2020/08/18 のログ
■レギオン > “選ばなきゃいくらでもあるぜ。”なんて笑う店主。
年季の入った髭面を見れば、こんな場所でこんな商売を長く続けている、その所以のようなものが見える。
胆力だけでは無理だろう。それに酒と料理の味を加えてもまだ足りない。
つまるところは、その言葉は少なからず、信用に値するということだ。
だから、今夜はここで飲んでしまっても問題ないだろうと。酒の杯と料理の皿を空ける。
安物だが、強い酒と、香辛料のたっぷり聞いた肉の煮込み料理。
そいつを無精ひげの浮いた顔を笑顔の形にして平らげる。
「そいつは良かった。
――良かったから、酒と、こいつのおかわりをくれ。」
“もちろん、あんた、随分美味そうに喰うんだな。”
満更でもなく告げて、空の杯と料理の皿を運んでいく店主。
その背後で、酒精の混じった吐息を吐き出して
「ああ、そうだよ。
これが美味い時の顔だからな。」
そんな言葉を誰にも聞こえない程度の声で呟く。
さて、料理と酒が来るまでの間に、というつもりでぐるりと視線は酒場を見渡す。
喧騒、笑っている者、泣いている者、酔い潰れている者―――。
■レギオン > と、店内を巡る視線が外れたのは――店主が料理と酒を持ってきてくれたから。
「ありがと」と軽い調子の言葉と、右手を軽く振る。
そのまま、フォークを持てば冷めないうちに、と料理に取り掛かる。
しばし、そういう時を味わうのも悪くはないだろう――。
そのあと、今夜はどこで休もうかと探し回る羽目にはなるのだけれども。
ご案内:「王都マグメール 平民地区//酒場」からレギオンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシンディ・オーネさんが現れました。
■シンディ・オーネ > まだおやすみなさいには少し早い、夜の平民地区、どこにでもありそうな通り。
場合によってはこれからお仕事という事もあるけれど、今日は終業ムードで街を散策している。
本当は恋人とこういう時間を持ちたいところだが【アーネスト】とは訳あって別々に仕事を受ける日々。
今夜もまだ宿に戻っていないだろうと思うと帰るのも退屈で、あっちへふらふらこっちへふらふら、
田舎者にはまだまだ何もかも珍しいではあるのだが、興味を惹かれるものを探しておのぼりさんしていた。
長い髪をざらざらと垂らし、生地が頑丈そうな大きめの長袖長ズボンは作業着めいている上に黒ずくめ。
安全靴のようなゴツイブーツと相まっていっそトータルコーディネート感すらある。
…道行く都会派な女性とすれ違うとそんな自分を意識して、ふむと浅いため息が漏れた。
■シンディ・オーネ > 着飾る事にあまり興味は無いけれど、アニーことアーネストは私にもう少し『ちゃんと』してほしいのではなかろうかと思う。
彼がそんな素振りを見せたことはないので、これはきっと私の勝手な後ろめたさだとも思えるのだけど、さすがに今のコレではどうだろう?
そんなに気合を入れなくたっていい。ただもう少し女の子らしい格好というものがあるのだと、道行く人々を見ていると自然とそう思う。
【ロベリア】の『輝く白狼亭』で働かせてもらい、スカートを履いた自分を見るのは違和感たっぷりで照れくさくても、確かにちょっとだけ楽しくも思うのだ。
いやあのデザインは、いささか行き過ぎだとしても。
ジャンルを問わず商店などを覗き込んでいくが、冷やかし前提だと入るのに少し勇気が要った。
あまり物怖じや遠慮はしない方かもしれないが、好んで嫌な思いをさせたり、したいとは思わない。
この街で自分のシェンヤン寄りな容貌が問題視されるのを感じた事はまだそんなに無いのだけど、
その環境に羽を伸ばす傍ら、長年染みつけられた価値観は深く根付いていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシンディ・オーネさんが去りました。