティックの詰め合わせを、ポリポリと時折かじり。
何か面白いものはないかと、夜の街を歩くにしては少々軽い足取りでまた歩みを進めていく。
耳も尻尾も隠していないために、見る人によっては揺れる耳や、ふわりとした尻尾は目立つかもしれないが。

アティ > 「あー、大丈夫大丈夫。
まだしばらく歩いてみようと思ってるからさ」

酒場の客引きに、娼館の客引き、たまによくわからないお店からの客引きももある。
兎はまだ歩くつもりだったため、それらを軽い口調で断っては通りの先へと向かい足を進めていくが。
酒場などの店頭の軽食の販売だけは、目に付くものをちょこちょこと買い。
小腹の足しにしながら、相変わらずの様子で食べ歩きに興じていていくようである。
時折、その尻尾や耳を見ては怪訝そうな瞳を向ける者もいたようだが、この街では仕方がないだろう。
ミレー族の扱いを考えれば、一見近しい種族に思われそうな特徴を兎は持っているのだから。

「っと…!…こらっ!
やっぱり、こういうのもいるのね」

気紛れに買った追加の野菜セットが予想外に美味しく、舌つづみを打って楽しんでいたものの、不意に鋭い音が響くことになった。
客引きに近づいてきていた一人が、しつこく付きまとっていたものの、ようやく離れたと思えば、反射的に兎は振り向きざまに蹴り上げを放ったのである。
腰鞄に手を突っ込まれ、小銭を入れた袋を掴まれたせいで、思わずはなってしまったのだが。
盗み目当ての相手で会ったのだから、そこは結果オーライかもしれない。
取られそうになった小袋をしまいもどしつつも、思い切り蹴り上げたせいで嫌でも人目を引くことになり。
少々周りがざわつくことになってしまったようである。
もっとも、顎を綺麗に蹴り上げられた相手は、しっかり伸びてしまい。
倒れると同時に、他からも盗んだらしき小物が衣服から零れ落ちたため、憲兵などが呼ばれてきても、あらぬ疑いは兎に向けられないで済みそうだが。

ご案内:「王都マグメール 平民地区の通り」にスピサさんが現れました。
スピサ > 【すみません 間違って別と入室重なりお目汚し失礼しました】
スピサ > 「お疲れ様。」

憲兵が着て挨拶を交わしたのは、丁度その兵とは顔なじみだった鍛冶師だ
青肌人であり、肌上に緋色革のオーバーオールという姿
目元には瞳を隠すように繋がれた革製の眼帯が、どこか妖しげにさせている

その姿で見えているのか?と市民がいぶかしむ中、憲兵は挨拶もそこそこに、伸びている男の事で仕事中だ
話を控えて職務に戻ろうとしたところで、今際の蹴りはその掏りがやったことだと告げる

憲兵は、この鍛冶師が不必要に証言をするはずもないことを存じており、兎人に同じように確認をするようなら、大したことも無い
裏路地に行けばこのような事態は可愛いも度を過ぎているもの
伸びている相手を連れ、難なく事態が終わるのなら、革のグローブの付いた手を上げ、兎人にあいさつを。

「ご愁傷様」

脚甲などで通ってくる常連客との挨拶は簡単なもの
助けたのも知己でなければスルーしていただろう

アティ > 「だから私はミレー族じゃなくて、普通にこういう種族の…って、あれ?」

予想通りこの街の夜の通りとはいえ、軽い喧嘩では済まない出来事が起これば、どこからか憲兵は呼ばれてきたようだ。
もっとも、状況が状況であり。
たおしてしまった輩から、他にも盗まれたものであるという証言をする人も少なからずいれば、兎へと向けられた疑いは、簡単に溶けることになったようである。
ただ、種族に関してはやはりというべきか。
ミレー族に酷似した特徴をもっている兎には、別の疑いが掛かりそうになったようであり。
手足のつくりの違いを見せて、憲兵を納得させるのに一苦労することになってしまったのが。
思わぬところで入る、兎側を補助する別の憲兵の会話が耳に届き。
その姿を確認すれば、兎は首をかしげることになったようだ。

「あーなるほど、証言ありがとね。スピサ。
予想外の遭遇だけど、折角だから何か食べにでも行く?」

何度か装備でお世話になっている鍛冶の彼女である。
兎よりも街になじんでいる彼女であり、同じように亜人に属するものの証言であれば、簡単に納得されたのも腑に落ちたようであり。
軽く兎のほうからも、手を振って挨拶を一つ軽く送り。
助け舟を出されたことを含めて、一人歩きもなんだしといった様子で兎は彼女へと声を返していくことにしたようである。

