2020/08/22 のログ
ご案内:「冒険者ギルド」にラファルさんが現れました。
ラファル > 冒険者ギルドの片隅で、ぽりぽり、と野菜スティックを齧る幼女がいる。ギルドの人たちも、冒険者も、その幼女に此処から帰るようには言わない。
 それには理由がある、幼女は、冒険者ギルドに所属する冒険者で、ギルドの人間たちと同じ冒険者なのである。
 幼女もちゃんと冒険者のギルドカードがある、他の冒険者と違う所には、何かあった時の連絡先―――保護者として姉のリス・トゥルネソル。
 冒険者の師匠として笠木影時という名の冒険者の名前が連なっている。
 ―――位階に関しては最低ランクの冒険者名簿に書き連ねられてると言うのも、年齢10歳、普通に冒険者として成人した子が来るとしても15歳。若すぎるのが問題だった。
 実力に関しては――能力は有るが、経験が足りない、一応保護者同伴が殆ど。
 偶に一人で依頼を受けることもあるけれど、周囲を不安にさせる事この上ない。それが、この幼女の評価。

 だから、幼女趣味の変態さんとか、お節介焼きとか、おかーさん属性の人以外声を掛けることはないのだ。
 暇という雰囲気全力で、ポリポリと、野菜スティックを齧る。
 見かねたギルド職員がたまーに、お使い程度の依頼が来た時に、優先してお願いするくらいか。おっかなびっくり。
 そんな幼女は。


 暇なので、誰か絡める人がいないかなーと。酒場をきょろきょろ金色の竜眼で眺めるのである。

ラファル > 「うーん。」

 ぽりぽりぽりり。野菜スティックを器用にかじりながら口の中に吸い込みつつ、冒険者たちを眺める。こう、お話したりからかったり絡まったりしたいような人がいない。
 どちらかと言うと余裕がなくて、小さなことで目くじら立てて怒るような人しかいない。
 ああいう余裕のない人はちょっとの事で、大げさに騒ぎ立てるし乱暴になるから、絡まない方がいい。経験が生きる。
 とりあえず、もう少し誰か来ないか待ってみようという結論に達する。

「おいちゃー。ミードー!」

 気軽に注文してから、もっと何か注文しようかしら、と幼女は考える。さっきから野菜スティックポリポリは、食べた気がしない。
 おやつにすらならないから、もっと腹ごしらえに良い物が欲しい。
 肉料理……と言えば。やはり。

「分厚いステーキぃ!!!」

 ばんばん。と幼女はテーブルを叩いて注文。知り合いがいればお行儀が悪いとかいうかもしれない。
 居ればの話だ、居ないのだから、普段のフリーダムで良いのだ、むふー。ととても満足げ。
 受付のおねーちゃんも、酒場のおっちゃんも慣れているからか、はいはい、という様子で作ってくれる。
 わくわくしながらお肉待ち。

ご案内:「冒険者ギルド」にアルファさんが現れました。
アルファ > カウベルの音を立てて酒場に入る。
代わり映えのしない客と部屋づくりに肩を揺らして荷を担ぎ直して何処に座ろうかと高い靴音立てて歩いていた。
そんな時に隅から聞こえるテーブルを叩く音に薄紅色の目を向けた。
なんとも賑わしい客で、それも普段から見慣れない少女であれば興味が湧いた。
慣れた客が無関心な中でそちらに近づいて。

「お嬢ちゃん元気がいいなぁ。駆け出しの冒険者かな。
 ここに座っても良いかい?」

少女の対面席をとんとんとノックのように叩いて小首を傾げて見せた。

ラファル > 注文を待っているその時に、酒場に入ってくる相手が居る。それは、幼女の近くまでやって来て、そして、自分の目の前の席を軽くたたく。
 年齢は、恐らく20代前半―――というか、幼女の眼は半眼へと堕ちていく。
 楽しそうにしていたのだけれども、しかし、だ。

「いいよ、別に座っても。ボク、帰る。
 知り合いの事を忘れるような人と、一緒の席はやだから。
 というか、口説いた女の顔と名前ぐらいは、覚えておいた方がいいんじゃないの?」

 忘れられているようだ。
 彼は自分の元に来て、口説きに来ていた男だった。
 最近はお手伝いが楽しいのであまり此方には来たりとかしてなかったのだけれども。
 完璧に忘れた様子の男に唖然を通り越した。

「おいちゃー。弁当に包んで、持って帰るー。」

 先程注文した肉のステーキが出来て来たので、それを包むように願って。
 幼女は、それを持って、お金を払って。

 男を置いて去る。

ご案内:「冒険者ギルド」からラファルさんが去りました。
アルファ > 「口説いた……なんのこと?」

と語りかける前に去ってゆく姿を呆然と見つめ。
揺れるツインテールの後ろ姿に記憶が呼び覚まされる。

「ああ、あのときの配達員を手伝ったときの子か。
 雰囲気が違っていたから気が付かなかった。
 悪いことをしてしまった」

そう呟くもその姿は無く。小さく首を振ってから酒を注文する。
頼むのは二杯のエール。

「ごめんな。ラファル」

今は居ない彼女の席においたグラスに乾杯をしてから唇を盃で濡らした。

アルファ > そのまま暫く酒を楽しみそのバカラ去っていった。
ご案内:「冒険者ギルド」からアルファさんが去りました。