スピサ > アティ・ロップ
五体を扱う、兎の獣人
しかし獣よりもだいぶ人に近く、雄からしたらそそるものではないだろうか
その胸当てや武具たる装甲はスピサが仕上げ、修繕しているもの

知己故に助け、互いに障害がなくなり、人目はいまだある中
アティは意外そうにスピサとの出逢いを述べた

「ん……私もご飯くらい、食べにくる」

普段鉄と向き合うばかりの鍛冶師
口数は少なく、触れ合いの経験はアティよりも薄いだろう反応

その姿で外出着なのかと言われそうな裸オーバーオールも、この王都では程度の低い服だろう
食事に誘われ、一瞬だけ考えた
しかし、ちょっと特殊な革の眼帯を身につけているせいか 人の目は身なりと肌だけだろう

「……良いよ。」

了承したのなら、こちらのほうが若干高い背丈
見下ろす形で頷き、一緒に歩き出す
何処に行くのかはさておき、スピサも一人の食事ではなくなったせいか
少しだけ気持ちは弾んでいた

アティ > お店に足を運ぶことは数あれど、常連というほど同じ場所に何度も足を運ぶことの少ない兎である。
ミレーに間違われて色々ともめ事も起こりえるということもあるのだろうが、単に色々な場所に足を運びたがる。
そういった性質の部分が強く出ているからだろう。
それでも亜人同士であり、いい仕事をしてくれるといったところから、彼女のお店は何度も足を運ぶお店の一つとなっているのだ。

「そりゃそっか。
結構いっぱい食べそうなイメージあるもんね」

露出の強い格好だろうと、少し珍しい種族だろうと、兎は態度を変えることはなく。
同じように接していく分、そこに大きく乗っかるのは交友度合いだろう。
彼女の言葉に、とても納得するようにうなずき。
ニっと普段通りの明るい笑みを零せば、隣に並ぶように軽い足取りで兎は進んでいく。
幸いあの程度のけり上げで、ブーツがわずかにでも痛むことがなかったのは、鍛冶をしてもらっている彼女の前ではいいことだろうか。

「っていっても…私も詳しくないんだけどね。
いいお店見つけたらそこでいっか」

決まったなら、憲兵も来てて人目が集中する中にいるのも、また窃盗に目をつけられても、といった所か。
野菜スティックの残りを一つ彼女へと差し出し。
並ぶようにして、承諾した彼女をとともに、どこから腹ごしらえをしてゆっくりできる店を探しに、進み始め。
楽し気な様子で人込みの中に消えていったようである。

ご案内:「王都マグメール 平民地区の通り」からアティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区の通り」からスピサさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミンティさんが現れました。
ミンティ > 出張鑑定の依頼を受けて、今日は早い時間から外出。仕事は滞りなく済ませる事ができたけれど、その帰り、道に迷ってしまった。
生まれ育った王都ではあるけれど、広い国土には当然、あまり歩き慣れていない地区もある。このあたりもそういった場所。行きは迎えの馬車を手配してもらえたから目的地まで辿り着くのも簡単だったけれど、自分の足で歩いてみると、入り組んだ路地は迷路のようで、どこへ向かえばいいかも判断がつかない。
なんとなくの土地勘で方角だけ定めて進んでみても、袋小路に突き当たったりして、見知った景色が広がる場所までなかなか出られず、時間だけが過ぎていく。

「……ええ…と……」

背の高い建物が多いせいで見通しもきかず、途方に暮れる。道を尋ねようにも人通りもなく、自分の勘に頼るほかに術がない。
しばらくうろうろと彷徨ったけれど、やがて歩き疲れて、近くの壁に背中を預けて小休止。空を見上げて、太陽の位置から、進むべき方角をもう一度確認しようとして。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にネイスさんが現れました。
ネイス > 大物の宝を掘り当て、昨晩遅くまで飲み歩いてついさっき起きたばかり。散々飲み食いしてもまだまだあたたかい懐は、寂れた通りを進むにも気分を良くしてくれた。
唯一心残りなのは適当な所で高級娼館にで水揚げでも行おうかと考えていたのが、考えるだけで終わってしまったこと。
お陰様で安宿のベッドで眠る羽目になり、今日こそはとあくび混じりに裏通りを歩く。壁に背を預けて立ち尽くす女が見えたのは、そんな矢先。

「よう、今から夜明けまで。幾らだ?」

ずかずかと歩み寄り、壁と挟んで少女を見下ろす。
少女の迷い込んだ裏通りは、もう数時間もして日が暮れてくれば女達が立って並んで私娼に励む通りであった。そんな所で呆然とした様子で立ち尽くしている女は、当然目につく。
不躾だと自覚していても、グダグダと言葉を重ねるのも男の性分ではなく、先ずはと値段を尋ねて、改めて身体を品定めする視線を向けた。

ミンティ > 午後の日差しが傾きはじめれば、遮蔽物が多い路地裏はもっと早く、暗くなってしまうだろう。休憩の時間も長くは取っていられないから、すぐにでも歩きださなければならない。そう考えて、壁から背を離そうとしたけれど。
臆病な性質だから、こちらへやってくる人の気配を察して、身動きを止めてしまう。
足音がする方へ目を向けてみると、その間に大股で歩み寄ってくる相手の気配はもうすぐ近くまで迫っている。
おどろくほど長身の男性の姿に、びくりと身体が震えて。

「…へ?…え、あ、の、…ものに、よりますが、100ゴルドくらいから…」

急な問いかけの意味がわからず狼狽する。おろおろして黙りこんでしまうと、相手に悪い感情を持たせるかもしれないと焦って。さっきまで仕事をしていたから、鑑定料金がとっさに口をついた。
それから夜明けまでという言葉に違和感を持って、はっとする。路地裏に用事もなく立ち尽くしている女がどう見られるか思い当たって、あわてて首を振り。

「あ、いえ、…わ、わたしは、ちがいます……っ」

ネイス > さしもの大男も、その提示額には目を瞬かせた。それから少女を覆い隠すような方を跳ねさせて笑って、ますます前のめりになる。
意味を取り違えていることに気づいた時には、壁に手をついた男の手が逃げ場を封じていた。振られる桜色の髪が、野太い前腕を叩く。
少女の物言いを、私娼ではなかったときちんと理解した男。しかし、思いもよらぬ料金を提示してくれたのだから、ノらなければ損。

「あぁ、あぁ、わかってるわかってる。100ゴルドってのは……オプションの値段だよな」

真っ直ぐでクセのない桜色の髪に、ごつごつとした太い指を差し入れて撫でる。すっかり、買い上げるのを決めたとばかりの雰囲気を漂わせて、巨躯を寄せていく。
昨晩は愉しみそびれてしまった女の甘い香りを手中に、少女には見えないように舌舐めずりして。梳きあげる髪と、そこから覗く耳に口付ける。私娼相手なら精々気が早い程度の、スキンシップでしかない。

「嬢ちゃんみたいな綺麗どこ抱くんなら……それにゼロふたつ位くっつけてやんなきゃバチがあたるって。わかってるよ。」

髪を毛先に至るまで撫で下ろした手でそのまま、強くすれば折れてしまいそうな腰を抱く。一方の腕で、腰に括り付けた財布をまさぐる。
ジャラ、と重たい音をさせる袋を一切まるごと、少女の手に乗せて、その上から掌を被せて強引に握り込ませた。

「……こいつで足りるか?」

ミンティ > うっかり返答してしまったけれど、身体を売る金額としては格安もいいところの値段だろう。そこを切っ掛けに、会話に食い違いが生まれている事を察してもらえるかと、おそるおそる相手を見上げて。
その儚い希望は受け取られず、逞しい腕に逃げ場を封じられて、身が強張る。
そうされていなくても、足が竦んでいて、とっさに走り出せそうにもなかったけれど。

「お、おぷしょ…ん?あの、ち、違います、…わ、わたし…っ、……っ」

なおも勘違いされたままなのかと思い、自分が古物商である事や、鑑定代金を答えてしまっただけだと伝えようとする。
口下手だから、この状況ではスムーズに言葉にする事ができずに、しどろもどろ。その間に距離を詰められたから、壁に小さな背中をくっつけるくらい後ずさり。
髪に触れるごつごつとした指の感触に、くすぐったそう肩をすくめ、眉を寄せた困り顔。

「っ…へ?いえ、わ、わたしなんかに、そんなお金を出されても、困ります…っ…、…!」

提示された金額に、さらに狼狽が深まる一方。腰に手を回されて、とうとう距離を取ろうとする事さえ難しくなって。
こんな状況ながら、差し出されたものを受け取ろうとしてしまう。そして手のひらに載った財布の重さに、目を丸くして。

「ぁ……の……」

ミンティ > ずしりと重たい財布を渡された手が震えて、しばらく言葉が出さなくなった。
それからすこし間を置いて発せられた小さい声は、二人にしか聞こえないほど、か細いものになって…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からネイスさんが去りました。